【ミャンマー・タイ大地震】地震の後の大雨により疾病発生リスクが高まっている

ヤンゴン、2025年4月7日
ミャンマーの地震被災地の子どもたちは、ここ数日の豪雨や水不足により、下痢やコレラなどの感染症に罹患するリスクが高まっています。
セーブ・ザ・チルドレンとそのパートナー団体は、3月28日にマグニチュード7.7で発生した壊滅的な地震の余波で安全な水の利用が制限されている地域で、子どもたちのニーズを目の当たりにしています。



地震で濁った水。村人たちは2日間かけてろ過し、飲料水として使っていた。


一部の地域では、主要水源が汚染されたため、安全な水が利用できず、住民は湧き水や表流水に頼らざるを得なくなっています。最も被害の大かった地域では、湧き水を生活用水のために引いてきていた配水管が破損したため、断水が続き、川も遠いため、水を使うことができません。一部の地域では電気が不足しているため、水を汲み上げることができなくなっています。

多くの家族が、地震で崩壊した自宅の外に作った簡易的な仮設住居で生活しており、最近の季節外れの嵐から身を守ることはほぼ不可能です。また、雨は、汚れて淀んだ水たまりによる水や蚊が媒介する病気の発生リスクを高くしています。今週は、何千人もの人々がいまだに野外で寝ている地域で、さらに雨が降ると予報されています[1]。

被災地の家族はセーブ・ザ・チルドレンに、食料と飲料水が緊急の優先事項であるだけでなく、水やコレラやデング熱などの蚊が媒介する病気、皮膚感染症などの蔓延を防ぐためにトイレや洗濯設備の修理も不可欠だと語っています。

ミャンマーでは、これまでにも急性の水下痢やコレラなどの病気が流行しており、現在の緊急時の水供給は短期的な解決策に過ぎません。 長期的には、被災地域は持続可能で水質かつ安定した供給量が担保された水源を必要としています。

テイン・ティケさん(20歳)は、地震が起きたとき、湖で友人たちと小さなボートに乗っていてのですが、友人ともども船外に投げ出されました。岸まで泳いでいると、村の木造家屋が倒壊するのが見えました。ティンさんの家族は無事でしたが、多くの人が亡くなったり負傷したりし、村のほぼすべての住人が家財を失いました。



ミャンマー、シャン州の飲料水タンクが破損


テイン・ティケさんは次のように話します。
「飲料水用の貯水タンクが崩壊し、安全な水を飲むことができなくなっていました。寄付による物資は2日間届きませんでした。それまでは、地震で濁った湖水をろ過しなければならなかったんです。いずれにせよ、安全であろうとなかろうと、自分たちが持っているものを飲むしかありませんでした。

地震の後、死んだ巻貝が湖の水面に浮かび始めました。水中の酸素が失われ、水生生物が死んだためだと言う人もいますが、それが本当かどうかはわかりません。

2日後には清潔な飲料水を手に入れましたが、その供給が尽きると深刻な事態に直面することになります。長期にわたる継続的な支援がなければ清潔な水が手に入らず、長い目で見たときに、村の健康問題につながる可能性があります。」

昨年、テイン・ティケさんの村は壊滅的な洪水に見舞われましたが、地震が発生したときにはようやく復興し始めたところでした。紛争と気候変動による災害により、ミャンマーでは1,990万人のうち630万人の子どもたちが、地震前からすでに人道支援を必要としていました[2]。

国連によると、ミャンマーの330のタウンシップ(郡区)のうち57の郡区で1,700万人以上が地震の影響を受け、少なくとも3,500人が犠牲になり、5,000人近くが負傷しました[3]。ミャンマー災害管理局とASEAN防災人道支援調整センター は、地震によって約6万9,000人が避難したと述べました[4]。

セーブ・ザ・チルドレンは、地元のパートナー団体とともに被災地で活動し、子どもたちが必要な支援を受けられるようにしています。私たちは被災した子どもたちとその家族に食料、水、緊急医療を提供するとともに、衛生キットや子ども用レクリエーション用品なども届けています。

セーブ・ザ・チルドレンのアジア地域ディレクター代理であるジェレミー・ストーナーは次のように述べています。
「現在の状況は、子どもたちとその家族にとって絶望的です。 廃墟となった家から逃げることを余儀なくされ、今、厳しい暑さに加えて、季節外れの早すぎる豪雨に直面しています。安全な水が不足しているため、適切な衛生状態を維持することが難しく、それが病気の発生につながる可能性があります。

被害規模が甚大な今回のような危機の後によく発生する、下痢のような感染症にかかる子どもたちの数が増え始めるのではないかと、私たちは懸念しています。」

セーブ・ザ・チルドレンは1995年からミャンマーで活動しており、命を守る医療、食料、保健・栄養、教育、子ども保護の事業を実施しています。



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