(公開日:2022.09.15)
【調査結果】 気候変動と経済的不平等に関する子どもアンケートを実施
- アドボカシー
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが声をあげ、その声が聴かれ、「子どもの権利」が実現されるよう、子どもたちとともに活動を行っています。この度、セーブ・ザ・チルドレンは、気候危機や経済的不平等が、日本の、そして世界中の子どもたちとその家族に与えている影響や、それら課題への対応について、15~18才の子どもを対象にアンケート調査を実施しました。日本で実施されたアンケートは、約30ヶ国の子どもたちの声(アンケート、インタビュー)とともに、セーブ・ザ・チルドレンが10月に発行する予定の報告書にて取りまとめられる予定です。
今回、アンケート結果がまとまりましたので、ご紹介します。
アンケート結果全文はこちら
【調査対象】 日本に在住する15歳~18歳の子ども
【期間】 2022年7月25日~27日
【有効回答数】 1,085人
【調査地域】 47都道府県
【調査方法】 インターネット調査ツール「QiQUMO」提携先会員の15歳~18歳の子どもによる任意回答
※このアンケート調査は、(株)クロス・マーケティングの協力により実施しました。
【4人に3人の子どもたちが気候変動や経済的不平等が国内外の状況に影響を与えていると回答】
「気候変動や経済的不平等があなたのまわりや国内の状況に影響を与えていると感じますか?」という質問では約4人に3人の子どもたち(約75%)が、気候変動と経済的不平等の両方、もしくはどちらかが自分の周りや日本に影響を与えていると回答しました。
また、同様に約4人に3人の子どもたちが、気候変動や経済的不平等が日本以外の国の子どもたちにも影響を及ぼしていると答えており、子どもたちが、これらの課題が自分たちの生活と無関係ではなく、グローバルな課題であると考えていることが分かりました。また、気候変動と経済的不平等によって、気候や環境、子どもたちの精神的な健康が悪化していると答えた子どもが半数以上にのぼりました。
【大人の取り組みが不十分だと認識】
気候変動や経済的不平等に対して、大人(民間企業、日本政府・国会議員、市長などの自治体や日本の各地域でリーダーの役割を果たす大人、一人ひとりの大人)が十分な取り組みをしていると思うか、という質問に対しては、子どもたちの約半数が、すべての大人に対して「行動は不十分で、もっと行動をとるべき」と回答しました。最も取り組みが不十分であるとされたのは、日本政府・国会議員(「十分な行動をとっていると思う」が7%であったのに対し、「行動は不十分で、もっと行動をとるべきだと思う」は66%)でした。
「気候危機や経済的不平等の課題について、あなたはすでに何か行動していますか?」という質問に対して、「はい(すでに行動をしている)」と回答した子どもは15%と決して多くはなかったものの、「いいえ、でも始めてみたいです」と回答した子どもが約4割(38%)にのぼり、何かしらの行動を起こしたいと考える子どもが一定数いることが分かりました。
【気候変動と経済的不平等に対する責任の大きさは、国によって違いがあると認識】
約5人に3人の子どもたち(61%)が、気候変動と経済的不平等に対する責任は、国によって違いがあると答えており、そのうちの半数以上(56%)が、「経済的に豊かな国」、4分の1(25%)が、「経済が急成長している国」の責任が大きいと回答しました。
一方で、解決に向けて各国が協力すべきだという自由回答も寄せられました。
「SDGsのように世界で問題を定め問題に対し具体的な目標を決めて世界各国で目標達成に向けて動くこと。自分たちの国だけでやるのではなく世界中でやる事で他の国にも見られているという意識が広まり解決に向かうと思う。」(17歳、大分県)
「利益だけを考えるのではなく、競争ばかりをするのではなく、様々な考えがあっても、地球を、明るい未来を守るために手を取り合ったらいいと思う。そうすれば、自然と国や民族、宗教や性別、障害や経済的事情などを超えて、みんなが協力できる世界になっていくと思う。協力すればするほど、新しいいい技術が生まれたり、科学も発展すると思う。」(15歳、埼玉県)
【なんらかの経済的不平等があると回答した子どもが9割以上】
「あなたの住んでいる地域には、どの程度の経済的不平等があると思いますか?」という質問に対しては、94%の子どもがなんらかの経済的不平等があると認識していることが分かりました。特に影響のあるグループの上位3つは、障害のある子ども(35%)、両親のいない/ひとり親の子ども(29%)、路上生活者の子ども(28%)となりました。
【子どもたちとともに、気候変動と経済的不平等の課題を考え、解決していく】
今回の調査では、自由回答にて、「自分たちの意見を聞いて欲しい」という声も寄せられています。
「子供やそれ以降の世代のことを考えて政策をしたり、もっと早い段階から子供が政治に関わったり世の中について考える機会を設けた方が良い」(17歳、兵庫県)
「影響を受けている子供たちの声をちゃんと聞き、受け止め、その声に応える行動をちゃんととる。(聞くだけにしない)」(16歳、東京都)
気候変動や経済的不平等の影響を最も被るのは、日本でも世界でも子どもたちです。セーブ・ザ・チルドレンは、引き続き当事者である子どもたちの声を聴き、子どもたちとともに、これらの地球規模の課題に取り組んでいきます。