難民に関する報告書「避難を余儀なくされる人々:世界で21番目に大きな国」を発表

2016年の国連総会では、9月19日に「難民・移民に関する国連サミット」、20日にオバマ米大統領の呼び掛けで「難民に関するリーダーズ・サミット」が開催され、難民支援への拠出金や受け入れの拡充、受け入れ国への支援、国際社会の責任分担や協力に関する重要な話し合いが持たれました。

セーブ・ザ・チルドレンは、これらの会合に合わせて、新しいレポート「避難を余儀なくされる人々:世界で21番目に大きい国」(Forced to Flee: Inside the 21st Largest Country)を発表しました。世界では、6,500万人以上の人々が家や故郷を追われ、避難を余儀なくされています。世界中の全ての避難民が一つの場所に定住することになれば、世界で21番目に大きな国に匹敵します。また、現状のペースで難民が増加すれば、2030年までに世界で5番目の大きさになります。



世界で最も急速に人口が増加しているこの国は:

- 人口増加率が世界で最も高い国です。

  - 18歳未満の子どもが半分以上を占める、世界で最も人口が若い国の一つで す。
  - 世界で就学率が最も低い国の一つです。
  - 児童婚のように、悪影響のある習慣が行われる危険性が高い国です。

  - 予防可能な病気で失った子どもの数は、膨大です。

  - もし雇用への十分なアクセスが保障されれば、中所得規模の経済が存在することになります。

  - 迫害と紛争により、毎日34,000人が家から避難することを余儀なくされています。

- もし、人口が現在の割合で増加し続けた場合、2030年までに、世界で5番目に大きな国になります。もし、人口が現在の半分の割合で増加し続けた場合でも、2030年までに9番目に大きな国になります。

難民人口が記録的な水準に達した現在、私たちは緊急モードから脱し、これら避難民の人々のために、次に何をすべきかを考える必要があります。

避難した家族、特に彼らの子どもは、喫緊のニーズと将来への投資から取り残された存在です:

- 急速に増加する人口は、感染症に感染しやすく、教育へのアクセスも限られており、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成が懸念されます。

- これらの人口は、政府によって代表されていませんが、2030年までによりよい世界を作るという我々の共有ビジョンに、この人口が含まれるようにする必要があります。

  - 家族が紛争地から避難する主な理由は、彼らの子どもが教育へアクセスできるようにするためです。しかし残念ながら、そのためには少なくとも数か月かかります。セーブ・ザ・チルドレンは、すべての難民の子どもが、新しいコミュ二ティで30日以内に学校で学習できることを確実にするよう、世界のリーダーに求めます。

これらの家族は、すぐに故郷に帰れそうにはありません:

- シリア内戦は終わる気配がありません。そして、アフガニスタン、イラク、中南米の一部の紛争は、悪化の一途をたどっています。

- 私たちは、家族を避難国の周辺にとどめておくことから、難民が新しい国に溶け込めるよう社会に貢献し、生活再建のための支援を考え始める必要があります。

セーブ・ザ・チルドレンは、国家がすべての子どもの健康への権利、教育を受ける権利、搾取から自由になる権利を保障するために、互いに歩み寄り、責任を共有するよう求めます。

- 避難民は大きな困難に直面しています。しかし、もし政府がNGO、民間セクターも含めてともに取り組めば、私たちは難民の状況を向上させることができます。

- この「国」について、そして、私たちがどのようにこの人口を助けることができるのかというセーブ・ザ・チルドレンの提案について、詳しくはこちらから報告書をご覧ください。

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