(公開日:2014.10.01)
復興に向け子どもたちが実現した児童館「石巻市子どもセンター」がグッドデザイン賞、キッズデザイン賞、を受賞!(2014.10.01)
- 日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
石巻市子どもまちづくりクラブが2011年秋から企画・デザインし、2013年12月に完成した「石巻市子どもセンター」。この取り組みが、2014年度グッドデザイン賞、第8回キッズデザイン賞を受賞しました!
※グッドデザイン賞
1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組み。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加している。
※キッズデザイン賞
キッズデザイン賞は、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン、創造性と未来を拓くデザイン、そして子どもたちを産み育てやすいデザインを顕彰する制度。
■地域の一員である子どもたちによる「石巻市子どもセンター」完成までの道のり■
2011年7月から“大人も子どもも過ごしやすい、古いものも新しいものも一緒にRock’n Roll のまち”を目指して活動してきた石巻市子どもまちづくりクラブ。震災直後の2011年夏、石巻市内の小中高校生が地域の復興に向けて「こんなまちになったらいいな」という“夢のまちプラン”を描き、それを子どもたち自身が実現したのが「石巻市子どもセンター」です!
約2年半の活動で、石巻市子どもまちづくりクラブは模型作成、建設用地見学の他、ゾーニングや内外装案の検討、コンセプトの決定など地域の子どもやおとな、行政との意見交換や聞き取りを通じて、より多くの人々の声を取り入れながらその実現に向けて取り組んできました。
そして2013年3月には基本構想案が最終化され、同6月には着工。基本構想最終案完成後は、運営を見越して子どもセンターに込めた思いをつなげるために、条例前文の作成にも取り組みました。条例前文は石巻市議会で採択され、正式にとり入れられました。
子どもたち自身は、「子どもセンターを通し、子どもが様々な人と繋がることにより、子どもの意見を社会へ発信していきたい」「子どもセンターはこれからも子どもたちの意見を取り入れて、絶えず進化していく」「子どもセンターの利用により、少しでも地域経済が潤い石巻の復興に貢献したい」と語っており、石巻市子どもセンターが地域の復興に向けて子どもの社会参加の拠点となることを願い活動に取り組みました。
完成までの活動は約35回にもおよび、その間およそ560名以上の子どもと130名以上の大人が参加!完成後、「今まで通り過ぎるだけだった子どもセンター周辺の商店街に目を向けるようになった」「自分の意見を言うのも、他のメンバーやおとななど色々な人の意見を聞くことが楽しくなった」「どこに行っても自慢できるセンターを自分たちの手で作れたことを嬉しく思う」と、誇らしく語る子どもたち。地域の大人も「目標や想いを丁寧に共有していくことで“他人事”を“自分事”として地域を変える力を感じた」と語り、石巻市長は「子どもたちの行動によって実現する子どもセンターは、石巻市の復興のシンボル」 と評価しています。
■「子どもたちの意見を尊重し、反映する場づくり」石巻市子どもセンター■
そして、子どもたちが復興へ向けて起こしたこの取り組みが2014年7月に第8回キッズデザイン賞復興支援デザイン部門、同10月には2014年度グッドデザイン賞公共向けの活動・取り組み、社会貢献活動を受賞しました。キッズデザイン賞、グッドデザイン賞各審査員は、石巻市子どもセンターの取り組みについて、次のように述べています。
石巻の児童館の企画・デザインを子ども自らの手で考案した参加型プログラムで、子どもの社会参加を促す本格的な活動である。ここを拠点に、子どもが地域のことを考え、行動していく契機になるだろう。(キッズデザイン賞HPより引用)
宮城県石巻市の子どもたちが主体的に企画し、デザインした児童館。子ども参加によるまちづくり事業の一環としての具体的な活動。地域の一員として復興を担う子どもたちの意見を尊重し、反映する場づくりがされている。寄贈され開所されたあとも子どもたちと共に運営がされているところも興味深い。子どもたちの未来の活躍に期待したい。(グッドデザイン賞HPより引用)
応募書類はこちら。
子どもたちが地域の一員、復興の主体者として地域と連携して実現した石巻市子どもセンター。東日本大震災という未曽有の災害からの復興における子ども参加の取り組みが客観的に評価されたことで、さらに石巻市子どもセンターが子どもの社会参加の拠点として、地域に根差して運営されていくよう、セーブ・ザ・チルドレンは今後も子どもたち、地域とともに子どもセンター運営サポートにあたっていきます。
今後も応援、ご協力よろしくお願いいたします!
※石巻市子どもセンターは、2013年12月セーブ・ザ・チルドレンから石巻市へ寄贈。2014年1月の開館後、セーブ・ザ・チルドレンは石巻市子どもセンターの運営サポートを行っています。
(報告:東京事務所 田代光恵)