(公開日:2024.09.06)
「これからのまちの担い手となるのは子どもたち」県と5市町に子どもアンケートの結果を報告~能登半島地震緊急子ども支援より~
- 日本/国内災害
セーブ・ザ・チルドレンは、能登半島地震から半年が経過した7月に、被災地域の子どもたちの地震や復興についての思いや意見を聴くために、小学4年生から高校生世代を対象にアンケート調査を実施しました。この集計結果や子どもたちの声をまとめた報告書の速報版を、8月29日と30日の2日間にわたって、石川県知事、石川県教育委員会、石川県健康福祉部、アンケートの協力を依頼した5市町に提出し、今後の復興計画や防災計画、教育現場での子どもたちの声の反映を提案しました。アンケート結果の内容は、多数のメディアで取り上げられ、石川県内の子どもや大人をはじめ、全国に対しても広く声を届けることができました。
30日の午前は珠洲市役所と能登町役場を訪問しました。珠洲市教育委員会からは、「アンケート結果を参考にさせていただく」というコメントを受け取りました。能登町長は、「(アンケートの結果について)そうだと思う。子どもたちも自分の気持ちを整理し、発散する場が必要」とコメント。同教育長からは、能登町の教育現場で行われている子どもの意見反映の取り組みの紹介があり、より子どもの声を吸い上げるにはどうしたらよいか検討していく必要があると能登町ならではの視点で話していました。
30日の午後には、七尾市役所を訪問し、同市長、教育長と面会をしました。大人や社会に伝えたいことがない、わからないという子どもの回答があわせて6割以上であったことを受け、市長は子どもの言いたいという気持ちを「後押しする大人の存在が大事」と話し、同教育長は、七尾市では、復旧・復興というテーマを今年の総合学習の授業すべてに入れていることや、ある地区であがった子どもたちの具体的なアイデアなど事例を交えながらコメントがありました。
子どもの意見を復興に反映することは、実際、時間がかかることで、後回しにされてしまうことも多いかもしれません。しかし、子どもたちも大人と同じように震災を経験して、自分なりに環境の変化に適応し、感じていることがあります。伝えたいことが言語化できなかったり、何をしたらいいか分からなかったりする子どもたちも、何か小さなきっかけを通じて、新たなアイデアや前向きな経験を生み出せるようになります。それには大人のサポートが必要で、子どもたちの状況を見ながらその声に耳を傾け、受け入れる環境が重要です。今回の2,000人以上の子どもたちの声一つひとつが、今後の復興や防災、教育現場で、より意味がある形で参照、反映されることを切に願います。
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<セーブ・ザ・チルドレンの2024年能登半島地震 緊急・復興支援事業>
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちやその家族などの声に基づいて、発災直後から石川県で被災した子どもたちやその家族、子ども関連施設への支援を続けています。
活動詳細はこちらをご覧ください。
半年間の活動をまとめた報告書はこちらからダウンロードいただけます。
(報告:国内事業部 千葉奏美)
アンケート結果についてはこちらをご覧ください。
29日の午前中は石川県庁を訪問しました。最初に石川県の馳浩知事と面会し、アンケート結果の概要を説明しました。馳知事からは「報告書の結果を今後の参考にしていきたい」というコメントを受け取りました。その後、石川県教育委員会の教育次長と面会しました。熱心にアンケートの内容に目を通しながら、アンケート結果の中で多数の子どもたちが「大人や社会に何を話したらいいかわからない」と答えたことに対して、「震災から半年というタイミングでは、子どもたちはこころの中が整理できていないのかもしれない」と、子どもたちの状況や心情を推し量っていました。また、健康福祉部少子化対策監室にも同様に訪問し、結果の報告を行い、特に子どもの意見表明の重要性や今後県として子どもの声をどのように聴いていくかについて意見交換しました。
午後は、穴水町役場と輪島市役所を訪問し、まず、穴水町長と面会をしました。町長からは、当時の町の状況や現状と照らし合わせながら話がありました。その後の輪島市教育長との面会では、今後の復興に向けて何か行動したいという選択肢を1つでも選択した子どもが6割を超えたことに対して、教育長は、「これからのまちの担い手となるのは子どもたち。まちのため何かしたいと思っている子どもたちの思いをどのように大人が汲み取ってあげられるか」とコメントしました。
石川県教育委員会教育次長との面会
29日の午前中は石川県庁を訪問しました。最初に石川県の馳浩知事と面会し、アンケート結果の概要を説明しました。馳知事からは「報告書の結果を今後の参考にしていきたい」というコメントを受け取りました。その後、石川県教育委員会の教育次長と面会しました。熱心にアンケートの内容に目を通しながら、アンケート結果の中で多数の子どもたちが「大人や社会に何を話したらいいかわからない」と答えたことに対して、「震災から半年というタイミングでは、子どもたちはこころの中が整理できていないのかもしれない」と、子どもたちの状況や心情を推し量っていました。また、健康福祉部少子化対策監室にも同様に訪問し、結果の報告を行い、特に子どもの意見表明の重要性や今後県として子どもの声をどのように聴いていくかについて意見交換しました。
石川県庁 健康福祉部少子化対策監室訪問時の様子
午後は、穴水町役場と輪島市役所を訪問し、まず、穴水町長と面会をしました。町長からは、当時の町の状況や現状と照らし合わせながら話がありました。その後の輪島市教育長との面会では、今後の復興に向けて何か行動したいという選択肢を1つでも選択した子どもが6割を超えたことに対して、教育長は、「これからのまちの担い手となるのは子どもたち。まちのため何かしたいと思っている子どもたちの思いをどのように大人が汲み取ってあげられるか」とコメントしました。
穴水町長との対談時の様子
輪島市教育長との対談の様子
30日の午前は珠洲市役所と能登町役場を訪問しました。珠洲市教育委員会からは、「アンケート結果を参考にさせていただく」というコメントを受け取りました。能登町長は、「(アンケートの結果について)そうだと思う。子どもたちも自分の気持ちを整理し、発散する場が必要」とコメント。同教育長からは、能登町の教育現場で行われている子どもの意見反映の取り組みの紹介があり、より子どもの声を吸い上げるにはどうしたらよいか検討していく必要があると能登町ならではの視点で話していました。
珠洲市教育委員会にて報告している様子
能登町長、教育長に提出した際の様子
30日の午後には、七尾市役所を訪問し、同市長、教育長と面会をしました。大人や社会に伝えたいことがない、わからないという子どもの回答があわせて6割以上であったことを受け、市長は子どもの言いたいという気持ちを「後押しする大人の存在が大事」と話し、同教育長は、七尾市では、復旧・復興というテーマを今年の総合学習の授業すべてに入れていることや、ある地区であがった子どもたちの具体的なアイデアなど事例を交えながらコメントがありました。
七尾市長、教育長に対して提出した際の様子
子どもの意見を復興に反映することは、実際、時間がかかることで、後回しにされてしまうことも多いかもしれません。しかし、子どもたちも大人と同じように震災を経験して、自分なりに環境の変化に適応し、感じていることがあります。伝えたいことが言語化できなかったり、何をしたらいいか分からなかったりする子どもたちも、何か小さなきっかけを通じて、新たなアイデアや前向きな経験を生み出せるようになります。それには大人のサポートが必要で、子どもたちの状況を見ながらその声に耳を傾け、受け入れる環境が重要です。今回の2,000人以上の子どもたちの声一つひとつが、今後の復興や防災、教育現場で、より意味がある形で参照、反映されることを切に願います。
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<セーブ・ザ・チルドレンの2024年能登半島地震 緊急・復興支援事業>
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちやその家族などの声に基づいて、発災直後から石川県で被災した子どもたちやその家族、子ども関連施設への支援を続けています。
活動詳細はこちらをご覧ください。
半年間の活動をまとめた報告書はこちらからダウンロードいただけます。
(報告:国内事業部 千葉奏美)