【シリーズ第4回:災害時(さいがいじ)の多様性(たようせい)についてかんがえる】災害と外国人・外国にルーツがある人(2)

このブログは災害(さいがい)()多様性(たようせい)についてかんがえるシリーズです。今回は外国人(がいこくじん)・外国にルーツがある人についてのお話の全3回のうち、第2回目です。

前回第1回は、災害時の外国人・外国にルーツがある人の問題点(もんだいてん)とその解決(かいけつ)方法(ほうほう)について外国人や外国にルーツがある人への支援(しえん)をしている一般(いっぱん)財団(ざいだん)法人(ほうじん)自治体(じちたい)国際化(こくさいか)協会(きょうかい)CLAIR/クレアに、セーブ・ザ・チルドレンから聞きました。(前回の記事はコチラ

 

今回はクレアが作っている支援ツールについて聞いてみます。

 

  


セーブ・ザ・チルドレン:

 

クレアで作っている支援ツールについて教えてください。

 

 

クレア:

 

1つは、多言語版(たげんごばん)在住(ざいじゅう)外国人向(がいこくじんむ)防災(ぼうさい)行動(こうどう)計画(けいかく)(マイ・タイムライン)検討(けんとう)ツールです。

 

出典 在住外国人向け防災行動計画(マイ・タイムライン)検討ツール - 多言語情報等共通ツールの提供 - 多文化共生 - CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

 

これは、災害がおきたときのために、どういった準備(じゅんび)をしておくべきか、どのくらいになったら()げるべきかといったことをタイムラインにそってあらかじめ計画(けいかく)するものです。

 

つぎに、災害(さいがい)()外国人(がいこくじん)支援用(しえんよう)ピクトグラムです。

ピクトグラムとは、言葉だけでなく絵も使(つか)ってわかりやすく表現(ひょうげん)したマークのようなものです。

出典 災害時外国人支援用ピクトグラム - 多言語情報等共通ツールの提供 - 多文化共生 - CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

 

たとえばこれは、避難所(ひなんじょ)に避難してきた外国人に宗教(しゅうきょう)思想(しそう)などの理由(りゆう)で食べられないものはないか、を確認(かくにん)するときに使ってもらうピクトグラムです。

 

ほかにも、避難所のスタッフとコミュニケーションを取るときに使う多言語(たげんご)(ゆび)さしボードがあります。

出典 多言語指さしボード - 多言語情報等共通ツールの提供 - 多文化共生 - CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

 

また、災害時の外国人支援にかかわる動画(どうが)では、じっさいに被災(ひさい)された人のインタビューものせています。たとえば2016年の熊本(くまもと)地震(じしん)で被災したイギリスからの留学生(りゅうがくせい)は、「地震(じしん)がおきたときに何をしたらいいか分からなかった。前からどうすべきか考えていたけれども何もできなかった」と話していました。パプアニューギニアからの留学生は、「自分の国では地震がないので地面(じめん)がゆれるのが(はじ)めてだった。日本語もまだあまりできなかったので『避難所』という言葉も初めて聞いた」と話していました。

そして、今までツールの話をしてきましたが、ツールを作るだけではじっさいに使ってもらえないことがあるため、(ひろ)く使ってもらえるように、災害時に外国人を支援する人のための研修(けんしゅう)訓練(くんれん)もやっています。

 

セーブ・ザ・チルドレン:

 


たくさんの取りくみをされているのですね。

外国人や外国ルーツの子ども向けに特別(とくべつ)な支援などもありますか。

 

クレア:

 

特別に子ども向けではないですが、「やさしい日本語」が有用(ゆうよう)です。

 

日本にいる外国ルーツの子どもの特徴(とくちょう)はおもに2つのパターンがあると感じています。

1つは、子ども自身(じしん)は日本で生まれ育って日常的(にちじょうてき)に日本語が使えるけれど、親はあまり日本語が得意(とくい)ではないというパターンです。ほかの人と日本語で話をするときに、自分の親の通訳(つうやく)をするような子どももいます。

もう1つは、現在(げんざい)日本でくらしてはいるものの、あるていど母国(ぼこく)で生活をしてから日本に来たため、子どもも親も日本語がそれほど得意でないというパターンです。このパターンはどうしても日本で生まれ育った人が一般的(いっぱんてき)()られるような情報(じょうほう)から(とお)ざかってしまうことがあります。そのような場合に、なるべく情報をとどけられるように、自治体(じちたい)などは多言語で情報発信(はっしん)をしています。そのなかでもわかりやすいと評判(ひょうばん)なのが「やさしい日本語」です。

「やさしい日本語」は、1995年の阪神(はんしん)淡路(あわじ)大震災(だいしんさい)のときに生まれたと言われています。外国人全員が英語(えいご)を話せるわけでなく、外国人でも英語が伝わらないことがあるため、あるていど日本でくらしたことのある人の場合は、かんたんな日本語のほうが分かりやすいということでした。今では外国人だけではなくて、子どもや高齢者(こうれいしゃ)、障害者にも分かりやすく伝わる言葉ということで、広まってきています。


 

 

次回は災害時の外国人・外国ルーツの方の今後の課題点(かだいてん)と取りくみについてです。(つづきはコチラ

 

このブログは20236月に作成(さくせい)しました。

防災(ぼうさい)(かん)する最新(さいしん)情報(じょうほう)内閣府(ないかくふ)のホームページをごらんください。

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(国内事業部インターン 野田麻子)









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