『6年生になって一番いい試合だった』~磯部白波クラブスポーツ少年団女子~(2013.11.26)

   セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、ウォルマート・ストアーズ・インクの支援のもと、東日本大震災で被災した子どもたちの教育支援の一環として、2011年、2012年に岩手県、宮城県を対象に「スポーツ・文化 地域子どもサポートファンド」を行ないました。2013年は岩手県・宮城県に引き続き、福島県内の子どもたちの地域活動を支援することになり、10月までに支援団体が決定しました。そこで今回はそのうちの団体のひとつである福島県相馬市の「磯部白波クラブスポーツ少年団女子」の活動をご紹介します。

   福島県相馬市にある「磯部白波クラブスポーツ少年団女子」は現在、小学2年生から6年生まで7人と監督/コーチ3人で活動しています。震災によりほぼ全員の自宅が津波で流失し、バレーボールの用具やユニフォームも流されてしまいました。練習場所の体育館は被害を免れましたが、建物が古く危険であったため使用できなくなりました。現在は近くの小中学校を借りて週3~5日練習しています。

   2013年11月3日(日)、子どもたちは当プロジェクトで購入された真新しいユニフォームを着て、相馬市新地町総合体育館で開催された「第36回福島県小学生バレーボール選手権大会相双予選会」に出場しました。この大会は6年生にとっては小学校生活最後の公式試合となります。

   試合前にキャプテンの渡辺早智さん(小6)にインタビューをしてみました。
 「6年生最後なので悔いのない試合をしたいです。みんなで協力して声を出してミスのないプレイをしたいです。」
 「プレイは弱いですが、みんな元気を出して諦めないチームです。」
  と、語ってくれました。入部1か月程のメンバーもいる中、キャプテンとしてチームの中心となり一生懸命メンバーをまとめてきた様子がうかがえました。


開会式ではキャプテンの渡辺さんが、「日ごろの練習の成果を発揮し正々堂々とプレイすることを誓います」と、力強く選手宣誓を行いました。


               試合前のミーティング                                     円陣を組んで気合い注入!!

   いよいよ試合開始!!第1試合は部員数も多く、勢いがあるチームです。粘り強く繋ぎ、相手のミスを誘う場面もありましたが敗退・・・。そして第2試合。相手チームはこの地区で最も強く、身長が高い選手を何人もいます。大人顔負けの鋭いスパイクやサーブがコートに次々とたたきつけられ、残念ながらこの試合も敗退してしまいました。


          さあみんな、しっかり構えて!                               こんなに身長差があります

   試合には惜しくも負けてしまいましたが、キャプテンの渡辺さんは「負けてしまったけどいつもより声が出ていて繋ぐことができた。6年生になって一番いい試合だった」と言っていました。他のメンバーもみんなとてもさわやかな表情をしていました。ひとりずつこれからの目標を聞きました。

・渡辺早智さん(小6):「前よりレベルアップしたいです」
・大塚菜摘さん(小6):「みんなにいっぱい繋がるように頑張りたいです」
・鈴木里奈さん(小5):「練習してもっとうまくなりたい」
・狩野杏さん(小4):「新人戦があるからその時頑張りたい」
・佐々木さくらさん(小4):「心をひとつにして頑張る」
・岩崎亜海さん(小2):「前よりもっと声を出す」
・寺島美緒さん(小2):「試合の時もみんな声を出してボールを繋いで頑張りたい」



                                みんなとってもいい笑顔。仲の良いチームです。

   
スポーツに勝敗は付きものですが、それよりも仲間と一緒にひとつのことに打ち込んだ経験や保護者や地域に支えられて、学び成長した思い出は大人になっても心の中に生き続けると思います。磯部白波クラブスポーツ少年団女子のみなさんがこれからも仲良く、元気にバレーボールに打ち込めるよう応援しています。

(報告:福島会津若松事務所 藤井由佳)

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