ミャンマー カチン州で母子保健プロジェクトがスタート

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、ミャンマー農村地域における母子保健促進のための保健システム強化支援事業を継続して実施しています。
2016年6月からは、新たに「カチン州における地域に根差した母子保健システム強化支援事業」を開始しました。

妊産婦、新生児の死亡の約9割が農村地で起こっていると報告されているミャンマー。事業対象地のカチン州は、ミャンマー最北部に位置し、インド、中国と国境を接した地域で、さまざまな民族が共存しています。本プロジェクトでは、カチン州の中でも特に住民にとって保健サービスへのアクセスが困難で、また、母子保健分野において国際機関の支援が届いていない地域(タナイ、モガウン、プータオ)を対象地として活動を行います。その他の事業対象地であるバゴー地域オークトゥインと、カチン州ミッチーナでは、活動を定着させて持続性を高めるために、昨年度事業のフォローアップを支援します。


事業対象地:ミャンマー カチン州


安心してお産ができるように

ミャンマーでの農村地では特に、妊産婦さんのお産に関する知識が少なく、補助助産師*さんがいない村もいまだに多くあります。助産師さんの技術強化研修の実施もあまり行われておらず、村の医療サービスを提供する地域の保健センターの多くは、国の基準を満たしていません。
こうした課題に対して、私たちセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、農村地で保健センターを整備すると同時に、助産師さんの技術や、妊婦さんたちの出産に関する知識を向上させる等の活動を通して、母子保健システムを強化することにより、村の妊産婦さんが安心してお産し、元気な赤ちゃんの誕生を促進できる環境を整えるための支援を実施しています。

本事業開始後の7月、プロジェクトスタッフがカチン州ミッチーナ事務所に集合し、事業実施へ向けた会議を行いました。事業地は、カチン州の中心地となるミッチーナから車で約3時間のモガウンと、約7時間かかるタナイです。遠隔地のため、各事業地にスタッフが駐在できる事務所を設けました。これまでの先行事業の経験を生かしながら、各チーム一丸となって、事業を円滑に進めていこうと意気込みを新たにしています。


プロジェクト開始へ向けた話し合い


プロジェクト・コーディネーターの思い
本プロジェクトのプロジェクト・コーディネーターを務めるチョー・ジン・トンが、カチン州のプロジェクト・チームを統括します。先行事業の母子保健事業にも携わった経験をもとに、本年度はさらに遠隔地域での事業管理を行います。


チョー・ジン・トン医師(プロジェクト・コーディネーター)

 「私は、ミッチーナでプロジェクト・コーディネーターをしているチョー・ジン・トンです。医師でもあります。私の主な任務は、タウンシップ保健局や、郡保健局の方々と連携しながら効果的に事業を進めていくことです。このプロジェクトが目標を達成できるよう、そして、コミュニティの人々が率先して母子保健の強化に取り組めるように、チームで協力しながら進めていきたいと思っています。現在、このプロジェクトに携わり、たくさんのお母さんや子どもたちの命を救っていることに、やりがいを感じています。日本の皆様からのさまざまなご支援のおかげで、このような活動ができています。ミャンマー国民の一人としてお礼申し上げます。」

引き続き、活動へのご理解とご支援をどうぞよろしくお願いします。

(報告:海外事業部 藤野)

本事業は、皆さまからのご支援と、外務省日本NGO連携無償資金協力により実施しています。

*補助助産師:村の住民により推薦され、保健省のガイドラインに沿った6ヶ月間の育成研修を修了し、助産師の指導、監督のもと、自分の住むコミュニティにおいて、基礎的な保健サービスを提供する無償のボランティアのこと。
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