(公開日:2026.09.29)
【マダガスカル 後編・栄養改善支援】栄養事業2年次が完了
- マダガスカル
2024年から開始したマナンジャリー郡、ヌシヴァリカ郡における栄養事業の2年目が完了しました。その成果を前編・後編に分けてご報告します。

事業裨益者の親子
マダガスカル南東部に位置するマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡は毎年12~4月のサイクロンの影響により、主産業である農業が被害を受けています。そのため安定的に食料を確保することが難しく、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。
また、人口の大半の人々が住む村は、保健センターがある町から遠く、交通手段も限られているため、受診には高いハードルがあります。このため、日頃から家族が子どもの栄養に注意を払い、栄養不良の予防に努める必要があることに加え、もしも栄養不良となった場合に、適切に対処できるように村の人々と保健センターの連携が必要です。

整備されていない村への道
これらの課題の解決に向けて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、食料を確保するための「生計向上支援」と地域全体で子どもの栄養を守るための「栄養改善支援」を行ってきました。今回は「栄養改善支援」の成果についてお伝えします。前編(生計向上支援編)はこちらをご覧ください。
栄養改善支援
事業対象地のマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡の8つの村では、日本の両親学級のような子どもの栄養について指導するための仕組みが確立していません。村の妊産婦やその家族が子どもの健やかな成長を支えられるように、母親リーダー160人、父親リーダー80人を育成しました。

研修を受けた母親リーダー
研修では、栄養不良を防ぐために、赤ちゃんへの授乳方法や適切な頻度、離乳食の進め方、発育状況を見るポイント、栄養不良の兆候について学ぶ機会を提供しました。また、マダガスカルでは「育児は母親が行うもの」という意識が根強いため、父親リーダーとは、出産後の母親を助けるために大切なことや家庭における役割分担についても話し合いました。
研修を受けた母親・父親リーダーは、得た知識を地域で広めるために啓発活動を実施しました。母親リーダーは1人あたり5人の母親を継続的に支援する役割を担っています。日頃から子育ての悩みを聞いたり、子どもの栄養状態を一緒に確認したりするなど、地域で子育てを支える心強い存在となっています。


母親リーダー
また、村では水道があることはまれなため、多くの家庭が川の水を生活や食事に使用しています。地域で可能な範囲でできる水の処理方法(煮沸や消毒)についても伝授し、手軽に設置できる手洗い場を村の各所に設けました。村の人々はこの手洗い場をハッピータップと呼んでいます。

村に設置したハッピータップ
一方で、こうした手洗い用の水で赤ちゃんのミルクを作り与えることは危険である、このような環境にある地域では、離乳食を始める前の月齢6ヶ月までは母乳だけで育てる完全母乳育児を推奨しています。研修後に完全母乳育児を実践した母親の割合は88%に上りました。また、月齢6~23ヶ月の子どものうち、適切な頻度で多様な栄養素を取り入れた食事を摂取することができていた割合は99%に上りました。これらの数値から、子どもの低栄養を防ぐための取り組みを、家族が実践できていることがわかります。

左:マダガスカル駐在員 中央・右:母親リーダーとその子ども
また、母親リーダーに、誰でも簡単に子どもの栄養状態を測ることができる上腕周囲径(Mid-Upper Arm Circumference: MUAC)テープの使い方を伝授し、地域の子どもの栄養状態を確認する役割を担ってもらっています。
母親リーダーたちは、約半年間で65人の栄養不良の子どもを早期に発見し、保健センターでの支援につなぎました。研修を受けた母親リーダーがいなければ、子どもたちの栄養状態はさらに悪化し、その後の成長に長期的な影響を及ぼしていた可能性があります。
さらに、保健センターでも適切な支援が提供できるよう、看護師や助産師60人にも研修を行いました。母親リーダーによって発見された子どもたちは、研修を受けた保健センタースタッフの支援を受けて、その後、無事に栄養状態が改善しています。

保健センターの看護師と助産師への研修
このように、地域の母親・父親と保健センターに対する栄養改善支援を行うことで、双方が連携しながら子どもの栄養不良を予防し、栄養不良になった際の対応体制も強化することができました。
セーブ・ザ・チルドレンは、これら事業での取り組みについて、マダガスカルの関連省庁(栄養局、畜産農業局)などに対して報告を行い、国の栄養政策に取り入れ、栄養分野の政府予算を拡充する必要性を訴えました。


政策提言ワークショップ
2026年3月31日からは、新たに8つの村で3年次の活動を開始しています。栄養事業は本3年次で完結のため、事業終了後も成果が継続するように、1年次からの合計28の村の成果をまとめて政策提言にも力を入れていきます。
本事業は、「日本NGO連携無償資金協力」からのご支援と個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
海外事業部マダガスカル駐在員
【SCサポートへのご寄付をお願いします】
「子どもを誰ひとり取り残さない。」そのためには、中長期にわたり子どもたちを支え続ける仲間が必要です。
https://x.gd/J6rnL
*プライバシー保護のため名前は変更されています。

事業裨益者の親子
マダガスカル南東部に位置するマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡は毎年12~4月のサイクロンの影響により、主産業である農業が被害を受けています。そのため安定的に食料を確保することが難しく、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。
また、人口の大半の人々が住む村は、保健センターがある町から遠く、交通手段も限られているため、受診には高いハードルがあります。このため、日頃から家族が子どもの栄養に注意を払い、栄養不良の予防に努める必要があることに加え、もしも栄養不良となった場合に、適切に対処できるように村の人々と保健センターの連携が必要です。

整備されていない村への道
これらの課題の解決に向けて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、食料を確保するための「生計向上支援」と地域全体で子どもの栄養を守るための「栄養改善支援」を行ってきました。今回は「栄養改善支援」の成果についてお伝えします。前編(生計向上支援編)はこちらをご覧ください。
栄養改善支援
事業対象地のマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡の8つの村では、日本の両親学級のような子どもの栄養について指導するための仕組みが確立していません。村の妊産婦やその家族が子どもの健やかな成長を支えられるように、母親リーダー160人、父親リーダー80人を育成しました。

研修を受けた母親リーダー
研修では、栄養不良を防ぐために、赤ちゃんへの授乳方法や適切な頻度、離乳食の進め方、発育状況を見るポイント、栄養不良の兆候について学ぶ機会を提供しました。また、マダガスカルでは「育児は母親が行うもの」という意識が根強いため、父親リーダーとは、出産後の母親を助けるために大切なことや家庭における役割分担についても話し合いました。
研修を受けた母親・父親リーダーは、得た知識を地域で広めるために啓発活動を実施しました。母親リーダーは1人あたり5人の母親を継続的に支援する役割を担っています。日頃から子育ての悩みを聞いたり、子どもの栄養状態を一緒に確認したりするなど、地域で子育てを支える心強い存在となっています。


母親リーダー
また、村では水道があることはまれなため、多くの家庭が川の水を生活や食事に使用しています。地域で可能な範囲でできる水の処理方法(煮沸や消毒)についても伝授し、手軽に設置できる手洗い場を村の各所に設けました。村の人々はこの手洗い場をハッピータップと呼んでいます。

村に設置したハッピータップ
一方で、こうした手洗い用の水で赤ちゃんのミルクを作り与えることは危険である、このような環境にある地域では、離乳食を始める前の月齢6ヶ月までは母乳だけで育てる完全母乳育児を推奨しています。研修後に完全母乳育児を実践した母親の割合は88%に上りました。また、月齢6~23ヶ月の子どものうち、適切な頻度で多様な栄養素を取り入れた食事を摂取することができていた割合は99%に上りました。これらの数値から、子どもの低栄養を防ぐための取り組みを、家族が実践できていることがわかります。

左:マダガスカル駐在員 中央・右:母親リーダーとその子ども
また、母親リーダーに、誰でも簡単に子どもの栄養状態を測ることができる上腕周囲径(Mid-Upper Arm Circumference: MUAC)テープの使い方を伝授し、地域の子どもの栄養状態を確認する役割を担ってもらっています。
母親リーダーたちは、約半年間で65人の栄養不良の子どもを早期に発見し、保健センターでの支援につなぎました。研修を受けた母親リーダーがいなければ、子どもたちの栄養状態はさらに悪化し、その後の成長に長期的な影響を及ぼしていた可能性があります。
さらに、保健センターでも適切な支援が提供できるよう、看護師や助産師60人にも研修を行いました。母親リーダーによって発見された子どもたちは、研修を受けた保健センタースタッフの支援を受けて、その後、無事に栄養状態が改善しています。

保健センターの看護師と助産師への研修
このように、地域の母親・父親と保健センターに対する栄養改善支援を行うことで、双方が連携しながら子どもの栄養不良を予防し、栄養不良になった際の対応体制も強化することができました。
セーブ・ザ・チルドレンは、これら事業での取り組みについて、マダガスカルの関連省庁(栄養局、畜産農業局)などに対して報告を行い、国の栄養政策に取り入れ、栄養分野の政府予算を拡充する必要性を訴えました。


政策提言ワークショップ
2026年3月31日からは、新たに8つの村で3年次の活動を開始しています。栄養事業は本3年次で完結のため、事業終了後も成果が継続するように、1年次からの合計28の村の成果をまとめて政策提言にも力を入れていきます。
本事業は、「日本NGO連携無償資金協力」からのご支援と個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
海外事業部マダガスカル駐在員
【SCサポートへのご寄付をお願いします】
「子どもを誰ひとり取り残さない。」そのためには、中長期にわたり子どもたちを支え続ける仲間が必要です。
https://x.gd/J6rnL
*プライバシー保護のため名前は変更されています。










