【福島:学童(5)】~全国児童館・児童クラブ大会:東北支援フォーラム(2)~(2014.1.27)

福島学童:活動報告~全国児童館・児童クラブ大会:東北支援フォーラム(1)~に続いて、第二日目午後の遊びの公開ラボについての報告です。

遊びの公開ラボ・「絵本で遊ぼう」
全国児童館・児童クラブ大会2日目の12月15日の午後は、福島市の子育て支援施設「こむこむ」に会場を移し、子ども向けの遊びの博覧会「遊びの公開ラボ」が開催されました。全国から児童館など約20の子ども支援団体が参加し、それぞれの工夫をこらした「遊び」を実演しました。
公開ラボがスタートすると、こむこむ1階の会場には、たくさんの親子連れが訪れ、ものすごいにぎわいとなりました。各ブースでは、ペットボトルを使った空気銃や、CDと風船を組み合わせてホバークラフトを作ったりするクラフト体験から、手作りのモグラたたきやピンボールを楽しむゲーム体験まで幅広い「遊び」があり、子どもたちの歓声があちこちに響いていました。


もちろんSCJもブースを出しました。SCJの遊びは、「絵本で遊ぼう」。これは、大型絵本の読み聞かせをしながら、子どもと対話的なコミュニケーションをはかる遊びです。この遊びは、2012年秋からの 1年間、SCJが、宮城県石巻市内の仮設住宅集会所で取り組んだ「地域の遊び場づくり」で実践してきた遊びや学びをまとめた0歳から6歳児向けの遊びの冊子、「遊びのレシピ」でも紹介している遊びです。参加する子どもたちは、はじめに、ペットボトルに大豆やコメ粒を入れた即席のマラカスに、シールやペンで飾りつけをして、自分だけのオリジナル楽器をつくります。そして、そのマラカスを手に、絵本の前にスタンバイ。さあ準備はいいかな。

今日の題材は「えんそく」(作:片山健)。子どもたちが富士山に乗り込んで(!)、海を越えて、大平原をこえて、宙返りもして、あちこち大冒険に出かける奇想天外なお話です。絵本の情景に合わせて、子どもたちがマラカスをふって、雰囲気を盛り上げます。ただ聞くだけでなく、自分の手で、積極的にそのシーンを作り上げることが、この「遊び」の、何よりの醍醐味です。


また、同じブースに、前日の分科会「防災ワークショップ」で行った防災教育ゲーム「なまずの学校」の体験コーナーを設けました。やってきた子どもたちは、「避難所が寒くてしょうがない時、どんなグッズがあると、身体を温めることができるかな?」といったSCJ職員の出す質問に対して、「タオルかな?いや新聞紙かな?」と、頭をひねりながら、考えていました。

 会場には親子だけでなく、児童館や児童クラブの指導員も大勢訪れていました。「帰ったら、ぜひやってみたい」と各ブースで実演される楽しい遊びを熱心に見て回っていました。遊びの公開ラボの来場者は500人に及び、夕方の終了時まで会場は熱気に包まれていました。「遊びは子どもの栄養です」が、本イベントのサブタイトルですが、思う存分「栄養」を受け取った子どもたちの活発さには、圧倒されるばかり。子どもの元気と、「遊び」の底力を、あらためて感じる機会となりました。



展示ブースでは、14日、15日の2日間にわたってフクシマススムプロジェクトの 取り組みを紹介しました。また、SCJが宮城県石巻市で0~6歳児を対象とした遊びを紹介した「遊びのレシピ」を無料配布しました。冊子は、子育て世代を支援する 参加者からの引き合いも多く、用意した数百部が あっという間になくなっていました。

こうして、全国児童館・児童クラブ大会は無事に2日間の日程を終えました。福島が会場ということで、厳しい現場に直面する子ども支援者による報告も多数あり、その一方で、「福島は頑張っています」と力強いメッセージも発信されました。この大会は。東北3県と全国から訪れた参加者との素晴らしい交流と学びの場となりました。
SCJが、これからも、このような活動支援を通じて、東北をはじめとする日本の子どもたちの「権利」の実現をめざして、尽力していきたいと思います。

(福島事務所・中村雄弥)

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