(公開日:2022.07.22)
【報告】第6回 災害時の連携を考える全国フォーラム(オンライン)に参加しました
- 日本/国内災害
2022年5月12、13日に、災害時の連携を考える全国フォーラム(主催:NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(Japan Voluntary Organizations Active in Disaster: JVOAD)がオンラインで開催されました。
このフォーラムは、日本のどこで災害が起きても支援の「もれ・むら」がなく、必要な支援を効果的に届けるための取り組みを中心に、「地域(エリア)」・「分野(テーマ)」・「備え(つながり)」を柱に、分科会や全体会を通して最新の動向について学び、多様な団体や個人が連携することで、災害対応力の強化につなげていくことを目的としています。
セーブ・ザ・チルドレンは、他団体と共同で、「災害時の子どもの居場所の作り方~遊びと学びを通した子どものこころのケアのため~」研修と、「これだけは知っておきたい災害時の子ども支援28の基本(人道行動における子どもの保護の最低基準)」研修を実施しました。今回はその際の内容や、参加者の声などを報告します。
■「災害時の子どもの居場所のつくり方~遊びと学びを通した子どものこころのケアのために~」企画:災害時の子どもの居場所(CFS)協議会
「子どもにやさしい空間(Child Friendly Spaces:CFS)」は、災害時、子どもたちが安心・安全に過ごし、日常を取り戻すことができる場所を指します。内閣府が定める避難所運営ガイドラインでは「キッズスペース」と呼ばれているこのCFSについて、セーブ・ザ・チルドレンは、その普及啓発を目的として他の子ども支援団体とともに2021年に「災害時の子どもの居場所(CFS)協議会」を立ち上げました。
今回はその活動の一環として、分科会でCFSの設置準備から運営実施に関する留意点やポイントを関連資料とともに紹介した後、参加者からの質問を受け付け、その回答や意見交換を行いました。
準備段階では、CFS協議会で作成した「緊急時子どもの居場所運営チェックリスト準備編」に沿って、CFSの準備時に必要なポイントなどの説明を行い、続く実施段階では、CFSオープン前の準備から子どもたちが帰った後の片付けや振り返りまで1日のスケジュールに沿って、過去の事例とともに留意点を紹介しました。その他、CFSでの活動を終了あるいは他団体に引き継ぐ時のポイントや、「緊急時子どもの居場所運営チェックリスト実施編」を使っての説明も行い、最後には、CFSを実践する上で役に立つ参考資料などを紹介しました。
分科会には、主に、災害支援や防災に関わるNGO / NPO などの市民団体の関係者などが参加し、CFSについて知らない参加者からも「CFSについてはじめて聞いた。子どもは後回しにされやすい存在なので、こういう働きがあることに安心した。」とのコメントが寄せられました。
今後は、分科会で報告した研修内容を動画にまとめて広く公開していくとともに、オンラインで研修を行い、引き続きCFSの理解促進を進めていきます。
■これだけは知っておきたい災害時の子ども支援「28の基準」(人道行動における子どもの保護の最低基準)企画:災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワーク
セーブ・ザ・チルドレンは、災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワークのメンバーとして、人道支援団体や子ども支援団体と協力しながら「人道行動における子どもの保護の最低基準」の普及を行ってきました。
被災後、子どもたちが危険にさらされることなく安心・安全に過ごせるために、支援者はどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。
分科会参加者は、2021年に発行された「人道行動における子どもの保護の最低基準(第2版)」をもとに、災害時に子どもを守る大切さを理解するために支援関係者が知っておくべき28の基準をレクチャーとグループワークを通して学びました。
紛争や暴動などの人的災害や洪水、津波などの自然災害は、子どもの生活に壊滅的な影響をもたらします。こうした危機的状況下において、保健・食料・避難所支援だけではなく、子どもへの虐待や暴力の予防・対応といった「子どもの保護」も重要です。
子どもの保護とは、「子どもに対する虐待、ネグレクト、搾取および暴力を予防し、対処すること」を指し、支援団体は、虐待や搾取などのリスクから子どもたちを守るだけではなく、子どもたちが持つ「困難な状況に対してうまく適応し乗り越えていく力」(回復力)を強化していく必要があります。
そのためには、支援団体間で互いに連携をとりつつ、子どもを取り巻くリスクや子どものニーズを的確に把握し、子ども、家族、地域間の良好な関係を支援することが求められます。
近年、風水害の頻発による被害の広範囲化が進み、災害時の緊急支援活動は、行政や関係団体との連携が欠かせません。セーブ・ザ・チルドレンでは引き続き、CFS協議会や災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワークともに、緊急時でも子どもに適切な支援を届けるよう平時から備えを強化していきます。
(報告:国内事業部 中川千明)
このフォーラムは、日本のどこで災害が起きても支援の「もれ・むら」がなく、必要な支援を効果的に届けるための取り組みを中心に、「地域(エリア)」・「分野(テーマ)」・「備え(つながり)」を柱に、分科会や全体会を通して最新の動向について学び、多様な団体や個人が連携することで、災害対応力の強化につなげていくことを目的としています。
セーブ・ザ・チルドレンは、他団体と共同で、「災害時の子どもの居場所の作り方~遊びと学びを通した子どものこころのケアのため~」研修と、「これだけは知っておきたい災害時の子ども支援28の基本(人道行動における子どもの保護の最低基準)」研修を実施しました。今回はその際の内容や、参加者の声などを報告します。
■「災害時の子どもの居場所のつくり方~遊びと学びを通した子どものこころのケアのために~」企画:災害時の子どもの居場所(CFS)協議会
「子どもにやさしい空間(Child Friendly Spaces:CFS)」は、災害時、子どもたちが安心・安全に過ごし、日常を取り戻すことができる場所を指します。内閣府が定める避難所運営ガイドラインでは「キッズスペース」と呼ばれているこのCFSについて、セーブ・ザ・チルドレンは、その普及啓発を目的として他の子ども支援団体とともに2021年に「災害時の子どもの居場所(CFS)協議会」を立ち上げました。
今回はその活動の一環として、分科会でCFSの設置準備から運営実施に関する留意点やポイントを関連資料とともに紹介した後、参加者からの質問を受け付け、その回答や意見交換を行いました。
準備段階では、CFS協議会で作成した「緊急時子どもの居場所運営チェックリスト準備編」に沿って、CFSの準備時に必要なポイントなどの説明を行い、続く実施段階では、CFSオープン前の準備から子どもたちが帰った後の片付けや振り返りまで1日のスケジュールに沿って、過去の事例とともに留意点を紹介しました。その他、CFSでの活動を終了あるいは他団体に引き継ぐ時のポイントや、「緊急時子どもの居場所運営チェックリスト実施編」を使っての説明も行い、最後には、CFSを実践する上で役に立つ参考資料などを紹介しました。
分科会には、主に、災害支援や防災に関わるNGO / NPO などの市民団体の関係者などが参加し、CFSについて知らない参加者からも「CFSについてはじめて聞いた。子どもは後回しにされやすい存在なので、こういう働きがあることに安心した。」とのコメントが寄せられました。
今後は、分科会で報告した研修内容を動画にまとめて広く公開していくとともに、オンラインで研修を行い、引き続きCFSの理解促進を進めていきます。
■これだけは知っておきたい災害時の子ども支援「28の基準」(人道行動における子どもの保護の最低基準)企画:災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワーク
セーブ・ザ・チルドレンは、災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワークのメンバーとして、人道支援団体や子ども支援団体と協力しながら「人道行動における子どもの保護の最低基準」の普及を行ってきました。
被災後、子どもたちが危険にさらされることなく安心・安全に過ごせるために、支援者はどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。
分科会参加者は、2021年に発行された「人道行動における子どもの保護の最低基準(第2版)」をもとに、災害時に子どもを守る大切さを理解するために支援関係者が知っておくべき28の基準をレクチャーとグループワークを通して学びました。
紛争や暴動などの人的災害や洪水、津波などの自然災害は、子どもの生活に壊滅的な影響をもたらします。こうした危機的状況下において、保健・食料・避難所支援だけではなく、子どもへの虐待や暴力の予防・対応といった「子どもの保護」も重要です。
子どもの保護とは、「子どもに対する虐待、ネグレクト、搾取および暴力を予防し、対処すること」を指し、支援団体は、虐待や搾取などのリスクから子どもたちを守るだけではなく、子どもたちが持つ「困難な状況に対してうまく適応し乗り越えていく力」(回復力)を強化していく必要があります。
そのためには、支援団体間で互いに連携をとりつつ、子どもを取り巻くリスクや子どものニーズを的確に把握し、子ども、家族、地域間の良好な関係を支援することが求められます。
近年、風水害の頻発による被害の広範囲化が進み、災害時の緊急支援活動は、行政や関係団体との連携が欠かせません。セーブ・ザ・チルドレンでは引き続き、CFS協議会や災害時に子どもを守る最低基準(CPMS)推進ネットワークともに、緊急時でも子どもに適切な支援を届けるよう平時から備えを強化していきます。
(報告:国内事業部 中川千明)