(公開日:2022.08.23)
【連携事例】岩手県山田町にてオンライン「地球環境教室・エコ実験教室」を開催~ランクセス社
- 企業連携
セーブ・ザ・チルドレンは、2011年より東日本大震災の被災地にて5年間にわたり緊急・復興支援を行い、現在も一部の事業のサポートを続けています。
ドイツの化学メーカーのランクセス社とともに2014年より毎夏、夏休みの体験活動として開催している「実験教室」もその一つです。ランクセス社は、震災直後から私たちの緊急・復興支援を継続してサポートしています。
会場となった岩手県山田町の「山田町ふれあいセンター」は、「小中高生世代をはじめとする子どもの居場所」と「図書館」の機能を持ち、子どもたちだけでなく大人も利用できる公益施設です。震災後、子どもたちがアイデアを出し合い、役場や町の大人たちの協力も得ながら企画・デザインして建てられたもので、町の人たちが集まれる居場所になるようにという子どもたちの願いから、さまざまなイベントが企画されています。
■今年は「地球環境」についてより踏み込んで考える内容に
実験教室は、化学の実験を通じて、環境のため地球のためにできることを学ぶ内容となっています。今年は、「地球環境・エコ実験教室」と題して、「持続可能な開発目標(SDGs)」をキーワードに、「地球環境」と「気候変動」についてより深く考えるプログラムを実施しました。
前半はクイズを交えた講義、後半は「自分だけのオリジナルの保冷剤を作る実験」を行いました(新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今年もオンラインでの開催となりました)。
当日は、小学校1年生から6年生の子どもたち計10人が参加しました。
はじめに、見る人によって違った色や方向に見える不思議な写真3枚を見ながら、みんなで「多様性」について考える時間がありました。
続いてSDGsの13番目のゴール「気候変動に具体的な対策を」について詳しく学ぶ時間では、イラストや写真、シミュレーション動画などを使って、地球温暖化の仕組みやその影響、2100年までの世界の気温や降水量の変化、地球温暖化を抑制するために必要な対策について説明しました。
たった一人で活動を始めたスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの話にも触れ、まずはこの問題について「知る」ことがとても大事であるというメッセージも伝えました。
後半は、身近にできる地球温暖化対策として、「マイ保冷剤」を作る実験を行いました。「高吸水性ポリマー」という水を大量に含むことのできる細かい粒状の素材を水と混ぜ合わせる実験です。
全員が、真剣な表情でランクセス社の「先生」の説明を聞きながら、道具を手にしてポリマーが水を含んで徐々にゼリー状に変化していく様子や感触を楽しみながら参加していました。また、水にあらかじめ好きな色の絵の具で色付けをしたり、ビーズ、ラメなどで飾り付けを行ったり、それぞれが個性的な保冷剤を作っていました。
■「わたしも地球のことも考えながらこうどうしたいきもちがつよくなりました」
ランクセス社からは従業員3人が参加しました。山田町ふれあいセンターの職員の方たちの協力を得て、パソコンやタブレット、スマートフォンを駆使し、東京と山田町ふれあいセンターをオンラインでつなぎながら進めました。子どもたちの手元をスマートフォンやタブレットで映しながらの実況中継により、画面越しであっても、スムーズに双方向でコミュニケーションをとることができました。
子どもたちがそれぞれ工夫して完成した「マイ保冷剤」は、水色やピンク色、緑色、赤色など、とてもカラフルなものになりました。子どもたちからは次のような感想が寄せられました(※)。
「すごくべんきょうもできたし ほれいざいもできてたのしかったしおもしろかったです。」
「今日の授業で地球がとてもきけんなことも分かったので、とりくめることは、取り組みたいです。」
「これからは、地球にやさしい生活をして、わたしも地球も元気にくらしたいです。」
「わたしも地球のことも考えながらこうどうしたいきもちがつよくなりました」
(※)子どもたちの感想は、原文より抜粋して記載しています。
■従業員ボランティアによるプロジェクトチームが毎年プログラムを企画
先生役を務めたランクセス社の従業員からも、「子どもたちの楽しそうな笑顔をみて、オンラインだったが今年も開催できて本当によかった」、「地球環境についても、関心をもって聞いてもらえたようで大変うれしく思います」、「今年も山田町ふれあいセンターの先生方のカメラワークのおかげで、子どもたちの様子がとてもよく分かりました」とコメントがありました。
同社では、毎年、従業員ボランティアからなるプロジェクトチームが実験教室のテーマを考え、プログラムを企画しています。新型コロナウイルス感染症拡大下のオンライン開催であっても、子どもたちに楽しんでもらうにはどうしたら良いのか、今回も事前にいろいろと工夫を凝らしての準備がなされました。
従業員が参加し、長年にわたり行われているこの取り組みは、今年で9年目となります。まさに「企業とNGOが連携して行うサステナブルな支援」のモデル事例として、これからも続くことを願っています。
(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)
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セーブ・ザ・チルドレンは、毎年600以上の企業・団体の皆さまとさまざまな形で連携し、子どもたちを取り巻く課題解決のために、緊急・人道支援や教育、子どもの保護、保健・栄養などの分野で、日本を含む世界約120ヶ国で活動しています。これからも、企業の皆さまとも協力・連携しながら、子どもたちを取り巻く社会課題の解決に取り組んでいきます。
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