(公開日:2023.09.11)
【活動報告】子どもの貧困対策拡充に向けた政策提言活動
- 日本/子どもの貧困問題解決
セーブ・ザ・チルドレンは、新入学にあわせた給付金事業や「子どもの食 応援ボックス」といった子育て世帯への直接支援で得られたアンケート結果などをもとに、より一層の子どもの貧困対策拡充を求めて、政策提言を行っています。
今年8月には、こども家庭庁長官および支援局家庭福祉課と面会し、「2023年夏休み 子どもの食 応援ボックス」の申し込み結果から、7割を超す子育て世帯で十分な量の食料を買うお金がないことや、6割以上の世帯が、新型コロナウイルス感染症拡大前の給与水準に戻っていない現状などを伝えました。
また、アンケートで必要な子育て支援について尋ねたところ「小中高校生活にかかる費用をすべて無料にすること」と回答した世帯が63.0%、「経済的に困難な子育て世帯への現金給付」が60.4%であったことを示しました。
こうした調査結果から、こども施策の基本的な方針となる「こども大綱」の策定に向けて小中高校生活における教育の私費負担軽減策の明記と、低所得の子育て世帯に対する「子育て世帯生活支援特別給付金」の計画的な支給を求めました。
渡辺由美こども家庭庁長官からは、調査や提言内容に関して、現金給付や現物給付、どういった支援のあり方がよいかといった言及がありました。セーブ・ザ・チルドレンからは、子どもや保護者の選択肢を確保するためにも、現金給付が国際的に潮流となっていること、すべての子育て世帯を対象としたユニバーサルな給付を土台とし、困難な層へは手厚い支援をする必要性などを伝えました。
意見交換では、7月に公表された最新の子どもの貧困率や、「こども大綱」に子どもの貧困をはじめさまざまな子どもを取り巻く課題をどのように盛り込むかといった点についても話が広がりました。
また、こども家庭庁からは、セーブ・ザ・チルドレンの報告した調査は、当事者の声をタイムリーに把握できる内容であり、今後も調査結果を共有してほしいといったコメントもありました。
5月と7月には文部科学省初等中等教育局就学支援・教材課を訪問し、「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 ~新入学サポート2023~」の調査結果から、物価上昇の影響が大きく、借入によって入学関連の費用を賄っている世帯が増えていることなどを伝えました。
加えて、アンケートでは、高校生等奨学給付金など、学びを支える既存の制度についても、認知度が低いことがわかったため、義務教育の早い段階で、高校や高等教育への進学時に活用できる制度についてより一層の周知の必要性も訴えました。
今年12月に閣議決定が予定されている「こども大綱」に向け、9月から中間整理のための議論が行われています。
「こども大綱」の下で進める施策の具体的内容については、こども家庭庁から「こどもまんなか実行計画(仮称)」として、こども政策推進会議において、大綱案と併せて決定される方針が示されています。
「こども大綱」は、「子供の貧困対策の推進に関する大綱」を含む既存の3つの大綱が統合され、こども施策を総合的に進めるための基本方針であり、多くの支援団体もその内容に期待しています。
特に、「子供の貧困対策の推進に関する大綱」は、2014年の策定以来、多くの有識者や行政関係者が議論を進め、当事者の声も反映してきました。しかし、現在の政府の議論では少子化対策・子育て支援が重視され、子どもの貧困対策の視点が十分あるとは言えません。
子どもの貧困対策がさらに推進されるのか、政府が本当の意味で「こどもまんなか社会」を実現できるのか。セーブ・ザ・チルドレンをはじめとする市民社会は、今後もそのプロセスや内容注視し、政府への働きかけを進めていきたいと思います。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページ で更新しています。ぜひご覧ください。
(報告:国内事業部 鳥塚早葵)
今年8月には、こども家庭庁長官および支援局家庭福祉課と面会し、「2023年夏休み 子どもの食 応援ボックス」の申し込み結果から、7割を超す子育て世帯で十分な量の食料を買うお金がないことや、6割以上の世帯が、新型コロナウイルス感染症拡大前の給与水準に戻っていない現状などを伝えました。
また、アンケートで必要な子育て支援について尋ねたところ「小中高校生活にかかる費用をすべて無料にすること」と回答した世帯が63.0%、「経済的に困難な子育て世帯への現金給付」が60.4%であったことを示しました。
こうした調査結果から、こども施策の基本的な方針となる「こども大綱」の策定に向けて小中高校生活における教育の私費負担軽減策の明記と、低所得の子育て世帯に対する「子育て世帯生活支援特別給付金」の計画的な支給を求めました。
渡辺由美こども家庭庁長官からは、調査や提言内容に関して、現金給付や現物給付、どういった支援のあり方がよいかといった言及がありました。セーブ・ザ・チルドレンからは、子どもや保護者の選択肢を確保するためにも、現金給付が国際的に潮流となっていること、すべての子育て世帯を対象としたユニバーサルな給付を土台とし、困難な層へは手厚い支援をする必要性などを伝えました。
意見交換では、7月に公表された最新の子どもの貧困率や、「こども大綱」に子どもの貧困をはじめさまざまな子どもを取り巻く課題をどのように盛り込むかといった点についても話が広がりました。
また、こども家庭庁からは、セーブ・ザ・チルドレンの報告した調査は、当事者の声をタイムリーに把握できる内容であり、今後も調査結果を共有してほしいといったコメントもありました。
5月と7月には文部科学省初等中等教育局就学支援・教材課を訪問し、「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 ~新入学サポート2023~」の調査結果から、物価上昇の影響が大きく、借入によって入学関連の費用を賄っている世帯が増えていることなどを伝えました。
加えて、アンケートでは、高校生等奨学給付金など、学びを支える既存の制度についても、認知度が低いことがわかったため、義務教育の早い段階で、高校や高等教育への進学時に活用できる制度についてより一層の周知の必要性も訴えました。
今年12月に閣議決定が予定されている「こども大綱」に向け、9月から中間整理のための議論が行われています。
「こども大綱」の下で進める施策の具体的内容については、こども家庭庁から「こどもまんなか実行計画(仮称)」として、こども政策推進会議において、大綱案と併せて決定される方針が示されています。
「こども大綱」は、「子供の貧困対策の推進に関する大綱」を含む既存の3つの大綱が統合され、こども施策を総合的に進めるための基本方針であり、多くの支援団体もその内容に期待しています。
特に、「子供の貧困対策の推進に関する大綱」は、2014年の策定以来、多くの有識者や行政関係者が議論を進め、当事者の声も反映してきました。しかし、現在の政府の議論では少子化対策・子育て支援が重視され、子どもの貧困対策の視点が十分あるとは言えません。
子どもの貧困対策がさらに推進されるのか、政府が本当の意味で「こどもまんなか社会」を実現できるのか。セーブ・ザ・チルドレンをはじめとする市民社会は、今後もそのプロセスや内容注視し、政府への働きかけを進めていきたいと思います。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページ で更新しています。ぜひご覧ください。
(報告:国内事業部 鳥塚早葵)