【活動報告】災害時の子ども支援について講演-大阪府吹田市主催「防災・減災シンポジウム」

セーブ・ザ・チルドレンは、大阪府吹田市と2021年9月に「災害に強いまちづくりにおける連携協定」を締結し、災害が起きた際の連携と、災害に対する予防活動を協働で進めています。

今回はその一環として、2022年1月17日に吹田市が主催した「防災・減災シンポジウム」で、国内事業部緊急対応チームのスタッフが登壇し、災害時の子ども支援について講演を行いました。



このシンポジウムは、吹田市が取り組む地域防災リーダーに対する研修として行われ、災害時に避難所の運営に携わる地域の人たちと同市役所職員など、約50人が参加しました。また、会場には、セーブ・ザ・チルドレンの活動について知ってもらうために、資料やパネルが展示されました。
 


【吹田市地域防災計画への働きかけ】
シンポジウムでは、はじめに、吹田市危機管理室から2021年12月に改訂のあった地域防災計画についての報告がありました。
セーブ・ザ・チルドレンも同市地域防災委員の一員を務めており、昨年行われた地域防災計画の改訂の際には、吹田市の防災や避難所の運営に対して子どもの意見を聴く機会を確保するよう、働きかけを行いました。


 写真:子どもと一緒に取り組みたい防災活動について考える参加者

【災害時の子ども支援のために平時から取り組める4つの提案】
講演では、「災害時における子どもを取り巻く課題と解決策」と題し、セーブ・ザ・チルドレンが実施した過去の災害支援から、災害後に子どもたちが置かれた状況やそうした子どもに必要な支援について発表しました。また、災害時の子ども支援のために平時から取り組めることとして次の4点を提案しました。

(1)避難所に設置する子どもの居場所の準備
(2)子どもに害を与えない支援を行うための準備(支援者向け研修の実施など)
(3)子どもが防災に参加できる機会を平時からつくること
(4)子どもと取り組む防災活動


講演の最後には、これらの提案をもとに、吹田市で子どもと一緒に取り組む防災活動や緊急時の備えについて参加者が行いたいと思うことなどの意見を募りました。

 
写真:セーブ・ザ・チルドレンの提案に対する吹田市の取り組みの紹介

【子どもと一緒に取り組みたい防災活動】
参加者からあがった子どもと一緒に取り組みたい防災活動の中には、「子どもとの地域防災マップづくり」や「避難所のレイアウトや子どもスペース、そこには何が必要かなど、検討メンバーに小学生が参加し、ともに考える」、「災害時に自分の身を守る行動について、子どもと一緒に考える機会を持ちたい」など、さまざまなアイデアがありました。

 
写真:パネルディスカッションに参加するセーブ・ザ・チルドレンのスタッフと吹田市危機管理室長

最後のパネルディスカッションでは、吹田市危機管理室長とともに、実際に避難所を運営する上での注意点や、セーブ・ザ・チルドレンからの提案に対して吹田市が取り組んでいることや今後取り組むべきことについて、参加者からあがったアイデアを取り上げながら意見交換を行いました。

今回のシンポジウムでは、連携協定に基づく活動の第一歩として、子どもの権利に基づいた防災・災害時の子ども支援について吹田市の皆さんとともに考えました。今後は、吹田市の子どもたちの声を地域の皆さんとともに聴き、災害対策や防災活動へ反映できるような活動を進めていきます。


(国内事業部 山田 心健)
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