(公開日:2023.09.08)
【連携事例】今年も岩手県山田町にて「地球環境・エコ実験教室」を開催~ランクセス社
- 企業連携
セーブ・ザ・チルドレンは、2011年より東日本大震災の被災地にて5年間にわたり緊急・復興支援を行い、現在も一部の事業のサポートを続けています。ドイツの化学メーカーのランクセス社とともに2014年より毎夏、継続的に開催している「実験教室」もその一つです。
ランクセス社の従業員とセーブ・ザ・チルドレンのスタッフが山田町を毎年直接訪問し、実験教室を実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の2020年以降は、オンラインで開催を続けています。
会場となったのは、岩手県山田町の「山田町ふれあいセンター」。同センターは、「小中高生世代をはじめとする子どもの居場所」と「図書館」の機能を持ち、子どもたちだけでなく大人も利用できる公益施設です。震災後、子どもたちがアイデアを出し合い、役場や町の大人たちの協力も得ながら企画・デザインして、セーブ・ザ・チルドレンの支援により建てられました。
■従業員によるプロジェクトチームが企画:「地球温暖化と食生活、都市農業」がテーマ
実験教室は、毎年、ランクセス社の従業員によるプロジェクトチームが、プログラムの企画を行います。今回は、地球環境教育と科学実験を組み合わせた新たなプログラムとして、「地球環境・エコ実験教室」と題し、「気候変動と食のカーボンフットプリント」をキーワードに開催しました。
ランクセス社からは、従業員5人が参加。山田町ふれあいセンターの職員の方たちの協力を得て、パソコンやタブレットを駆使し、東京と山田町をオンラインでつなぎながら進めました。
子どもたちの手元をタブレットで映しながらの実況中継により、画面越しであっても、スムーズに双方向でコミュニケーションをとることができました。
小学校1年生から6年生の計10人の子どもたちが、地球温暖化などの環境問題やクイズを交えつつ、食のカーボンフットプリントについて学びました。
自分たちの食生活のあり方を通じて地球温暖化について考える時間では、緊張しながらも、勇気を出して自分の意見を発表する様子が見られました。
そして、環境に配慮した新しい農業のかたちとして、土を使わない都市農業とその仕組みについても真剣に話を聞いていました。
■LEDライトなどを使用する水耕:エコ菜園キットづくり
その後、実際に土を使わず、 LEDライトなどを使用する水耕栽培の野菜づくりに挑戦。エコ菜園キットづくりの実験を通して、都市農業を再現したブロッコリースプラウトの水耕栽培を学びました。
水耕栽培の容器をシールやテープなどを使って自由に装飾する時間では、子どもたちは夢中で取り組んでいました。できあがったエコ菜園キットは、子どもたちそれぞれの個性あふれる作品になりました。
参加した子どもたちからは、次のような感想が聞かれました(※)。
「地球温暖化や都市農業など良く知れました。スプラウトやほかの野菜をもっと大事に育てようと思いました。容器もかわいくできてうれしかったです。」
「今日はじめてエコさいえんキットづくりをしたのでちょっとむずかしかったけど、こうやってできるんだなと思いました。」
(※)子どもたちの感想は、抜粋して記載しています。
■従業員参加による連携は今年で10年目
先生役を務めたランクセス社の従業員からも、次のようなコメントがありました。
「メンバー間での新たな交流や意見交換も生まれながらプロジェクトの準備も進めることができました。新しいプログラム構築には時間がかかりましたが、当日、子どもたちが真剣に、そして興味をもって、何より楽しそうに参加してくれてとてもうれしく拝見しました。」
「メンバーなりに工夫を凝らして作った新プログラムでしたが、当日まで子ども達が喜んでくれるか、途中で飽きてしまわないか心配していましたが、楽しかったとのコメントやたくさんの質問もしてくれてうれしかったです。私たちもよい勉強をさせてもらいました」
「子どもたちに地球環境についての話をするにあたり、自分自身も地球温暖化や気候変動について改めて考える良い機会になりました。また難しいテーマにも関わらず、子どもたちが高い関心を持って参加し、積極的に考え発表してくれたことをとてもうれしく思います。」
ランクセス社との取り組みは、今年で10年目となります。「企業とNGOが連携して行うサステナブルな支援」のモデル事例として、これからも続くよう連携を深めていきたいです。
(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)
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