シリア危機 緊急支援レポート 2016年6月

2011年3月に始まったシリア危機。この紛争の影響でシリア国内や周辺国で避難生活を送る子どもたちに対し、セーブ・ザ・チルドレンは、教育や衛生など様々な面で支援を行っています。

2016年5月までの、セーブ・ザ・チルドレンの支援活動をご報告します。


「こどもひろば」の写真クラスの一環として、ザータリ難民キャンプのシリア難民の子どもが撮影

セーブ・ザ・チルドレンは、これまでにシリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで4,174,318人(内、子ども2,603,744人)に支援を届けました。

<教育>
授業料を払うことのできない家族に対する学費の支援、通学バッグや制服、学校教材などの提供を行いました。さらに、難民となり学校に通えない若者に対して代替教育を、5歳未満の子どもに対して就学前教育の支援を実施しました。セーブ・ザ・チルドレンはまた、シリア北部の55校の学校で、運営を支援しています。

<保護>
紛争により影響を受けた子どもたちが少しでも日常を取り戻せるよう、安心して遊んだり学んだりすることができる「こどもひろば」を、シリア国内、ヨルダン、イラク、レバノン、エジプトで運営し、何千人もの難民の子どもたちが参加しています。また、支援を必要とする子どもたちを特定し、適切な支援につなげるための、様々な子ども保護の活動を展開しています。

<保健・栄養>
ヨルダンの難民キャンプでは乳幼児への適切な栄養支援を実施しているほか、エジプトとシリアではA型肝炎やポリオのワクチン接種を実施。シリア北部では5つの保健・医療施設を支援し、これらの施設には毎週約3,500人の患者が訪れ、毎週約100人の赤ちゃんが誕生しています。

<シェルター、生活必需品>
セーブ・ザ・チルドレンは、レバノン、イラク、エジプト、シリア国内で、生活用品、衛生用品、防寒用品、新生児キットなどを配布。また、越冬支援として、毛布の配布やシェルターの提供を行いました。

<食料・生計>
シリア難民に対する食糧安全保障の確保は喫緊の課題となっています。セーブ・ザ・チルドレンは、ヨルダンにて大規模な食糧支援を展開しており、ザータリ難民キャンプでは、毎月500トンの食糧を配布しています。また、レバノンでは労働引換現金給付(Cash-for-work)プログラムを実施し、難民の家族が専門スキルを生かしてコミュニティに貢献できる機会を提供しています。

<水・衛生>
子どもたちを病気から守るためには、きれいな水と衛生的な環境が不可欠です。セーブ・ザ・チルドレンはシリア、イラク、レバノンで、衛生に関する啓発活動を実施。レバノンではさらに、排水設備や水、トイレなどを提供しています。

支援のニーズは依然として高い状況にあります。セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、シリア難民への支援を実施してまいります。
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