(公開日:2022.09.22)
やってみたいをかたちに!夏の思い出をつくろう-夏休み体験プログラムに参加した子どもたちの声-
- 日本/子どもの貧困問題解決
「どこでもいいから出掛けたい」、「親にお金で悩ませたくない」、「長期休みはどうしても一人にさせてしまいがち」「いろんな事をチャレンジしてほしいが、なかなか費用面で難しい」 --- これらは、セーブ・ザ・チルドレンが2022年2月から3月に実施した、長期休みの学び・体験活動に関するアンケートに寄せられた子どもや保護者の声です。
多様な学びや体験の機会を得ることは子どもたちの大切な権利のひとつであり、多くの研究や調査から、その後の子どもたちの自己肯定感や自尊感情の向上に関わってくるということが明らかになっています。しかし、セーブ・ザ・チルドレンによる子ども給付金や食料品提供を利用した経済的に困難な状況にある子どもや保護者からは、そうした経験をすることが難しいという声が、届いていました。
そこで、セーブ・ザ・チルドレンは、2022年の夏季休暇を活用して首都圏で子どもたち向けに「夏休み体験プログラム」を実施しました。
対象は、主にセーブ・ザ・チルドレンとつながっている子どもたちと、地域で経済的・生活上困難な状況にある子どもや家庭のための活動をしているNPO・団体につながっている子どもたちです。5つのプログラムを計7日間実施し、小学校4年生から高校生世代まで91人の子どもたちが参加しました。今回はそれぞれのプログラムに参加した子どもたちや保護者の声*を中心にお届けします。
*子どもと保護者の声は、原文から一部を抜粋しています。
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音楽にのって体を動かしてみよう!レッツダンス♪(8月1日)
参加者:小中高校生 計8人
ダンス教室の詳しい報告はこちらhttps://bit.ly/3RyDXyW
申込時に体を動かすことに自信がないと伝えてくれた子どもやダンス教室に通わせたくても費用面から難しいという保護者もいましたが、当日は音楽に合わせて体を動かし、ダンスの楽しさを味わえたようでした。
~子ども・保護者の声~
●毎日(家で)してるダンスを、スタジオを借りてダンスが出来てすごく楽しかった。コロナが落ち着いてきたら、みんなでダンスを踊ったりしたい!(中学一年生)
●〇〇ちゃんと仲良くなれたと解散後に話してくれました。見知らぬ場所に、知り合いのいない状況で楽しめた事に驚いています。帰ってきても自然と身体を動かしていた娘。発表の時は恥ずかしい気持ちが強かったみたいですが、この夏の一番の想い出が出来たと思います。(保護者)
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いろんな仕事をのぞいちゃおう!職業フェア(8月5日、22日)
子どもたちの中には、進学か就職かで迷っている、どのような仕事が向いているか知りたい、勉強が苦手、経済的に大学進学は諦めてるといった理由からの参加もありました。それぞれが多様な進路を知り、視野を広げる時間となったようです。
~子ども・保護者の声~
●普段は聞くことができない会社の話を知ることができた。今後の進路に役立つ貴重な情報を得ることができ、視野を広げることができたと思う。(高校2年生)
●あまり人前で正式な空気の中、質問したりするのが得意ではないので、少人数に分けてふせんに書いておくなどの工夫があって有難かった。(高校1年生)
●色々な有名な企業の方のお話を聞けて良かった。働くことに興味がわいた。イベントを通して、自分の見聞を広げられて、普段考えないことを考えられた。(高校3年生)
●今まで知らなかった「仕事」というもののイメージがつかめたようです。(保護者)
協力:イケア・ジャパン株式会社/H&Mヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社/株式会社阪急阪神ホテルズ/株式会社日立柏レイソル/株式会社ファミリーマート
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参加者:小学校4年生から中学校1 年生 計29人
実験教室の詳しい報告はこちら
https://bit.ly/3eHXqPh(8月10日)
https://bit.ly/3StTQaE(8月24日)
地球環境に関する説明では真剣に話を聞きながら楽しくクイズに答えたり、実験教室では自分だけのオリジナル保冷剤をつくろうと工夫する姿が見られました。
~子どもの声~
l地球のこと、エコのことを知れて嬉しかったし、保冷剤を作るのが楽しかった。(小学4年生)
l今までにやったことがないものでやってみて高吸水性ポリマーを入れたり色を決めたりするのが楽しかった。(小学5年生)
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参加者:小学4から6年生 計15人
バーチャル水族館の詳しい報告はこちら https://bit.ly/3DbMSlH
1人1台でオンライン上のバーチャル水族館を利用し、それぞれが自分のアバターをつくったり、リアルタイムで沖縄との中継があるなど本格的な体験に驚く声も聴かれました。
~子どもの声~
l サメの種類や食べるものなどを知れて楽しかった。イルカとクジラの区別が大きさが基準というところが面白かった。(小学5年生)
l バーチャルを使って体験でき、色々な海の生き物を知れた(小学5年生)
l ただの映像だけでなく、自分で動かして見るのが面白かった。(小学6年生)
協力: 沖縄美ら海水族館、株式会社ガイアックス
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参加者:小学4年生から6年生 計21人
海遊び体験の詳しい報告はこちら https://bit.ly/3RLIy0y
天候のため、川遊びから海遊びへ変更となりましたが、中には海が初めての子どももおり「わー海だ!」「広い!」と興奮する子どもたちの姿がありました。
~子ども・保護者の声~
l 川に行けなかったけど海に行けて水遊びができてうれしかったです。コロナ禍でどこにも行けなかったけど海に行けて夏休みのいい思い出になりました。ありがとうございます。(小学4年生)
● 金銭的、時間的に色々な場所に行ったり、体験したり、経験したりと言う事が圧倒的に少ないと感じています。クラスのお友達は○○行くんだって、○○したんだって~と羨ましそうに話す娘にいつも申し訳ないなと思っています。今回の体験は私達親子にとって本当に素敵な想い出になりました。(保護者)
協力:一般社団法人TOKYO PLAY
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約100人の子どもたちとともに過ごした2022年夏。
子どもたちの「やってみたい!」をかたちにできたと同時に、子どもや保護者の声からは、経済的な制約などによって一般的に経験しているような学びや体験の機会を得ることが難しいという実情も浮かび上がりました。
子ども時代にこうした学びや体験の機会を得ることは、子どもたちにとって大切な権利のひとつです。子どもの貧困問題解決の観点からも、こうした機会づくりを家庭のみの責任とするのではなく、社会や政策として保障していくための議論がより一層、求められています。
セーブ・ザ・チルドレンでは、今後も定期的にこうしたプログラムを実施し、子どもの学びや体験の権利を保障できるよう活動を続けていきます。
(国内事業部 岩井)