(公開日:2021.10.07)
活動報告:9月11日に「教育を攻撃から守るための国際デー」にあわせ、参加型オンラインイベントを開催しました
- アドボカシー
2020年、国連総会で毎年9月9日を「教育を攻撃から守るための国際デー」とすることが全会一致で採択されました。この国際デーにあわせて、セーブ・ザ・チルドレンは、2021年9月11日に「あなたの意見を聞かせてください〜紛争下の教育を攻撃から守るためにできること」を開催しました。
イベントには、小学生から社会人までの幅広い層から約100人が参加し、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフや一緒に活動するユースによる発表を通して、教育への攻撃のほか、それに対するセーブ・ザ・チルドレンや日本にいる若者の活動について理解を深め、日本にいる自分たちに何ができるかを考えました。
当日は以下のプログラムが実施されました。各発表内容について報告します。
・発表1: 「教育が攻撃される」とは
・発表2:紛争下の教育を守るためにできることは何か、誰が行動を起こすべきか
・発表3:私たちが感じる課題とユースの活動/パレスチナの子どもたちからのビデオメッセージ
・閉会の挨拶:谷合正明参議院議員
◼︎発表1:「教育が攻撃される」とは
セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー室の大野より、現代の紛争の特徴、教育への攻撃の実態、「学校保護宣言」について説明しました。教育への攻撃には、次のような形態がありますが、それらについて写真を用いて説明をし、理解を深めました。(1)学校(建物)への攻撃、(2)生徒や先生への攻撃、(3)学校や通学路での性的暴力、(4)学校や通学路での連れ去り、(5)高等教育・大学に対する攻撃、(6)学校の軍事利用
■ 紛争下の教育を守るためにできることは何か、誰が行動を起こすべきか:
続いて、セーブ・ザ・チルドレン海外事業部の田部井より、イエメンで紛争の影響を受ける子どもたちの現状について説明がありました。セーブ・ザ・チルドレンの教育支援として、学用品の配布、公的教育の代わりとなる教育の提供、学校の修繕・学校備品の提供、教員への研修などについて紹介したほか、実際に教育支援を受けている子どもの声も紹介しました。
■紛争下の教育を守るための日本の課題と行動を起こしているユースの声:
セーブ・ザ・チルドレンは、2019年よりグローバルキャンペーン「STOP THE WAR ON CHILDREN 紛争下の子どもを守ろう」(SWOCキャンペーン)を実施しています。このキャンペーンでは、国際法や国際的な基準の順守や、すべての子どもたちに支援を届けることを世界のリーダーたちに強く訴えています。日本のユースチームも「SWOCユース」としてこのキャンペーンを推進するための活動を続けています。
今回のイベントでは、SWOCユースを代表して、朝倉凛花さんと栃原里佳子さんから、紛争下の教育を守るための日本の課題と、SWOCユースの活動について紹介がありました。
まず、栃原里佳子さんより、活動を通して見えてきた紛争下の教育を守るための日本の課題として、(1)日本の経済規模に応じた支援ができていないこと、(2)「学校保護宣言」に賛同していないこと、(3)若い世代が行動に移す難しさ、(4)国際問題に関する報道の少なさについて説明を行いました。
次に、朝倉凛花さんより、国内で紛争下の子どもの教育を守るために取り組んでいるSWOCユースの活動について、2021年8月にオンライン開催で行われたパレスチナの子どもたちとの交流会の様子も含めて紹介されました。また、今回のイベントに向けて、パレスチナの子どもたちが寄せてくれたビデオメッセージの上映が行われました。
閉会にあたり、谷合正明参議院議員より、イベント全体をふまえた国会議員としての決意表明がありました。「日本が学校保護宣言に賛同できるように取り組まないといけないと思う」というコメント、また「『教育を後回しにはできない』基金への日本の拠出をフォローしていきたい」との力強いコメントがありました。
終了後の参加者アンケートでは、次のような感想が寄せられました。
「一言で『攻撃が教育される』と言ってもたくさんの種類があり、とても驚いた。特に、学校が軍事利用されてしまうということが印象に残った。」
「建物や先生がいれば教育が受けられるわけではないということが印象に残った。」
「学校に行くことはリスクを伴う行動だ、ということを現場の声を通して聞くと、説得力がさらに増す感じがした。また、学校保護宣言を日本が署名することを切実に求めていることが分かった。」
「昨年も学校保護宣言に日本が賛同していないことを聞いていて、今年ついに賛同しました!というお話を聞ければよかったなという思いを持ちながら、聞いていた。」
「私たち高校生にもできることがあるんだなと思った。」
セーブ・ザ・チルドレンは国内外の関係者とともに、紛争下の教育や子どもたちを守るための活動を引き続き推進していきます。
【活動報告を執筆したインターンからの後記】
参加者の方からは、パレスチナの子どもたちからのビデオメッセージを通して、実際に困難な状況を経験している子どもたちの声が心に響いたという意見が複数あり、当事者の声を聞くことの重要性を改めて感じました。同時に、紛争地から遠く離れた日本で、より多くの方々に関心を持ってもらえるように、紛争地の子どもたちの声を広げるためにできることを考えていきたいと思います。
(執筆:セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー室インターン/SWOCユース石井未来)
イベントには、小学生から社会人までの幅広い層から約100人が参加し、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフや一緒に活動するユースによる発表を通して、教育への攻撃のほか、それに対するセーブ・ザ・チルドレンや日本にいる若者の活動について理解を深め、日本にいる自分たちに何ができるかを考えました。
当日は以下のプログラムが実施されました。各発表内容について報告します。
・発表1: 「教育が攻撃される」とは
・発表2:紛争下の教育を守るためにできることは何か、誰が行動を起こすべきか
・発表3:私たちが感じる課題とユースの活動/パレスチナの子どもたちからのビデオメッセージ
・閉会の挨拶:谷合正明参議院議員
◼︎発表1:「教育が攻撃される」とは
セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー室の大野より、現代の紛争の特徴、教育への攻撃の実態、「学校保護宣言」について説明しました。教育への攻撃には、次のような形態がありますが、それらについて写真を用いて説明をし、理解を深めました。(1)学校(建物)への攻撃、(2)生徒や先生への攻撃、(3)学校や通学路での性的暴力、(4)学校や通学路での連れ去り、(5)高等教育・大学に対する攻撃、(6)学校の軍事利用
■ 紛争下の教育を守るためにできることは何か、誰が行動を起こすべきか:
続いて、セーブ・ザ・チルドレン海外事業部の田部井より、イエメンで紛争の影響を受ける子どもたちの現状について説明がありました。セーブ・ザ・チルドレンの教育支援として、学用品の配布、公的教育の代わりとなる教育の提供、学校の修繕・学校備品の提供、教員への研修などについて紹介したほか、実際に教育支援を受けている子どもの声も紹介しました。
■紛争下の教育を守るための日本の課題と行動を起こしているユースの声:
セーブ・ザ・チルドレンは、2019年よりグローバルキャンペーン「STOP THE WAR ON CHILDREN 紛争下の子どもを守ろう」(SWOCキャンペーン)を実施しています。このキャンペーンでは、国際法や国際的な基準の順守や、すべての子どもたちに支援を届けることを世界のリーダーたちに強く訴えています。日本のユースチームも「SWOCユース」としてこのキャンペーンを推進するための活動を続けています。
今回のイベントでは、SWOCユースを代表して、朝倉凛花さんと栃原里佳子さんから、紛争下の教育を守るための日本の課題と、SWOCユースの活動について紹介がありました。
まず、栃原里佳子さんより、活動を通して見えてきた紛争下の教育を守るための日本の課題として、(1)日本の経済規模に応じた支援ができていないこと、(2)「学校保護宣言」に賛同していないこと、(3)若い世代が行動に移す難しさ、(4)国際問題に関する報道の少なさについて説明を行いました。
次に、朝倉凛花さんより、国内で紛争下の子どもの教育を守るために取り組んでいるSWOCユースの活動について、2021年8月にオンライン開催で行われたパレスチナの子どもたちとの交流会の様子も含めて紹介されました。また、今回のイベントに向けて、パレスチナの子どもたちが寄せてくれたビデオメッセージの上映が行われました。
閉会にあたり、谷合正明参議院議員より、イベント全体をふまえた国会議員としての決意表明がありました。「日本が学校保護宣言に賛同できるように取り組まないといけないと思う」というコメント、また「『教育を後回しにはできない』基金への日本の拠出をフォローしていきたい」との力強いコメントがありました。
終了後の参加者アンケートでは、次のような感想が寄せられました。
「一言で『攻撃が教育される』と言ってもたくさんの種類があり、とても驚いた。特に、学校が軍事利用されてしまうということが印象に残った。」
「建物や先生がいれば教育が受けられるわけではないということが印象に残った。」
「学校に行くことはリスクを伴う行動だ、ということを現場の声を通して聞くと、説得力がさらに増す感じがした。また、学校保護宣言を日本が署名することを切実に求めていることが分かった。」
「昨年も学校保護宣言に日本が賛同していないことを聞いていて、今年ついに賛同しました!というお話を聞ければよかったなという思いを持ちながら、聞いていた。」
「私たち高校生にもできることがあるんだなと思った。」
セーブ・ザ・チルドレンは国内外の関係者とともに、紛争下の教育や子どもたちを守るための活動を引き続き推進していきます。
【活動報告を執筆したインターンからの後記】
参加者の方からは、パレスチナの子どもたちからのビデオメッセージを通して、実際に困難な状況を経験している子どもたちの声が心に響いたという意見が複数あり、当事者の声を聞くことの重要性を改めて感じました。同時に、紛争地から遠く離れた日本で、より多くの方々に関心を持ってもらえるように、紛争地の子どもたちの声を広げるためにできることを考えていきたいと思います。
(執筆:セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー室インターン/SWOCユース石井未来)