【シリーズ第3回:災害時(さいがいじ)の多様性(たようせい)についてかんがえる】災害と外国人・外国にルーツがある人(1)

災害(さいがい)()多様性(たようせい)についてかんがえるこのシリーズでは、前回、災害と障害のある人についてお伝えしました。(前回の記事はコチラ

今回は外国人(がいこくじん)・外国にルーツがある人について、3回に分けて(しょう)(かい)します。

 

障害のある人と(おな)じく、外国人や外国にルーツがある人も、災害がおきたときに()りのこされてしまいがちな人たちです。では、どのような(めん)でこまったり、不安(ふあん)(かん)じたりしているのでしょうか。

外国人や外国にルーツがある人への支援(しえん)をしている一般(いっぱん)財団(ざいだん)法人(ほうじん)自治体(じちたい)国際化(こくさいか)協会(きょうかい)CLAIR/クレア) にセーブ・ザ・チルドレンから()いてみました。

   


セーブ・ザ・チルドレン:

外国人や外国にルーツがある人の災害時の問題点(もんだいてん)について(おし)えてください。

 

クレア:

日本の災害を経験(けいけん)したことがない外国人は、母国(ぼこく)(生まれた国)の災害の知識(ちしき)しか持っていないことが多く、

 

災害について「きっと大丈夫(だいじょうぶ)だろう」と楽観的(らっかんてき)であったり、(ぎゃく)にこわがりすぎたりすることがあります。

日本では、学校で避難(ひなん)訓練(くんれん)毎年(まいとし)やりますし、(おさな)(ころ)から地震(じしん)台風(たいふう)水害(すいがい)などを経験し、その対応(たいおう)(さく)を知っています。

しかし世界(せかい)では、地震がほとんどない国もあります。また水害がしょっちゅうあっても、あまり水害対策をとれていない国もあります。そういった国の人にとって、日本で災害が起こったときにどう行動すればよいかわからない場合があります。

たとえば、日本で避難所(ひなんじょ)というと小学校の体育館をイメージすると思いますが、それは海外(かいがい)に行くとまったく(つう)じない常識(じょうしき)です。小学校や体育館が避難所になっているところは海外だとあまりなく、教会(きょうかい)役所(やくしょ)が避難所になることが(おお)かったり、そもそも避難所がないこともあります。そのため、「()げてください」と言われても、どこに逃げるのかという感覚(かんかく)がことなっていることも問題点としてあります。

 

セーブ・ザ・チルドレン:

日本ではあたりまえに知られている災害のことでも、外国人や外国にルーツのある人は知らないことがあったり、知っていても日本の状況(じょうきょう)とはちがっていたりするのですね。

 

その問題点を解決(かいけつ)するために大切(たいせつ)なことは(なん)ですか。

 

クレア:

大切なことは外国人・外国ルーツの人のストック情報(じょうほう)

 

日本で生まれ育った人とは(こと)なるということ、そして外国人・外国ルーツの人は日本で生まれ育った人とくらべてフロー情報がとどかない可能性(かのうせい)があることを理解(りかい)することです。

ストック情報とは、日本に生まれ育った人がずっと知っている情報のことです。たとえば、日本ではどういう災害がおきるのか、どういった場所に逃げればいいか、どんな公共(こうきょう)の支援があるか、などです。

フロー情報とは、(なが)れていく情報のことで、災害がおきたときに流れるニュースや政府(せいふ)報道(ほうどう)などです。

このストック情報の(ちが)いをおぎない、また日本語で流れるフロー情報を外国人・外国ルーツの方にも伝えて、災害時に適切(てきせつ)な行動をとれるようにすることが大切です。

私たちは、そんなときに便利(べんり)な支援ツールをいくつか(つく)っています。



次回じかいはクレアが作っている支援ツールについてお伝えします。(つづきはコチラ)


このブログは20236月に作成(さくせい)しました。

防災(ぼうさい)(かん)する最新(さいしん)情報(じょうほう)内閣府(ないかくふ)のホームページをごらんください。

https://www.bousai.go.jp/



(国内事業部インターン 野田麻子)






 



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