7秒ごとに、一人の少女が結婚する現実 -新たな報告書を発表-

さまざまな国の10歳の少女たちが、自分たちよりずっと年上の男性と結婚する、という現実があります。こんな中、セーブ・ザ・チルドレンが発表した新たな報告書「EVERY LAST GIRL:Free to live, free to learn, free from harm」(「少女たちを誰一人取り残さない:自由に生き、学び、傷つけられることのないために」)では、7秒に一人の少女(15歳未満)が結婚している実態を、明らかにしています。

また、同報告書では世界の国々について、児童婚、学校、10代での妊娠、妊産婦の死亡、そして女性の国会議員の数という指標をもとに、ランキングを作成しました。



児童婚の多いニジェール、チャド、中央アフリカ共和国、マリ、ソマリアといった国々が下位に。一方、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、オランダ、そしてベルギーが上位にランク入りしました。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル(本部・ロンドン)の事務局長、ヘレ・トーニング=シュミットは、次のように指摘しています。「児童婚は、少女たちにとって、もっとも基本的な『学ぶ』『成長する』『子どもでいる』という権利を否定する、悪循環を生みだします。」

「若くして結婚する少女たちは、学校に通うこともできず、家庭内暴力や性的虐待などの問題に直面しやすい傾向にあります。妊娠し、HIV/AIDsを含む性感染症の危険にもさらされます。若年での出産は、母体と子どもたちの健康に大きな影響を及ぼします。」

この報告書では、このほか以下のような点についても、言及しています。


  • ●紛争の影響を受けた少女たちが結婚する傾向にあります。レバノンのシリア難民のように、安全面や、それぞれが抱える多様な問題に対処する方法として、娘たちを結婚させる、という状況が起きています。(UNHCRのデータによると、レバノンにいる12~17歳の少女たちのうち、6%以上が結婚しているといいます。)

    ●貧困家庭の少女たちは、裕福な家庭の子どもたちよりも、先に結婚する傾向があります。ナイジェリアでは、貧困層の40%の少女たちが15歳までに結婚しています。一方、富裕層の少女たちが結婚する割合は、3%です。

    ●人口が多いこともありますが、インドにおける児童婚の数は、世界で最も多いです。2400万人に上る少女たちが、18歳までに結婚しています。

国際社会は、2013年までに児童婚をやめる、としていますが、現状が継続すれば、子ども時代に母親になってしまう女性の数は、現在の7億人から、2013年には9億5000万人、2015年には12億人に上るといわれています。

セーブ・ザ・チルドレンでは、世界中でもっとも不利な状況に置かれた少女たちを支援する、さまざまな事業を実施しています。児童婚を終わらせ、ジェンダーによる差別をなくすため、政府や支援者に対しても、少女たちの教育や人生における色々な機会に投資するよう呼びかけています。

この報告書の詳細は、こちらです。
セーブ・ザ・チルドレンの活動 少女たちを、誰一人取り残さないために

※出典UNICEF (2914) Ending Child Marriage: Progress and Prospects:
http://www.unicef.org/media/files/Child_Marriage_Report_7_17_LR..pdf

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