セーブ・ザ・チルドレン「ハロー!ベビーボックス」利用者アンケート調査結果:国の新制度「出産応援金( 5 万円)」は半数近くが生活費の補填に

 

セーブ・ザ・チルドレンは、誕生時から「健康に、安心、安全な環境で育つ」といった子どもの権利を保障するため、低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として実施した「ハロー!ベビーボックス」*の利用世帯へのアンケート調査結果を発表しました。

 

本調査は、経済的困窮に加えて、若年妊娠や未婚・ひとり親、多子世帯、妊婦に知的障害や精神疾患がある、在留資格が不安定など特定の困難がある妊産婦について、既存の支援制度の利用や妊娠・出産にかかる経済的負担感などを把握することを目的に実施されました。有効回答数は2023年3月から5月の申請時のアンケートに回答した全国46都道府県の489世帯(人)と、2023年6月に実施した利用後アンケートに回答した全国46都道府県の158世帯(人)の結果をまとめたものです。その結果、国が2023年より開始した出産・子育て応援交付金のうち、出産応援金(5万円)については、半数近くがその使途として「生活費」と回答、また伴走型相談事業については8割以上が役立ったと回答しました。利用後アンケートでは、半数近くが経済的困難から赤ちゃんの適切な養育に不安を持っていることが明らかとなっています。

■ アンケート調査結果報告書(全文)はこちら

<調査から明らかになったこと>(有効回答数:1 は489世帯、2 は158世帯)

1.5割近くが出産応援金(5万円)を生活費の補填に
出産応援金の使い道について尋ねたところ、「赤ちゃん用品」と回答した人が49.8%と半数近くだったものの、「生活費」との回答が46.1%、「妊婦健診・通院費」との回答が35.5%であった。(申請時・複数回答)

2.8 割以上が妊娠届時の面談が「役立った」
伴走型相談支援として国が2023年より重点的に実施している妊娠届提出の際の担当者との面談について、全体の8割以上が「十分に話せた」「まあまあ話せた」と回答、また8割以上が「とても役立った」「まあまあ役立った」と回答した。(申請時)

3.経済的不安が、赤ちゃんの不安定な養育環境につながる懸念
47.5%が「経済的な理由から適切な養育ができないと思ったことがある」、41.8%が「経済的な理由から赤ちゃんを産むことが難しいと思ったことがある」と回答した。「経済的な理由から赤ちゃんを出産後に手放すこと(特別養子縁組や乳児院など)を考えたことがある」と回答したのは12.7%であった。(利用後)

<本調査結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは結果を踏まえ、低所得世帯の育児費用の負担を軽減し、少しでも安心して赤ちゃんを迎える準備ができるよう、引き続き「ハロー!ベビーボックス」を通じて「安心、安全な環境に生まれ育つ」といった子どもの権利を保障するため、支援を継続していきます。また、本ボックスを利用した世帯が継続的に行政や民間の支援につながっているのか、適切なサポートが得られているのかなど、産後の子の養育状況など、今後その実態を調査し、必要な支援について検討する予定です。(次年度実施予定)


*【ハロー!ベビーボックス2023春の内容】

新生児用またはSサイズオムツ(注)/無添加衣類用洗剤/ベビーソープ/おしりふき/新生児用肌着セット/入浴布/タオル/体温計/おもちゃ/お母さん用リラックスグッズ など

※2023年9月6日より応募開始のボックスについては、中身が多少変わる可能性があります。



次回のハロー!ベビーボックスの応募開始は9/6(水)を予定しています。


詳細は9月6日、当会ブログよりご確認ください。


(国内事業部 北見美代)
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