【トルコ・シリア大地震】恐怖で車中泊の子どもも―氷点下で支援も困難に:緊急子ども支援

[2023年2月7日付]
2月6日未明、トルコ南部ガジアンテプ県で起こったマグニチュード7.8の強い地震により、同地域とシリア北西部で、約6,300人が犠牲になったと考えられています。がれきの下敷きになっている人もおり、負傷者は数千人にのぼり、今後死傷者数はさらに増えると予想されます。


シリア北西部アレッポ県アフリン

地震が起こった地域は、気温が氷点下に下がり、道路や空港は被災し、支援を必要としている数千人の子どもたちとその家族に、支援を届けることが困難な状況にあります。

世界保健機関(WHO)によると、140万人の子どもたちを含む230万人が、この地震の影響を受けています。

ガジアンテプ県に暮らすムスタファさん(41歳)は、地震が起こったときの様子や現在の避難生活について、次の通り話します。
「テレビが落ちる音で目が覚めました。すぐに5人の子どもたちと家族を連れて、自宅から外に出ました。いま、私たちはプレハブでできたコンテナに避難していますが、ここには、被災した20人以上の子どもとその家族がいます。

ガスや電気、公共サービスは利用できない状態です。私たちは全員、取り乱しており、いとこの子どもは、建物の中にいるのがこわくて、車の中でしか眠ることができません。」

被災した人たちは毛布や食料品、医薬品などを喫緊に必要としており、セーブ・ザ・チルドレンは緊急支援チームを立ち上げ活動を進めています。

セーブ・ザ・チルドレンのシリア事業担当者は、現地の状況について以下の通り訴えます。
「いま、シリアは、皆さんの想像を超える寒さです。子どもたちを含む多くの人たちが、まだ、がれきの下敷きになっている可能性があり、大変懸念しています。そして、自宅を失い車中泊をしている人たちがいたり、凍てつく寒さの中、野外で寝ている子どもたちもいます。

こうした状況は、被災地域に暮らす、すべての人に影響を及ぼしています。セーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体のスタッフやその家族も、今回の地震の影響を受けています。つまり、人道支援を届けるスタッフも被災しているため、必要な支援を届けることが、一層難しくなっています。加えて、トルコとシリアでは道路が損壊しているところもあり、被災地に支援を届けるのは困難を極めています。国際社会は一丸となり、現地で活動する人道支援団体をサポートする必要があります。」

【セーブ・ザ・チルドレン緊急子ども支援】
トルコ:最新の情報によると、10都市で約5,775棟の建物が倒壊しています。また、暖房や電気、全な水、通信サービスの利用が困難になるなど緊急事態が起こっています。私たちは、緊急対応チームを立ち上げ、緊急支援開始に必要な情報収集を始めており、政府や関係各所と緊密に連携しながら、国が進める被災地域全体の緊急支援をサポートする予定です。私たちは毛布や冬物衣料などが入った緊急支援物資を被災地に提供する計画です。

シリア北西部:約12年にわたる紛争により、子どもたちとその家族は、自宅からの避難を余儀なくされ、避難民キャンプで暮らしています。この地域には、およそ300万人の国内避難民が避難生活を送っており、特に、地震の影響を受けた地域にある避難民キャンプに暮らす人たちは180万人にのぼります。私たちは、現地のパートナー団体と緊密に連携し、子どもたちが必要とする支援を提供できるよう被災規模や状況についての情報収集を進めています。

セーブ・ザ・チルドレン
トルコ・シリア大地震
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