新型コロナウイルス感染症と栄養―子どもたちを守る5つの活動分野

世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、すでにひっ迫した状況にある貧しい国々の保健医療システムや社会経済にさらに深刻な影響を及ぼしています。

新型コロナウイルス感染症と診断された子どもは全体の2%未満にも関わらず、今回のパンデミック(世界的大流行)の影響で、低・中所得国での5歳未満の子どもの死亡率が、最悪の場合45%増加する可能性が指摘されています1これは病院や保健医療サービスが通常の機能を果たせなくなったり、もともと脆弱であった地域において深刻な食料不足が発生するためです。



こうした状況を受け、2020年6月9日、国際連合(国連)は「食料安全保障と栄養に対するCOVID-19の影響に関する政策概要」を発表しました。この中でアントニオ・グテーレス国連事務総長は、世界の5歳未満児の5人に1人が発育阻害である現実に触れ、1)食料や栄養を必須支援と位置づけること、2)栄養に関する社会的保護制度を強化すること、3)持続可能な食料システムに変革することを柱に、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが及ぼす最悪の影響を回避しようと訴えました。

未来を担う子どもたちの命を守るため、セーブ・ザ・チルドレンは、日本を含む世界各国において支援活動を進めています。その中でも、子どもの命と健康の基盤となる「栄養」の分野へ早急な対策が求められています。新型コロナウイルス感染症に対するセーブ・ザ・チルドレンの活動方針「子どもたちを守る5つの分野の活動」に基づき、セーブ・ザ・チルドレンは栄養改善に必要な支援とその重要性を「新型コロナウイルス感染症と栄養―子どもたちを守る5つの活動分野」としてまとめました。

この中では、「保健医療」「教育」「家計支援」「子どもの安全と保護」「国際的な資金拠出」の5つの分野において、世界の子どもたちのために今最も必要とされている支援や、日本政府や国際社会に対する具体的な提言がまとめられています。

■ 新型コロナウイルス感染症と栄養―子どもたちを守る5つの活動分野

1 John Hopkins (21/04/2020) Early Estimates of the Indirect Effects of the Coronavirus Pandemic on Maternal and Child Mortality in Low- and Middle-Income Countries


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