第4回学校保護宣言国際会議:300人の子どもたちが世界のリーダーたちに、学校を攻撃から守るよう訴えます

世界10ヶ国300人の子どもたちにより執筆された「子どもたちのマニフェスト」が、2021年10月25日から27日にかけてナイジェリアで開催される第4回学校保護宣言に関する国際会議に合わせて発表されました。
今回の国際会議は、世界で最も教育への攻撃が多い地域であるアフリカで初めて開催されます。会議では、子どもたちは各国からの政府代表などに、軍隊の学校への立ち入りを禁止することや、通学路に地雷や爆発物が置かれないようにすることなどを求めています。



この会議は、セーブ・ザ・チルドレンが加盟している「教育を攻撃から守るための世界連合(Global Coalition to Protect Education from Attack: GCPEA)」が、アフリカ連合やノルウェー、スペイン、アルゼンチンの各政府と協力して開催するものです。
「子どもたちのマニフェスト」には、子どもたちが学校で脅迫や暴力に晒されている様子が克明に描かれ、これらの暴力に対して子どもたちが抱く強い恐怖に焦点があてられています。

マニフェストの中で、子どもたちは次のように書いています。  

子どもたちは恐怖を感じています。軍隊が学校に来て、子どもたちを捕まえたり、実弾やゴム弾を撃ち込んだり、催涙ガスが使われたりするときに。

子どもたちは恐怖を感じています。学校に避難所がなかったり、学校が全員を守れるほどの大きさでなかったりするときに。

子どもたちは恐怖を感じています。学校や家の窓の外を軍用機が通ったり、爆発音や銃声が聞こえたりするときに。

子どもたちは恐怖を感じています。教育機関が軍事目的で使用され、少年少女や教員、教務職員が常に危険に晒されているときに。


GCPEAが先月発表したデータによると、教育への攻撃や学校・大学の軍事利用は、2020年に全世界で約3割増加しました。   

暴力から逃げるしかなかった子どもたちが、その後、学校に戻るまでに数ヶ月がかかってしまうこともあります。そのような子どもたちの1人にマハマンさんがいます。  

マハマンさんは、紛争のために両親と一緒にマリを離れましたが、両親はその直後に亡くなりました。彼は、学校にとても行きたかったのですが、1ヶ月間も学校に行けない状況が続き、悩み、苦労していました。  
”私は(避難先の)ニジェールの学校に登録するための書類を持っていなかったので、登録の手続きがとても難しかったです。私が手続きを少しでも理解をしていたので、(ニジェールの首都の)ニアメに4回も書類を取りに行きました。”
 
セーブ・ザ・チルドレン・ノルウェー事務局長であるブリジッタ・ランゲは次のように述べています。  
”『子どもたちのマニフェスト』によると、残虐で長期にわたる攻撃によって、子どもたちは身体的に傷つくだけではなく、精神的にも傷つけられていることがわかります。多くの子どもたちにとって、学校が安全な学びの場から、恐怖を感じる恐ろしい暴力の場に変わってしまったことは、受け入れがたいことです。セーブ・ザ・チルドレンが発表したサヘル地域に関する報告書でも、武装グループへの勧誘がこの地域で増加しており、憂慮すべき事態にあることが示されています。こうした状況と、学校の閉鎖や学校や教師への攻撃との間には明確な関連性が見られます。 ”

学校保護宣言は、武力紛争の最悪の影響から生徒や教員、学校・大学を守るための政府間の政治的な約束です。これまでに112ヶ国がこの宣言を承認しています。 
セーブ・ザ・チルドレンは、学校保護宣言にまだ賛同していない国に賛同することを呼びかけ、それらの国が予算措置を伴う実施計画の策定を含め、宣言で約束されていることを十分に実施することを求めています。

2015年にオスロで学校保護宣言が発表されて以降、セーブ・ザ・チルドレンは学校保護のためのプログラムを通して、学校内や学校周辺のあらゆる危険から子どもたちの安全を守り、各国政府が公約を実践することを支援してきました。 

「子どもたちのマニフェスト」全文(英語)はこちらからご覧いただけます。 
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