(公開日:2021.11.12)
【世界肺炎デー】アフリカで肺炎予防のワクチン接種率が低下-過去4年で初めて
- アドボカシー
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による定期的な予防接種の減少と医療用酸素の需要増加により、アフリカでは小児肺炎予防のための取り組みに遅れがでており数千人の子どもたちの命が危険に晒されています。
南スーダンに暮らすニャルークさん(3歳)は肺炎の治療を受け回復した
世界では未だに毎日2,000人の子どもたちが肺炎により犠牲になっています。にもかかわらず、2020年、アフリカで肺炎球菌ワクチン(PCV)とヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Hib)[1]を接種した子どもの人数は減少しました。肺炎は、新型コロナウイルス感染症やその他の病気から併発する可能性がある疾患で、依然として子どもの死亡原因の第1位であり、年間約25万人が犠牲になっています[2]。2020年以前より、肺炎による子どもの死亡率は、他の主要な子どもの死亡原因よりも、減少率が低い傾向が見られました。
昨年1年間は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により保健医療サービスの利用や予防接種の活動が制限されたため、予防接種サービスの混乱が広がりました。加えて、夜間外出禁止令や、公共交通機関の運行停止、ワクチンに関する誤った情報が広がったことなども、本来必要なワクチン接種に負の影響を及ぼすことになりました。
一方、世界の5歳未満の子どものうち20%が暮らすインドネシアとインドの2ヶ国では、2021年に肺炎球菌ワクチン(PCV)が、国の定期予防接種に含まれることになりました[3]。両国とも、その開始時期は地域によって異なるものの、今回の取り組みは、すべての子どもたちがワクチンを受けられるようになるための大きな一歩です。
ワクチン接種率の低下に加えて、過去12ヶ月間で、すべての低・中所得国において新型コロナウイルス感染症の治療に必要な酸素の需要が3倍以上に増加し、多くの国で不足が生じています。医療用酸素は、重度の肺炎を患う子どもたちにとって重要な治療手段でもあります。新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、低・中所得国では、毎年420万人の子どもたちが重度の肺炎にり患し、治療のために医療用酸素を必要としていました。
南スーダンに暮らすニャルークさん(3歳)は、肺炎の治療を受け回復しました。姉のアカイさんが妹を3時間かけて治療センターまで運びました。アカイさんは次の通り話します。
「誰も妹の衣類を洗濯したり、お風呂に入れたりしないため病気になってしまうのです。治療センターに連れてきたときは、泣くような咳をしていました。薬を飲むと落ち着いてきてその晩はよく眠っていました。」
肺炎は不平等が究極的な原因となる疾患です。予防や治療が可能な病気であるにもかかわらず、毎日多くの子どもたちが肺炎で命を落としているのは、ワクチンや酸素などの必要な治療が受けられないからに他なりません。国際社会として、新型コロナウイルス感染症に対してさまざまな措置を講じてきたのと同じように、緊急性、革新性、そして強い決意を、肺炎により犠牲になる子どもが一人いない世界の実現のためにも活かし、この予防可能で治療可能な病気から子どもたちの命を守らなければなりません。
昨年1年間は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により保健医療サービスの利用や予防接種の活動が制限されたため、予防接種サービスの混乱が広がりました。加えて、夜間外出禁止令や、公共交通機関の運行停止、ワクチンに関する誤った情報が広がったことなども、本来必要なワクチン接種に負の影響を及ぼすことになりました。
一方、世界の5歳未満の子どものうち20%が暮らすインドネシアとインドの2ヶ国では、2021年に肺炎球菌ワクチン(PCV)が、国の定期予防接種に含まれることになりました[3]。両国とも、その開始時期は地域によって異なるものの、今回の取り組みは、すべての子どもたちがワクチンを受けられるようになるための大きな一歩です。
ワクチン接種率の低下に加えて、過去12ヶ月間で、すべての低・中所得国において新型コロナウイルス感染症の治療に必要な酸素の需要が3倍以上に増加し、多くの国で不足が生じています。医療用酸素は、重度の肺炎を患う子どもたちにとって重要な治療手段でもあります。新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、低・中所得国では、毎年420万人の子どもたちが重度の肺炎にり患し、治療のために医療用酸素を必要としていました。
南スーダンに暮らすニャルークさん(3歳)は、肺炎の治療を受け回復しました。姉のアカイさんが妹を3時間かけて治療センターまで運びました。アカイさんは次の通り話します。
「誰も妹の衣類を洗濯したり、お風呂に入れたりしないため病気になってしまうのです。治療センターに連れてきたときは、泣くような咳をしていました。薬を飲むと落ち着いてきてその晩はよく眠っていました。」
肺炎は不平等が究極的な原因となる疾患です。予防や治療が可能な病気であるにもかかわらず、毎日多くの子どもたちが肺炎で命を落としているのは、ワクチンや酸素などの必要な治療が受けられないからに他なりません。国際社会として、新型コロナウイルス感染症に対してさまざまな措置を講じてきたのと同じように、緊急性、革新性、そして強い決意を、肺炎により犠牲になる子どもが一人いない世界の実現のためにも活かし、この予防可能で治療可能な病気から子どもたちの命を守らなければなりません。
[1] Percentage of surviving infants who received the third dose of Hib-containing vaccine in Africa decreased from 73% coverage in 2017, 2018 and 2019, to 72% in 2020; Percentage of surviving infants who received the third dose of pneumococcal conjugate-containing vaccine (PCV) decreased to 68% in 2020 from 70% in 2019 and 69% in 2018 and 2017 (Source: UNICEF Data Warehouse accessed 04/11/2021)
[2] WHO Maternal Child Epidemiology Estimation (WHO-MCEE) 2018.
[3] India introduced PCV in 2017 for 5 selected states, but expanded PCV vaccine to all states in 2021. Indonesia agreed to the national routine in 2021, and will commence rollout in 2022.
[2] WHO Maternal Child Epidemiology Estimation (WHO-MCEE) 2018.
[3] India introduced PCV in 2017 for 5 selected states, but expanded PCV vaccine to all states in 2021. Indonesia agreed to the national routine in 2021, and will commence rollout in 2022.