【活動報告】中高生世代向けデジタルコンテンツ「あなたのミカタ! 権利がワカルと世界がカワル」の普及を進めています(大学での講義事例の紹介)

セーブ・ザ・チルドレンが、2022年3月に子どもの貧困問題解決への取り組みの一環として、工学院大学と共同で制作した、中高生世代向けデジタルコンテンツ「あなたのミカタ!権利がワカルと世界がカワル」が、法政大学の講義で使用されました。



このデジタルコンテンツは、ダウンロード申し込みを開始して以来、2023年2月末までに184件のダウンロードがあり、約2,300人がコンテンツを体験しています(申し込み時調べ)。


「あなたのミカタ!権利がワカルと世界がカワル」について
「あなたのミカタ!権利がワカルと世界がカワル」は、主に中高生世代が登場人物の立場に立ちながら子どもの権利と子どもの貧困について知り、学べるロールプレイング型デジタルコンテンツです(デジタルコンテンツについての詳細はこちら)。2022年9月には、宮城学院女子大学での実践例を紹介しました。


今回は、法政大学の教職課程の授業(吉田直子講師担当)の一環として、2022年12月にセーブ・ザ・チルドレンの職員が、子どもの権利と子どもの貧困について講義し、そこで実際にデジタルコンテンツを試したときの様子について報告します。




講義では、まず子どもの権利条約を紹介し、子どもには生きる権利、育つ権利など一般的にイメージされるような権利のほかに、遊ぶ権利や休む権利などもあること、条約の中でも特に重視される「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命・生存・発達の権利」「聴かれる権利(意見表明権)」という4つの一般原則について紹介しました。

学生からは、子どもの権利条約第16条「子どもであっても通信、名誉、信用は保護される」を知り、自身の日記を親に読まれた経験などを思い出し、もっと子どもの権利が大人にも知られてほしいといった意見も出ました。

子どもの権利について概要を共有した後は、デジタルコンテンツをタブレットやスマートフォンで体験しました。そして、グループワークでその感想を共有する時間をとりました。

グループワークでは、「子どもの権利も、学びのための制度も、アルバイトの時の法律も、全然知らなかったので驚いた」や、「制度があったとしても知られていなければないのと同じなので、行政にはもっと周知を頑張ってほしい」といった意見がありました。



授業後のアンケートでは、次のような声も聞かれました。


・自分が教員になった時には、困っているかもしれない子どもたちのために今日学んだ権利や制度について伝えていきたい。


・普段、授業内で子どもの貧困について触れることはあっても、実際にその状況に置かれている子どもと交流したことはなかった。そのため、文章よりもゲームのようなコンテンツだと実感がわき、自分が先生、または親世代になったときにいかせると感じた。


・特に「知る」ことの大切さについて大変印象に残りました。私たちを守り、支えてくれるアルバイトの労働基準法や奨学金等の諸制度、また子どもたちを守るための「子どもの権利条約」なども、存在しているだけで認知されていなければ意味はなく、活用されることもありません。(中略)条約や制度などが広くみんなに知られ、みんながそれを活用できるようになることが望ましいと感じました。


教職課程の授業であったため、参加した学生の多くは教員志望でした。講義やコンテンツの体験を通じて、子どもの権利や子どもの貧困問題、制度について理解を深め、将来教員としてどのように子どもや家庭と関わっていきたいか考える機会となったようです。



このデジタルコンテンツは現在もダウンロードの申し込みを受け付けています。今回のように大学の授業で活用されているほか、中学校や高校、NPO団体などでの活用事例もあります。


具体的にどのように活用できるかなどについてはご相談に応じますので、少しでも関心のある皆さんからの申し込み・問い合わせをお待ちしています。

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公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 国内事業部 子どもの貧困問題解決 社会啓発担当
Email: japan.soap@savethechildren.org
TEL:03-6859-0398(平日8:30~18:30) 


(国内事業部 子どもの貧困問題解決 鳥塚早葵)
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