【ウクライナ危機】国内で子ども600万人が深刻な危機に直面-学校や病院への攻撃

ウクライナ国内で病院や学校への攻撃が増加しているなか、国内から避難できずにいる最大600万人の子どもたちが深刻なリスクに晒されています。



ウクライナからルーマニアに避難してきた家族

ウクライナ都市部では繰り返し攻撃が行われており、以前は安全に歩行できた道にがれきが散乱しています。少なくとも学校464校と病院43ヶ所が被害を受けています。

戦闘が激しくなるなか、ウクライナ国内から避難した子どもは150万人以上にのぼり、少なくとも5人に1人の子どもたちが国外へ避難したことになります。

しかし、国内には600万人近くの子どもたちがおり、その多くが、戦闘が続く地域で避難生活を送っていると考えられています。子どもたちはけがをしたり、死亡するリスクに晒されているほか、食料や安全な水を得たり、保健医療の利用も難しい状況にあります。

包囲された都市マリウポリでは、2022年3月16日に、子どもを含む数百人が避難していた劇場とプールが攻撃されました。翌3月17日には、ハリコフ近郊の学校とコミュニティセンターが空爆され、3月18日には少なくとも21人が死亡したと報道されています。

このまま戦闘が継続すれば、特に人口の多い地域で学校や病院などの生活に必要不可欠な施設への被害が増加する恐れがあります。現在、戦闘が活発な地域や軍隊が多く駐留する地域には300以上の医療施設があり、さらに600の施設が戦闘地域から10km以内に位置しています。

世界保健機関(WHO)によると、今年、全世界における保健医療施設などへの攻撃の約半数がウクライナで起こっています。軍が保健施設を攻撃し続ければ、ウクライナにいまも暮らしている数千人もの子どもや妊娠中の女性が、命に係わる保健医療を利用できなくなります。

セーブ・ザ・チルドレン ウクライナ事務所の代表ピート・ウェルシュは次の通り訴えます。
「ウクライナでの戦闘が始まってから1ヶ月が経とうとしているいま、ウクライナ国内にいる600万人にのぼる子どもたちが、依然として深刻な危険に晒されています。激しい攻撃により、全国で460校以上の学校が被害を受け、60校以上が完全に廃墟と化しているとの報告に、私たちは大きな危機感を感じています。学校は子どもたちにとって安心・安全な場所であるべきで、恐怖やけが、死をもたらす場所であってはなりません。

ウクライナの町は戦場と化しています。国連によると、激化する暴力により、すでに少なくとも59人の子どもがすでに犠牲になっており、報道では、その人数は100人にのぼるとも言われています。

国際人道法や国際法上、子どもは攻撃の対象ではなく、病院や学校も同様に対象ではありません。ウクライナの子どもたちを何としても守らなければなりません。この戦争が終わるまで、あと何人の命が失われればいいのでしょうか。」

戦闘が継続するなか、国際人道法の下で保護されている学校や病院を含む市民や民間施設を守るために必要な、すべての予防措置を講じる国際的な法的義務があります。

締約国は、学校や生徒、教員を守り、教育施設の軍事的利用を行ってはなりません。また、人口密集地での爆発性兵器の使用は、市民、特に子どもたちに深刻な被害を及ぼす危険があるため避けなければなりません。現在までに、こうした攻撃により多くの市民が被害を受けています。

セーブ・ザ・チルドレンは、2014年からウクライナで活動を行い、子どもたちやその家族に不可欠な人道支援として、教育や、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)、越冬支援の実施や衛生用品キットの提供をしてきました。また、食料、家賃、薬の購入といった生活に最低限必要な支出をサポートし、新しい収入源を得られるように、現金の支援も行ってきました。

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