子どもから子どもへの教育~本当に役に立っているの?~(2013.11.25)

  セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンではジャパン・プラットフォームからの助成や皆さまからのご寄付を活用させていただき、保健教育や就学前教育をアフガニスタンで行っています。これらの活動を行う上での弊会の特徴は「子どもから子どもへ」という手法。国際協力の世界では"Child to Child Approach"と呼ばれ、よく用いられる手法なのですが、この手法に関して、ある疑問が寄せられたことがあります。その疑問とは、あまりにも素朴かつストレート。「本当に役に立っているの?」

この疑問に答えるため、本当に役に立っているのか、実際のところどうなの、何が肝なの?ということで子どもたちの生の声を集めてみました。

  弊会の子ども保健教育ですが、15~16歳の研修を受けたファシリテーターが、子ども保健教育グループの子どもたち(7歳~16歳)に必要な知識、例えば手洗いや歯磨きに始まり、予防接種の必要性やビタミンの多く含まれる食品など、保健や衛生の知識について伝えていくものです。


子ども保健教育ファシリテーター研修の一コマ


今回、子どもたちの声を聴くことによって、最も重要な下記の点が浮かび上がってきました。

1. 子どもから子どもへの教育だからと言って、教育の質が低いということはない。教える内容を明らかに間違えて伝えているようなことはなく、学んでいる子どもたちの理解も概ね進んでいる。



まずは一安心です。しかし、これだけにとどまりません。


2.「教わる子ども」にとってだけでなく、「教える子ども」にとってとても大きなメリットがある。



「教える子どもたち」にとってファシリテーターという役割は教えることにとどまりません。地域コミュニティから認められたりすることや自尊心を高めることにつながっていきます。つまり、子どもの成長を促すことにつながるわけです。


3.女性ファシリテーターは、自分の時間が限られてしまう、教えている子どもがなかなか行動を実践に移してくれないなどの課題を抱えながらも、高い使命感を持ち、役割を継続していきたい、と考えている。そして、来年も続けてやってみたいと。



男性に使命感ややる気がないというわけではないのですが…。女性ファシリテーター、素晴らしいですね。


  教育にはいろいろな手法があり、それぞれメリット、デメリットがあります。とはいえ、今回の調査で「子どもから子どもへの教育」に関しては、教育の内容と言った視点だけでなく、新たな視点でのとらえ方に移行することが大切なのではないかと言えます。

  弊会が目的としているのは、「子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらすこと」。今後も「教わる子ども」「教える子ども」の両方に注目しながら事業を続けていきたいと考えています。

(アフガニスタン担当 紺野)
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