シリア危機 緊急支援レポート 2016年10月

2011年3月に始まったシリア危機。この紛争の影響でシリア国内や周辺国で避難生活を送る子どもたちに対し、セーブ・ザ・チルドレンは、教育や衛生など様々な面で支援を行っています。

2016年10月までの、セーブ・ザ・チルドレンの支援活動をご報告します。

激しい紛争が続くシリア・アレッポに暮らす少年


セーブ・ザ・チルドレンは、これまでにシリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで5,119,936人(内、子ども3,285,020人)に支援を届けました。


<教育>
授業料を払うことのできない家族に対する学費の支援、通学バッグや制服、学校教材などの提供を行いました。さらに、難民となり学校に通えない若者に対して代替教育を、5歳未満の子どもに対して就学前教育の支援を実施しました。
また、シリア北西部の60ヶ所の学習スペースの運営を支え、47,768人の子どもが学校に戻れるよう支援しました。


<保護>
紛争により影響を受けた子どもたちが少しでも日常を取り戻せるよう、安心して遊んだり学んだりすることができる「こどもひろば」を、シリア国内、ヨルダン、イラク、レバノン、エジプトで運営し、何千人もの難民の子どもたちが参加しています。また、支援を必要とする子どもたちを特定し、適切な支援につなげるための、様々な子ども保護の活動を展開しています。


<保健・栄養>
医療サービスや食料の不足が、子どもたちを危険な状況にさらしています。
ヨルダンの難民キャンプと受け入れコミュニティで、乳幼児と子どもへの栄養支援を実施。この一環として、貧血の子どもへ補助食を提供し、栄養教育を行う活動も実施しています。また、エジプトではA型肝炎、シリアではポリオのワクチン接種を行っています。


<シェルター、生活必需品>
冬の間、これらの地域は氷点下の寒さに襲われますが、避難してきた人々にとっては、冬服や毛布、シェルターなどの備えは十分でありません。
セーブ・ザ・チルドレンは、シリア国内で紛争から逃れる人々へ、調理済みの食料や水、衛生キットを提供しました。
また、イラクにおいて毛布や衣類の提供を実施したほか、ヨルダンでは生活物資の提供を行いました。


<食料・生計>
シリア難民に対する食糧安全保障の確保は喫緊の課題となっています。セーブ・ザ・チルドレンは、ヨルダンのザータリ難民キャンプや受け入れコミュニティで、地元の店で食料と交換できる電子バウチャーを提供しています。
また、レバノンでは労働引換現金給付(Cash-for-work)プログラムを実施し、難民の家族が専門スキルを生かしてコミュニティに貢献できる機会を提供しています。
シリア北西部ではパートナー団体とともに、45ヶ所以上で、紛争の影響を最も受けている人々が農業や牧畜、小規模ビジネスを行えるようサポートし、食料と生計手段を確保できるよう支援しています。


<水・衛生>
子どもたちを病気から守るためには、きれいな水と衛生的な環境が不可欠です。セーブ・ザ・チルドレンはシリア、イラク、レバノン、エジプトで、衛生キットや新生児用品を配布するとともに、衛生に関する啓発活動を実施。レバノンではさらに、排水設備や水、トイレなどを提供しています。


支援のニーズは依然として高い状況にあります。セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、シリア難民への支援を実施してまいります。

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