(公開日:2021.11.09)
【ウガンダ コンゴ民主共和国難民支援】地域の「子どもの保護委員会」とともに、難民の子どもたちを暴力や虐待から守る
- ウガンダ
セーブ・ザ・チルドレンは、2019年5月より、コンゴ民主共和国からウガンダに避難している難民の子どもや青少年を暴力や虐待、搾取などから守るための支援(子どもの保護)を継続して実施しています。今回は、地域の人々が協力して子どもたちを暴力や虐待から守り、生活環境の改善をサポートしたケースを紹介します。
今回話を聞かせてくれたジェーンさん
地域の人たちが協力して建てた新しい住まい
「暴力などによらない子育て」について研修を受ける子どもの保護委員会のメンバーたち(2020年9月)
今回話を聞かせてくれたジェーンさん
ジェーンさん(16歳)は、祖国であるコンゴ民主共和国(DRC)で紛争に巻き込まれ、両親とほかのきょうだいを失くし、残された兄と2人で、2012年にウガンダに逃れてきました。避難する途中で、ウガンダに逃れていた祖父母を見つけ、4人でウガンダ西部の難民居住区で避難生活を始めました。
しかし、避難生活が8年以上続く中で、祖父母の間ではけんかが絶えず、祖父はアルコールに依存するようになり、祖母は夜間も不在であることが多くなっていきました。また、祖父母は借金があり、その返済に追われ、子どもたちは次第に食事を準備しなくなったり、祖父は子どもたちに暴力をふるうようになりました。
それを見た地域の人が仲裁しようとしたところ、祖父は捕まることを恐れたのかDRCに戻ってしまい、祖母もそれを追って、ジェーンさんと兄を残したままウガンダを離れてしまいました。そのため、子どもたちは保護者を失い、次第に路上で食べ物を通行人に求めたり、盗みをしたりして生活の糧を得るようになりました。
子どもたちが暴力や虐待などから守られ、健やかに成長できるよう地域で見守り役をしているボランティア組織の「子どもの保護委員会」は、この子どもたちの状況にいち早く気がつき、セーブ・ザ・チルドレンのケースワーカーに相談しました。
ケースワーカーは、近隣で子どもたちの養育を一時的に担ってくれる家庭を見つけたり、子どもたちが食料を受給できるよう配給カードの手配を行ったりしました。さらに、最低限の生活環境が整えられるよう、セーブ・ザ・チルドレンと協力して子どもたちの衣類や衛生用品、蚊帳、緊急食料を支援しました。加えて、子どもたちは劣悪な環境で暮らしていたため、難民グループの代表や近隣の住民などが協力して、れんがとトタン屋根でできたシェルターの設置も行いました。
しかし、避難生活が8年以上続く中で、祖父母の間ではけんかが絶えず、祖父はアルコールに依存するようになり、祖母は夜間も不在であることが多くなっていきました。また、祖父母は借金があり、その返済に追われ、子どもたちは次第に食事を準備しなくなったり、祖父は子どもたちに暴力をふるうようになりました。
それを見た地域の人が仲裁しようとしたところ、祖父は捕まることを恐れたのかDRCに戻ってしまい、祖母もそれを追って、ジェーンさんと兄を残したままウガンダを離れてしまいました。そのため、子どもたちは保護者を失い、次第に路上で食べ物を通行人に求めたり、盗みをしたりして生活の糧を得るようになりました。
子どもたちが暴力や虐待などから守られ、健やかに成長できるよう地域で見守り役をしているボランティア組織の「子どもの保護委員会」は、この子どもたちの状況にいち早く気がつき、セーブ・ザ・チルドレンのケースワーカーに相談しました。
ケースワーカーは、近隣で子どもたちの養育を一時的に担ってくれる家庭を見つけたり、子どもたちが食料を受給できるよう配給カードの手配を行ったりしました。さらに、最低限の生活環境が整えられるよう、セーブ・ザ・チルドレンと協力して子どもたちの衣類や衛生用品、蚊帳、緊急食料を支援しました。加えて、子どもたちは劣悪な環境で暮らしていたため、難民グループの代表や近隣の住民などが協力して、れんがとトタン屋根でできたシェルターの設置も行いました。
地域の人たちが協力して建てた新しい住まい
また、ジェーンさんは、セーブ・ザ・チルドレンが実施する、学校を中退してしまった9歳から17歳の子ども向け教育促進プログラムに参加し、19歳の兄は、青少年向けのライフスキル研修に参加することになりました。
ジェーンさんと彼女の兄は、現在、安全な住まいに暮らし、食料配給も受けられるようになり、教育や就労支援を受けながら生活を送れるようになりました。
ジェーンさんは、こう述べています。
「私たちは食べるものを探して村を歩き回る生活でした。そんなとき、近所の人が私たちのことを子どもの保護委員会に連絡してくれました。それで、自分たちが抱えている問題をその子どもの保護委員会の人に話しました。それから、食料や生活品、蚊帳などを支援してくれました。私たちは今にも壊れそうな小屋に住んでいましたが、新しく住むための場所も支援してくれました。」
また、ジェーンさんのお兄さんは、「私とジェーンは家族を殺され、両親を亡くし、ウガンダに来ました。寝るためのマットもなく、古びた住まいでひどい状況の中で暮らしていました。地域の人たちとセーブ・ザ・チルドレンが、そうした私たちの生活状況を見つけ、助けてくれました。本当に感謝しています。」と話してくれました。
長期化する難民生活や、新型コロナウイルス感染症といった新たな公衆衛生の危機により、難民の子どもたちは、さらなる脆弱な状況に追いやられています。
セーブ・ザ・チルドレンは、これらの課題に対応するため、地域の力を活用しながら子どもたちの健やかな成長を見守っていけるよう、地域住民を主体とした「子どもの保護委員会」の設置や能力強化などを通して、子どもの保護を取り巻くシステムの構築や強化にこれからも取り組んでいきます。
ジェーンさんと彼女の兄は、現在、安全な住まいに暮らし、食料配給も受けられるようになり、教育や就労支援を受けながら生活を送れるようになりました。
ジェーンさんは、こう述べています。
「私たちは食べるものを探して村を歩き回る生活でした。そんなとき、近所の人が私たちのことを子どもの保護委員会に連絡してくれました。それで、自分たちが抱えている問題をその子どもの保護委員会の人に話しました。それから、食料や生活品、蚊帳などを支援してくれました。私たちは今にも壊れそうな小屋に住んでいましたが、新しく住むための場所も支援してくれました。」
また、ジェーンさんのお兄さんは、「私とジェーンは家族を殺され、両親を亡くし、ウガンダに来ました。寝るためのマットもなく、古びた住まいでひどい状況の中で暮らしていました。地域の人たちとセーブ・ザ・チルドレンが、そうした私たちの生活状況を見つけ、助けてくれました。本当に感謝しています。」と話してくれました。
長期化する難民生活や、新型コロナウイルス感染症といった新たな公衆衛生の危機により、難民の子どもたちは、さらなる脆弱な状況に追いやられています。
セーブ・ザ・チルドレンは、これらの課題に対応するため、地域の力を活用しながら子どもたちの健やかな成長を見守っていけるよう、地域住民を主体とした「子どもの保護委員会」の設置や能力強化などを通して、子どもの保護を取り巻くシステムの構築や強化にこれからも取り組んでいきます。
「暴力などによらない子育て」について研修を受ける子どもの保護委員会のメンバーたち(2020年9月)
本事業は、皆様からのご寄付と、ジャパン・プラットフォームからのご支援により実施しています。
(海外事業部 藤井麻衣子)
(海外事業部 藤井麻衣子)