全国の学童保育向けに「衛生管理」オンライン講座を開催

616日と77日、全国の放課後児童クラブ(学童保育)向けに「新型コロナウイルス感染拡大下での安全な保育実施のための『衛生管理』」をテーマとしたオンライン講座を実施しました。




学童保育の現場が直面する悩み


全国に25,000ヶ所以上ある放課後児童クラブ(学童保育)は、コロナウイルス感染拡大を受けた227日の全国一斉休校要請や4月の緊急事態宣言発出後も厳しい感染予防の規準維持に努めながら運営を続けたり、また、緊急事態宣言解除後も分散登校継続という状況下で、働く保護者などを支え、子どもが安心して安全に過ごせる場を提供したりする役割を担い続けています。

 セーブ・ザ・チルドレンは、4月より、全国の放課後児童クラブ(学童保育)を対象に活動支援金の提供などの緊急サポートを実施してきました。 そのなかで、学童保育の現場からは、新型コロナウイルス感染症予防のために日々どのようなことに気を付けて保育を行うべきか迷いがある、正確な情報を手に入れるのが難しい、といった不安や心配の声が届いていました。

 
医師の資格を持つセーブ・ザ・チルドレン支援企業の従業員が講師に


セーブ・ザ・チルドレンは、日ごろよりさまざまな企業と連携しながら活動しています。今回の新型コロナウイルス感染症緊急支援でも、多くの企業から寄付や物品提供などの協力の申し出がありました。 

セーブ・ザ・チルドレンのグローバルパートナー企業であるグラクソ・スミスクライン株式会社(以下、GSK社)もその1つです。今回、国内の新型コロナ緊急支援への従業員寄付を社内で呼びかけると同時に、医師の資格をもつ同社従業員の知識を、子どもたちを取り巻く環境を整えるために役立てたいとの協力の提案がありました。この提案と学童保育側のニーズを合わせる形で、全国学童保育連絡協議会からの協力・連携も得て、講座の企画が実現しました。

 

「子どもにとって何が必要か、大元の目的に立ち返って考えることが大事」

 

1時間のオンライン講座に、 616日には20の学童保育から73人、77日には29の学童保育と1自治体から134人が参加しました。


「何を使って消毒・清掃をするのがよいのか」、「おやつの手作りは避けるべきか」、「暑さの中、マスク着用の注意点やエアコン使用時の換気方法は?」など、支援員が日々現場で直面するさまざまな質問に対し、講師は、厚生労働省などから出ている情報や医師としての知見をもとに回答しました。


「感染ルートを考え、リスクを減らす発想で、換気、消毒、手洗い、マスク着用など、まず基本的な対策をしっかりと行うこと。現場で日々子どもを直接見ている支援員が、子どもにとって何が必要か、大元の目的に立ち返って考えることが大事」との講師の話に、画面越しに参加者が大きくうなずく姿が見られました。


岡山県でオンライン講座を受講する学童保育の指導員の様子(写真提供:岡山県学童保育連絡協議会)


参加した学童からの声


参加した学童保育からは、以下のような声が寄せられています。(原文から一部を抜粋)


「学童保育の現場の現状に沿った解説も参考になりました。コロナ対策で頭いっぱいになりそうでしたが、コロナの感染症だけのリスクではなく熱中症や他の病のリスクなども考えながら何が1番いいのかを研修後考えました」

「他学童の質問などから、どこの学童も悩みは同じであることを感じました」

「大規模学童での避けられない密の予防策ばかり考えていましたが、ウィルスを持ち込まない、持ち出さないと言う基本の行動を徹底することが第一前提である事を気づかされました」


新型コロウイルス感染防止の対策を継続することが引き続き必要となる中、セーブ・ザ・チルドレンは、今後も本講座を開催する予定です。
 

(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)

 


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