(公開日:2021.02.17)
新型コロナウイルス感染症対応:東京都に対し、高校生等の就学継続に関わる要望書を提出しました
- 日本/国内災害
新型コロナウイルス感染症対応の一環として、セーブ・ザ・チルドレンは2021年2月10日、東京都に対して高校生等の就学継続に関わる緊急措置を講じるよう要望書を提出しました。
要望書は、東京都内に住む経済的に困難なひとり親家庭の高校生を対象とした給付金提供において実施したアンケート結果(2020年11月発表)など、これまでのセーブ・ザ・チルドレンの緊急支援活動を踏まえた内容です。2020年8月から11月に実施した同アンケートでは、回答者の約3割が「新型コロナウイルスによる経済的な理由により、今後高校就学を続けられない可能性がある」と答えています。
セーブ・ザ・チルドレンは、以前から高校生等の就学継続に関わる支援の拡充を国や自治体に対して求めてきました。高校就学にあたっては、授業料無償化や奨学給付金などの制度が設けられているものの、義務教育段階と比較してもより多くの学校教育費・学校外教育費が必要となり、家計の私費負担も大きい実態があります。加えて、給付額が振り込まれるまでの期間は家庭で立て替えなくてはならないなど、未だ公的な支援が十分とは言えない状況があります。
1月7日に1都3県を対象とした2度目の緊急事態宣言が出されて1ヶ月、東京都では宣言が延長され、子育て世帯の家計もさらなる影響を受けていると考えられます。一方、高校などに通う子どもたちやこの春高校に入学する子どもたちにとっては、進学・進級を目前に控え、入学金や制服、教科書代、通学費、進路に伴う費用などの支払いが迫る時期でもあります。このような状況の中、経済的な理由により、高校等への就学継続や進路などにおいて子どもたちが苦しい立場に置かれることを、私たちは危惧しています。
そこで、高校生等に対する支援が拡充されるよう下記3点の要望をまとめ、東京都に提出しました。セーブ・ザ・チルドレンは今後、担当部署や都議会各派へも本要望書を提出し、高校生等への支援が拡充されるように求める働きかけを行っていきます。要望書全文はこちら。
1.高校生等の「就学継続困難」の実態把握
高校就学の継続が困難となっている実態を把握し、適切な施策等につなげるため、都内高校等に対して定期的な状況把握や生徒の家計変化に目を配るよう求める通達等を発出してください。
2.安定的な就学継続・進路選択にかかる予算措置
高校生等が安定した環境で就学を継続し、卒業後の進路選択をできるよう、追加的な予算措置をおこない、給付型奨学金の増額や通学費補助などの経済的支援を実施してください。
3.既存の教育支援制度の弾力的運用
高校生等奨学給付金や高等学校等就学支援金など既存の公的制度について、必要な人が必要な時に制度を利用できるよう、家計負担をなくし、周知・手続き・実施期間などにおける柔軟な運用をおこなってください。
(報告:東京事務所 田代光恵)