(公開日:2012.07.24)
巡回視察の完了(2012.7.24)
- ミャンマー
6月4日、6月26日の出張に引き続き、7月10日から13日まで、外務省日本NGO連携無償資金協力制度により実施されている、地域に根ざした母子保健事業の現地事務所へ出張しました。
今回の出張地は、バゴ地域西部に位置するテゴン・タウンシップと、ヤンゴン地域南部に位置するクンジャンゴン・タウンシップ。テゴンは、ヤンゴンから幹線道路を車で6時間ほど北上した中央乾燥地域の南部にあり、灌漑用水路が行き渡っているところは稲作や野菜の栽培がさかんです。しかし、大人ひとりあたり1日の平均労賃が約800チャット(約80円)と、国内の他の地域と比較するととても低く(デルタ地方では約1,500チャット)、人口の約7割が貧困層に属すると報告されています。貧困は子どもたちの健康に影響を及ぼしており、また、5歳未満の子どもたちの肺炎の罹病率や栄養不良率も高くなっています。そのため、2003年からSCJが継続して支援を行っているタウンシップ(各事業での対象村は異なる)で、現在も栄養改善と生計向上を組み合わせた事業を実施しています(過去に関連記事を多数アップしておりますので、ご参照ください)。
一方で、クンジャンゴンは、ヤンゴンから車で2時間ほど南下したところに位置しています。2008年5月のサイクロン・ナルギスで甚大な被害を被り、保健省によって定められた復興支援が必要な11の最重点地域のひとつです。母子保健サービスの強化が必要でありながら、これまで支援が行き届いていません。ここでは、SCJはUNICEFとの協働により、2009年から2010年にかけて水と衛生の事業を実施しました。両タウンシップの保健当局とは、これまで良好な信頼関係を構築しており、SCJにとってはすでに馴染み深いタウンシップとなっています。
現地事務所にて、新規採用職員に対する事業内容の詳細説明と予算管理の指導、保健局長の表敬と保健当局への支援に関する協議、そして対象村の訪問などを含め、関係職員全員の協力と尽力により今回の出張も充実したものになりました。
これで本事業の開始に伴う巡回指導が、無事に完了しました。6つの現地事務所にて、96名の現地職員と直接会い、対話を行いました。経験豊富でリーダーシップのある事務所長を中心に、技術的な側面から活動を指揮するプロジェクト・オフィサー、住民参加を促すプロジェクト・アシスタント、そして地元の地理や慣習、文化などに精通して、実際に地域の人々と活動を展開するアウトリーチ・ワーカー。個々人が持てる力を存分に発揮しながら、チームが一丸となって活動を展開していけるよう、引き続き事業統括として緊張感と責任感をもってひとつひとつの業務に取り組んでいきたいと思います。
引き続きご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
(報告: ミャンマー事務所 藤野)