(公開日:2020.01.07)
シリア危機 シリア北部で洪水 数千人の子どもたちがさらなる避難の危機
- シリア危機
シリア北部での大規模な戦闘により2019年に避難を強いられた23万人[i]の子どもたちが、現在、洪水のために避難先のキャンプで、再び避難を強いられる状況に直面しています。
シリア北西部にある複数のキャンプでは、洪水により500基のテントが倒壊し、他のテントも浸水などにより居住に適さない状態にあります。また、セーブ・ザ・チルドレンが支援するイドリブ県の学校では、鉄砲水により校舎が30cm以上浸水し、閉鎖を余儀なくされています。この学校に通う子どもたち中には、自宅が洪水の影響を受けている者もおり、学校が再開したとしても、通学をできるのはわずか20人の子どもたちのみです。
サナドさん(9歳)は、「雨が降り出すと、テントが浸水するので、外に避難します。外の道も、泥でぬかるんで歩くのが難しいです。暖房も無く、毛布もありません。本当に何もありません」と、話します。
シリア北東部では、3万1,680人の子どもたちを含む、約7万5,000人が、これ以上避難者を受け入れることが困難なほど過密状態のキャンプで生活を送っています。また、ラッカ県とハサケ県一帯には、100の避難民キャンプがあります[ii]。多くの人たちは、かつて学校だった建物を避難所として利用しており、電気がない中で暮らしている人たちも多数います。
大勢の人たちが避難生活をするアリーシャ・キャンプは、冬季に、複数回にわたり洪水に襲われます。そのため、紛争から逃れこのキャンプで避難生活を送る家族は、今度は浸水から逃れるために住まいの移動を余儀なくされています。
ハミダさん
ハミダさん(40歳)は、2018年の冬に15回も場所の移動を余儀なくされました。
「昨年(2018年)の冬は最悪でした。キャンプの中で15回も場所の移動を余儀なくされました。このキャンプ全体が浸水し、テントの中も水が来て、地面は沼地のようになりました。テントを畳み、他の場所へ移動するしかありませんでした。もし、また雨が降ってくるまで、数日あるいは、あと1週間その場所にいたら、鉄砲水でテントが流されていたと思います。子どもたちには、寒さから身を守れるような服がありません。暖房器もなく、暖を取るための木材もありません!次にどんなことが起こるのか、とても怖く、雨が降ってくるのが心底怖いです。昨年は多くの子どもたちが、雨と寒さで亡くなりました。」
セーブ・ザ・チルドレン シリア事業ディレクター ソニア・クシュは次の通り訴えます。
「シリアの冬は厳しく、この冬の気候に全く適さない生活環境のために、シリア北部の数千人の子どもたちは、今年も危機的な状況にあります。これまでの越冬経験から、気温が低下すると、子どもたちがいかに困難な状況に置かれるのかが分かります。
子どもたちやその家族は1日を生きるだけでも大変な中、悪天候になると、特に乳幼児は極めて脆弱な状態におかれます。シリア北部一帯では、最近の戦闘により、数千家族がテントや、建設途中の建物での避難生活、複数の家族が1ヶ所に集まっての避難生活を強いられています。そうした状況にある家族は、安全な水や電気がない中で生活しています。
そして、テントやシェルターは、そこに避難する人たちにとって、十分に安全・安心な場所とは言えません。人道支援を届けることに加え、すべての紛争当事者たちは、完全な停戦合意と、数万人の子どもたちがこれ以上苦しむことがないよう、一丸となって行動を起こさなければなりません。」
セーブ・ザ・チルドレンは、厳しい冬の季節を迎え、シリア国内で、新たに避難を強いられた家族の生活環境向上のために、衛生用品キットや食料といった、必要最低限の物資などを支援しています。
[i]シリア北東部に避難する3万1千人の子どもたちと、シリア北西部に避難する20万人の子どもたちを合わせた人数。
[ii] https://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/ocha-syria-situation-report-12-humanitarian-impact-military-operation
シリア北西部にある複数のキャンプでは、洪水により500基のテントが倒壊し、他のテントも浸水などにより居住に適さない状態にあります。また、セーブ・ザ・チルドレンが支援するイドリブ県の学校では、鉄砲水により校舎が30cm以上浸水し、閉鎖を余儀なくされています。この学校に通う子どもたち中には、自宅が洪水の影響を受けている者もおり、学校が再開したとしても、通学をできるのはわずか20人の子どもたちのみです。
サナドさん(9歳)は、「雨が降り出すと、テントが浸水するので、外に避難します。外の道も、泥でぬかるんで歩くのが難しいです。暖房も無く、毛布もありません。本当に何もありません」と、話します。
シリア北東部では、3万1,680人の子どもたちを含む、約7万5,000人が、これ以上避難者を受け入れることが困難なほど過密状態のキャンプで生活を送っています。また、ラッカ県とハサケ県一帯には、100の避難民キャンプがあります[ii]。多くの人たちは、かつて学校だった建物を避難所として利用しており、電気がない中で暮らしている人たちも多数います。
大勢の人たちが避難生活をするアリーシャ・キャンプは、冬季に、複数回にわたり洪水に襲われます。そのため、紛争から逃れこのキャンプで避難生活を送る家族は、今度は浸水から逃れるために住まいの移動を余儀なくされています。
ハミダさん
ハミダさん(40歳)は、2018年の冬に15回も場所の移動を余儀なくされました。
「昨年(2018年)の冬は最悪でした。キャンプの中で15回も場所の移動を余儀なくされました。このキャンプ全体が浸水し、テントの中も水が来て、地面は沼地のようになりました。テントを畳み、他の場所へ移動するしかありませんでした。もし、また雨が降ってくるまで、数日あるいは、あと1週間その場所にいたら、鉄砲水でテントが流されていたと思います。子どもたちには、寒さから身を守れるような服がありません。暖房器もなく、暖を取るための木材もありません!次にどんなことが起こるのか、とても怖く、雨が降ってくるのが心底怖いです。昨年は多くの子どもたちが、雨と寒さで亡くなりました。」
セーブ・ザ・チルドレン シリア事業ディレクター ソニア・クシュは次の通り訴えます。
「シリアの冬は厳しく、この冬の気候に全く適さない生活環境のために、シリア北部の数千人の子どもたちは、今年も危機的な状況にあります。これまでの越冬経験から、気温が低下すると、子どもたちがいかに困難な状況に置かれるのかが分かります。
子どもたちやその家族は1日を生きるだけでも大変な中、悪天候になると、特に乳幼児は極めて脆弱な状態におかれます。シリア北部一帯では、最近の戦闘により、数千家族がテントや、建設途中の建物での避難生活、複数の家族が1ヶ所に集まっての避難生活を強いられています。そうした状況にある家族は、安全な水や電気がない中で生活しています。
そして、テントやシェルターは、そこに避難する人たちにとって、十分に安全・安心な場所とは言えません。人道支援を届けることに加え、すべての紛争当事者たちは、完全な停戦合意と、数万人の子どもたちがこれ以上苦しむことがないよう、一丸となって行動を起こさなければなりません。」
セーブ・ザ・チルドレンは、厳しい冬の季節を迎え、シリア国内で、新たに避難を強いられた家族の生活環境向上のために、衛生用品キットや食料といった、必要最低限の物資などを支援しています。
[i]シリア北東部に避難する3万1千人の子どもたちと、シリア北西部に避難する20万人の子どもたちを合わせた人数。
[ii] https://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/ocha-syria-situation-report-12-humanitarian-impact-military-operation