【イエメン】毎時1人が負傷-2018年以降最悪の状況

イエメンでは、2022年1月に、1時間に約1人の市民が犠牲になるか負傷した計算となり、2018年に起こった大規模な戦闘以降、最も多くの人たちが犠牲となった月でした。


イエメン、タイズの保健センターで治療をうける10ヶ月の子ども

2022年1月6日から2月2日にかけて、15人の子どもたちと200人以上の大人が死亡し、30人の子どもたちと354人の大人が負傷しました。すべての死傷者をあわせると599人にのぼりますが実際の人数はさらに多いと考えられます。今年1月の死傷者数は2021年の月毎の平均死傷者数(209人)の3倍近くになっています[1]

昨年10月には、国連人権理事会は、同国における戦争犯罪を調査する専門家の任務終了を決議し、この決定以降、死傷者は急増しています[2]

セーブ・ザ・チルドレン イエメン事務所長ジリアン・モイーズは次の通り訴えます。
「イエメンの子どもたちは長い間、紛争の矢面に立たされ、その苦しみや困難は国際社会の沈黙と無視によって、さらに深刻なものになっています。しかし、これ以上の黙認は許されず、子どもたちやその家族の犠牲や負傷は、決して許されるものではありません。

1月に起こった戦闘の激化により、市民に死傷者が出たほか、保健医療施設や学校、通信インフラ、刑務所、水道施設などに大きな被害がでました。そして、すでに脆弱な状況に置かれたイエメンに暮らす人たちの状況を悪化させ、支援を必要とする地域へのアクセスを困難にしています。」

セーブ・ザ・チルドレンは、すべての紛争当事者に対し、国際人権法および国際人道法に基づく義務を順守し、現在起こっている暴力の恐怖から市民と、生活に必要不可欠なインフラを守るよう要請します。また、爆発性兵器の使用は、市民、特に子どもたちに深刻な被害を及ぼす危険があるため人口密集地での使用を制限し、市民やインフラへの影響を減らすための実質的な措置を直ちに講じるよう求めます。

私たちは、1963年からイエメンで子ども支援を行っており、教育、子どもを暴力から守るための支援(子どもの保護)、保健・栄養、水と衛生、緊急・人道支援などの分野で活動を行っています。


[1] Numbers courtesy of the Civilian Impact Monitoring Project: https://civilianimpactmonitoring.org/reports 

[2] More than 900 civilians were killed and injured in the conflict in the last three months of 2021, compared to 500 in the previous three months before the discontinuation of the mandate of the Group of Eminent Experts.  
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