【ウガンダ】世界最長の休校期間-子どもたちの中退を防ぐための学習プログラム

2022年1月10日に、ウガンダでは世界最長の休校期間が終わり子どもたちは復学しました。セーブ・ザ・チルドレンは、迅速な対策を講じなければ、中退率が高くなる可能性があると指摘します。


2020年3月に新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、ウガンダでは全国すべての学校が休校となりました。その後も学校を完全または部分的に休校にする措置を取り続けてきたため、83週間教育を受けることができなかった子どもたちもいます。

昨年11月、私たちは、ウガンダを含む脆弱な国に暮らす子どもの5人に1人が、新型コロナウイルス感染症流行に伴う貧困や児童婚、児童労働の増加により学校を中退したことを明らかにしました。学習が中断された子どもたちは、その期間の学びを取り戻すための補習の機会がないことを恐れ、中退の「第2波」が起こると懸念されています。

こうした教育危機の状況を受けて、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが復学できるよう、「キャッチアップクラブ」という学習プログラムを立ち上げました。 このクラブでは、子どもたちの学力を測定し、識字能力や休校期間の学習内容を取り戻すために補習の場を 設けることに加え、子どもたちの家族に、現金給付などの支援も提供します。このクラブでは、比較的容易に学習スピードがあがる3年生から5年生の子どもたちを対象としています。 約12週間が経つと、参加者の少なくとも80%が、自主的に学習するために必要な読み書きができるようになります。

休校期間中、オンラインを活用した遠隔教育の促進に向けた取り組みもなされた一方で、多くの子どもたちは、パソコンがなかったりインターネット接続が不十分であったりしたため、オンライン授業を受けることができませんでした。

ウガンダのワキソ県で「キャッチアップクラブ」に参加するベンさん(11歳)は、留年や中退を避けるために必要な支援を受けており、次のように話します。
「キャッチアップクラブに参加する前は、文字の発音や読み方を示すフォニックスの活用方法がわかりませんでした。そのため、本で読んでいるだけだと、長い単語の読み方がわからなくて混乱していました。でも、ゲームや歌で、長い単語の発音や読み方を学ぶことができ、今では、宿題や読書で見つけたときはいつでも、長い単語を理解できるようになりました。」

セーブ・ザ・チルドレン ウガンダ事務所の教育事業ヘッド エジソン・ヌスブガは次のように訴えます。
「学校が全国で再開し始めているため、すべての子どもたちが復学するために必要な支援が利用できるようになることが重要です。
新型コロナウイルス感染症の大流行により、多くの子どもたちが学校での学習を中断されました。学習の中断は子どもたちが本来備えている能力が活かされる可能性を低くしますが、子どもたちが質の高い教育を受けられるようになると、本来の能力を最大限に発揮することにつながります。

キャッチアップクラブは、コミュニティ全体に利益をもたらす教育への包括的なアプローチです。学校の大部分が2年近く休校している状況下において、このクラブは多くの子どもたちにとって必要不可欠でした。クラブがなかったら、学校に復学できない子どもたちもいたかもしれません。」

セーブ・ザ・チルドレンは、ウガンダの教育・スポーツ省と連携し、全国の家族に対して、妊娠中の少女や10代の母親を含む子どもたちが復学できるよう取り組みを進めています。また、ウガンダとコロンビアに加えて、私たちは、ミャンマーやマラウイ、バングラデシュ、コンゴ民主共和国、ナイジェリアでキャッチアップクラブを立ち上げる予定です。さらに多くの国も含め、2022年末までに100万人以上の子どもたちに支援を届けることを目指して活動を続けています。

セーブ・ザ・チルドレンは、ウガンダに限らず世界各国で学校が再開するにあたり、各国政府、支援者や支援組織などに対し、すべての子どもの復学をサポートし、また家庭や教師が休校中の学びを取り戻すし、より良い、よりレジリエンス(回復力)のある教育システムを構築するよう要請します。また、再び休校になったとしても、各国が、包括的な遠隔教育を通じて学習を存続させるよう求めています。
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