(公開日:2015.10.01)
【「学びの基礎力」プロジェクト3】新たな始まり!
- モンゴル
皆様、こんにちは。モンゴル事務所の岡本です。9月に入り、気温は徐々に下がっていますが、人々の熱気は上昇するばかりです。といいますのも、約3ヶ月の夏休みが終わり、9月1日についに新学期が始まりました!モンゴルの入学式は、日本とは異なり9月に行われます。ウランバートル市内の交通量の増加を見ると、ギリギリまで地方で夏休みを過ごしていた人が多かったというのが分かるほどで、街に活気が戻ったという感じです。
モンゴル事務所では、今年の3月から実施している「学びの基礎力」プロジェクトの一環として、2つの対象校における入学式に来賓として参加して簡単なスピーチを行い、新入生に向けたプロジェクトのPR活動をしてきました。(同プロジェクトの詳細は、事業の署名式の記事をご参照ください)
2校ではそれぞれ式典の形式が異なり、1校目は全校生徒を対象にした一般的な始業式だったのに対し、もう1校は、1年生の入学式を2年生の子どもや教師が主体となって行うものでした。両校の入学式に参加して感じたのは、地方からの移民が多いゲル地区に位置する同プロジェクトの対象校では、近年、増加傾向にある児童数の多さに対して、学校施設の受け入れ体制が整っていないことです。普段の授業はクラスが2部~4部制に分けられているので学習に当てられる時間が短く(2部制の学校は比較的恵まれているとまでいわれています)、このような式典のための利用スペースも非常に限られています。
全校生徒を対象にし、校舎前ですし詰め状態で行われた始業式
(チンギルテイ地区39番学校)
2年生の歌やダンスで新入生を歓迎する入学式
(ソンギノ・ハイルハン地区107番学校)
ゲル(モンゴルの伝統的な住居)に住むバトメンド君とお母さん(バヤンズルフ地区)
モンゴル事務所では、今年の3月から実施している「学びの基礎力」プロジェクトの一環として、2つの対象校における入学式に来賓として参加して簡単なスピーチを行い、新入生に向けたプロジェクトのPR活動をしてきました。(同プロジェクトの詳細は、事業の署名式の記事をご参照ください)
2校ではそれぞれ式典の形式が異なり、1校目は全校生徒を対象にした一般的な始業式だったのに対し、もう1校は、1年生の入学式を2年生の子どもや教師が主体となって行うものでした。両校の入学式に参加して感じたのは、地方からの移民が多いゲル地区に位置する同プロジェクトの対象校では、近年、増加傾向にある児童数の多さに対して、学校施設の受け入れ体制が整っていないことです。普段の授業はクラスが2部~4部制に分けられているので学習に当てられる時間が短く(2部制の学校は比較的恵まれているとまでいわれています)、このような式典のための利用スペースも非常に限られています。
全校生徒を対象にし、校舎前ですし詰め状態で行われた始業式
(チンギルテイ地区39番学校)
2年生の歌やダンスで新入生を歓迎する入学式
(ソンギノ・ハイルハン地区107番学校)
新学期の始まりに、学校関係者や教師、子どもたちとその保護者、プロジェクトチーム一同は皆そわそわしている様子です。特に印象的だったのは、新入生の子どもたちが初めて自分たちの教室に入り、45人の子どもたちだけでもぎゅうぎゅう詰めの中に、保護者が付き添った場面でした。子どもたちが自分の席につき、保護者が教室を出る時間になると何人かの子どもが泣き出し、それにつられて他の子どもも泣き出しましたが、担任の指示で保護者全員が教室から出ていくと、子どもたちは次第に泣き止みました。
ゲル地区に暮らす貧困層の多くの子どもたちは、国が奨励している就学前教育を受ける機会を得ていません。特に幼稚園に行っていない子どもたちにとって、親離れや他者とのコミュニケーションが最初は困難に感じられるかもしれません。「学びの基礎教育」プロジェクトでは、こうした子どもたちが少しずつ学校生活に慣れて、社会に出るための大事な準備を手伝うことも目指しています。
少し時間はさかのぼりますが、入学式が始まる1〜2週間前に、プロジェクト対象校の新1年生になる子どもの家庭を何軒か訪問し、新しく始まる学校生活に対して、保護者と子どもの心境や心意気について尋ねてきました。
ここでは、バトメンド君(6歳)の家族をご紹介したいと思います。バトメンド君は2人兄弟の長男で、幼稚園に通った経験がなく、つい2ヶ月前に他の地区から引っ越してきたばかりです。弟の世話や慣れない新天地での生活に加え、生まれて始めて行く学校に対する思いを、お母さんと本人がそれぞれ語ってくれました。
ゲル地区に暮らす貧困層の多くの子どもたちは、国が奨励している就学前教育を受ける機会を得ていません。特に幼稚園に行っていない子どもたちにとって、親離れや他者とのコミュニケーションが最初は困難に感じられるかもしれません。「学びの基礎教育」プロジェクトでは、こうした子どもたちが少しずつ学校生活に慣れて、社会に出るための大事な準備を手伝うことも目指しています。
少し時間はさかのぼりますが、入学式が始まる1〜2週間前に、プロジェクト対象校の新1年生になる子どもの家庭を何軒か訪問し、新しく始まる学校生活に対して、保護者と子どもの心境や心意気について尋ねてきました。
ここでは、バトメンド君(6歳)の家族をご紹介したいと思います。バトメンド君は2人兄弟の長男で、幼稚園に通った経験がなく、つい2ヶ月前に他の地区から引っ越してきたばかりです。弟の世話や慣れない新天地での生活に加え、生まれて始めて行く学校に対する思いを、お母さんと本人がそれぞれ語ってくれました。
ゲル(モンゴルの伝統的な住居)に住むバトメンド君とお母さん(バヤンズルフ地区)
お母さんに、長男が通う初めての学校に対する意見を尋ねてみたところ、「この子が学校でいろんなことを学んで、良い人間になってくれればと思う」、そして「この子の担任が良い教師であってほしい。学校職員のみなさんが子どもをサポートできるような環境だと、みんなが良い子どもに育つと思う」といった心境を語ってくれました。
バトメンド君からのコメントで特に印象的だったのは、「友達は7人くらいできればいい」、「大きくなったら警察官になって、お母さんを守りたい。警察になるためには勉強する必要があると思う」、そして「担任になる人が優しい先生だといいな」といった気持ちを聞かせてくれたことでした。
バトメンド君のような子どもたちが、少しでも学びやすい環境になるよう、プロジェクトスタッフ一同はこれからも頑張って支援活動を実施していくつもりです。今後のステップとしては、新学期早々から、学校関係者を巻き込んだ活動を次々と行う予定です。
本プロジェクトの進捗状況、特にバトメンド君のようなご家庭にとって、事業活動がどの様な意味を持つことになるのかなどについて、今後も定期的にブログでお伝えしていきたいと思います。
本ブログ記事で紹介した事業は、皆さまからのご支援と、外務省・日本NGO連携無償資金協力の助成金を受けて実施しています。
(報告:モンゴル事務所 岡本 啓史)
バトメンド君からのコメントで特に印象的だったのは、「友達は7人くらいできればいい」、「大きくなったら警察官になって、お母さんを守りたい。警察になるためには勉強する必要があると思う」、そして「担任になる人が優しい先生だといいな」といった気持ちを聞かせてくれたことでした。
バトメンド君のような子どもたちが、少しでも学びやすい環境になるよう、プロジェクトスタッフ一同はこれからも頑張って支援活動を実施していくつもりです。今後のステップとしては、新学期早々から、学校関係者を巻き込んだ活動を次々と行う予定です。
本プロジェクトの進捗状況、特にバトメンド君のようなご家庭にとって、事業活動がどの様な意味を持つことになるのかなどについて、今後も定期的にブログでお伝えしていきたいと思います。
本ブログ記事で紹介した事業は、皆さまからのご支援と、外務省・日本NGO連携無償資金協力の助成金を受けて実施しています。
(報告:モンゴル事務所 岡本 啓史)