(公開日:2023.07.07)
【特別企画】海外事業部スタッフ座談会シリーズ:「子どもの保護」の取り組み(前編)
- 緊急支援
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの海外事業部では、「子どもの保護」の分野について、定期的に勉強会を開催したり、事業の振り返りを行ったりしています。
今回、「子どもの保護」という支援活動を、多くの皆さんにお伝えしたく、活動を行うスタッフが、なぜ「子どもの保護」に関心をもったのか、「子どもの保護」の活動で印象に残ったことなどを、2回にわたり、対話形式で紹介します。
■そもそも「子どもの保護」とは何を指すのでしょうか。
(渡邊)子どもの保護とは、「子どもたちが虐待、ネグレクト、搾取や暴力などから守られるための予防および対応の総称」を指します。
災害や紛争などが起こった際に、緊急支援を実施する団体などが順守すべき国際基準の一つに「人道支援における子どもの保護の最低基準」(Minimum Standards for Child Protection in Humanitarian Action:CPMS) がありますが、その中にも、先ほどの定義が示されています。
そして、子どもの権利条約の第19条には、暴力から守られる権利 が定められており、「子どもの保護」は、子どもの権利保障のために重要な分野の一つです。
■NGOの活動分野には、教育や医療などさまざまなものがありますが、「子どもの保護」の活動に関心をもったきっかけは何ですか。
(宮脇)元々は、広く子ども支援に関心がありましたが、大学生の頃にセーブ・ザ・チルドレンでボランティアをしていた際に、「子どもの保護」という活動があることを知りました。
その時に知った活動は、サイクロンによる被害を受けた家族が離ればなれにならないように支援するものでした。
私自身が家族の存在に多く助けられてきたと感じていたことから、紛争や自然災害などの苦難の中でも、まずは家族や養育者など、安心できる人と一緒にいられることが大事なのではないか。そんな想いから子どもの保護の活動に関わり始めました。
(水野)日本の教育・福祉機関でのカウンセラーの経験や、青年海外協力隊で派遣された少年更生施設での教育支援活動の中で、いじめ・体罰・虐待などの実態を目にして課題意識をもったことから、「子どもの保護」に関心を持ちました。
■これまで関わってきた「子どもの保護」の活動にはどのようなものがありますか。
(藤井)紛争の影響を受けた国や難民受け入れ国である、シリア、レバノン、ウガンダなどにおいて、時には現地に駐在しながら、また時には東京事務所から、子どもたちにとって安全・安心な場所である「こどもひろば」 の設置や運営、精神保健・心理社会的支援を通した子どもたちの心理社会面での安定を目指す事業に関わってきました。
(宮脇)紛争の影響を受けたミャンマー、シリアやウガンダの子どもたちが避難先でさらなる被害に遭わないように、子どもたちを守る仕組みを避難先コミュニティ内につくる活動などに関わりました。
子どもたちを暴力や搾取から守る取り組みには、そうした活動を担える「人」が不可欠であることから、子どもの保護人材の育成事業も実施しました。
CPMSの日本国内への普及にも継続して取り組んでいます。現在は、カンボジアに駐在し、学校現場で子どもたちを暴力から守るための仕組みづくりに関わっています。
次回は、スタッフが、これまでの「子どもの保護」に関する活動を通して特に印象に残った出来事や今後達成したいことをご紹介します。
(海外事業部 渡邊紗世)
後編はこちら
今回、「子どもの保護」という支援活動を、多くの皆さんにお伝えしたく、活動を行うスタッフが、なぜ「子どもの保護」に関心をもったのか、「子どもの保護」の活動で印象に残ったことなどを、2回にわたり、対話形式で紹介します。
対談をする海外事業部のスタッフの様子
■そもそも「子どもの保護」とは何を指すのでしょうか。
(渡邊)子どもの保護とは、「子どもたちが虐待、ネグレクト、搾取や暴力などから守られるための予防および対応の総称」を指します。
災害や紛争などが起こった際に、緊急支援を実施する団体などが順守すべき国際基準の一つに「人道支援における子どもの保護の最低基準」(Minimum Standards for Child Protection in Humanitarian Action:CPMS) がありますが、その中にも、先ほどの定義が示されています。
そして、子どもの権利条約の第19条には、暴力から守られる権利 が定められており、「子どもの保護」は、子どもの権利保障のために重要な分野の一つです。
■NGOの活動分野には、教育や医療などさまざまなものがありますが、「子どもの保護」の活動に関心をもったきっかけは何ですか。
(宮脇)元々は、広く子ども支援に関心がありましたが、大学生の頃にセーブ・ザ・チルドレンでボランティアをしていた際に、「子どもの保護」という活動があることを知りました。
その時に知った活動は、サイクロンによる被害を受けた家族が離ればなれにならないように支援するものでした。
私自身が家族の存在に多く助けられてきたと感じていたことから、紛争や自然災害などの苦難の中でも、まずは家族や養育者など、安心できる人と一緒にいられることが大事なのではないか。そんな想いから子どもの保護の活動に関わり始めました。
(水野)日本の教育・福祉機関でのカウンセラーの経験や、青年海外協力隊で派遣された少年更生施設での教育支援活動の中で、いじめ・体罰・虐待などの実態を目にして課題意識をもったことから、「子どもの保護」に関心を持ちました。
■これまで関わってきた「子どもの保護」の活動にはどのようなものがありますか。
(藤井)紛争の影響を受けた国や難民受け入れ国である、シリア、レバノン、ウガンダなどにおいて、時には現地に駐在しながら、また時には東京事務所から、子どもたちにとって安全・安心な場所である「こどもひろば」 の設置や運営、精神保健・心理社会的支援を通した子どもたちの心理社会面での安定を目指す事業に関わってきました。
(宮脇)紛争の影響を受けたミャンマー、シリアやウガンダの子どもたちが避難先でさらなる被害に遭わないように、子どもたちを守る仕組みを避難先コミュニティ内につくる活動などに関わりました。
子どもたちを暴力や搾取から守る取り組みには、そうした活動を担える「人」が不可欠であることから、子どもの保護人材の育成事業も実施しました。
CPMSの日本国内への普及にも継続して取り組んでいます。現在は、カンボジアに駐在し、学校現場で子どもたちを暴力から守るための仕組みづくりに関わっています。
カンボジアでの学校訪問の様子
次回は、スタッフが、これまでの「子どもの保護」に関する活動を通して特に印象に残った出来事や今後達成したいことをご紹介します。
(海外事業部 渡邊紗世)
後編はこちら