アフガニスタン 産科病棟への攻撃により新生児や母親24人が犠牲に―

アフガニスタンの首都カブール西部で、5月12日、産科病棟が襲撃され、新生児や母親、看護師ら24人が犠牲になりました。

襲撃された産科病棟は、国際NGO国境なき医師団が支援しており、アフガニスタン当局は、外国人3人を含む100人の女性と子どもを救出したと発表しています。数時間にわたる銃撃戦の後、襲撃犯は全員殺害されたと伝えられていますが、犯行声明は出ておらず、犯人は明らかになっていません。

また、当日母親を殺害された新生児に授乳することを名乗り出た女性や、母親を失った子どもを養育することを申し出た家族が現れたことも報じられており、セーブ・ザ・チルドレン アフガニスタン事務所スタッフは、この日を「人間の最たる『悪』と『善』、両方を感じた日だった」と話します。

今回起こった病院への攻撃に対し、アフガニスタン事務所代表ティモシー・ビショップは次の通り訴えます。
「セーブ・ザ・チルドレンはカブールの産科病棟に対するこの残忍な襲撃を強く非難します。新生児や、分娩を待つ母親が無残にも殺害されました。これは女性、子どもたち、医療従事者に対する邪悪で卑劣な計画的犯行です。犠牲になられたご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
新生児は、誕生して間もない時を母親の腕に抱かれて過ごすべきであり、銃弾や爆弾が落下する病院で過ごすべきではありません。新生児が今回のような状況のなかで誕生したり、母親もこのような凄惨な出来事に直面してはなりません。
アフガニスタンの子どもたちにとっては、悲惨な48時間でした。カブールでの悲劇的な出来事のほかにも、ローガル、ファラ、パクティカ州での襲撃で少なくとも7人の子どもが殺害されました。
こうした一般市民への度重なる襲撃が、武装集団制圧のための攻撃を再開させてきました。世界が力を合わせて新型コロナウイルス感染症の収束に向けて取り組むべき今、アフガニスタンにいるすべての関係者に対し、戦闘をいますぐやめ、子どもたちを守るためにあらゆる対策を講じるよう求めます。また国際社会に対しても、恒久的な停戦の実現に向けた支援を求めます。
一般市民を意図的に攻撃対象とすることや、病院や学校を襲撃することは、紛れもない国際法上の戦争犯罪であり、加害者は責任を問われるべきです。」


セーブ・ザ・チルドレンは、1976年からアフガニスタンで活動しており、現在、アフガニスタン全34州のうち、14州で保健・栄養や、教育、子どもの保護などの分野で子ども支援活動を展開しています。2019年は70万人以上の子どもたちに支援を届けました。
PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F