社会貢献を通じた従業員エンゲージメント~従業員寄付による「自分ゴト化」

セーブ・ザ・チルドレンは子どもへの支援を届けるにあたり、多くの企業との連携を行っています。

近年、企業の皆さまとの対話を重ねていくなかで、関心が高いこととして取り上げられる話題の一つに、「従業員エンゲージメント」があります。


エンゲージメントは、「働きがい」などとも訳されますが、エンゲージメントが高い従業員は、離職率が低く、高いモチベーションで業務に取り組むため生産性が向上するともいわれています。

 

また、社会課題への関心の高さや社会変化への効力感の高さを示す「社会」へのエンゲージメントが高い従業員は、「目の前の仕事に主体的に取り組み(ジョブ・クラフティング)、学びの意欲が高く、業務上の成果や主観的なウェルビーイングも高いことがわかった」との調査結果もあります。(パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳 『就業者の社会貢献意識に関する定量調査』(2023年))

 

パートナー企業の従業員の皆さまのエンゲージメントを高めるさまざまな取り組みとして、協働イベントの開催や、ボランティア活動への参加などがありますが、その一つに、企業ごとに参画いただける「従業員寄付」があります。

 

企業からの呼びかけによって従業員が寄付を行い、その寄付に企業が同額を寄付する「マッチングギフト」を行う企業も増えています。

 

従業員が気軽に社会貢献に参加でき、社会課題を「自分ゴト化」する機会を提供できるほか、自分が働いている企業が支援している団体へ寄付をするという安心感・信頼感が得られ、企業側で同額が寄付されることにより従業員の寄付意識の高まり・参加にもつながりやすい仕組みです。

 

こうした従業員寄付を導入している企業の事例をご紹介します。(敬称略)

 

■ソニーグループ



ソニーグループとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが共同で設立した「子どものための災害時緊急・復興ファンド」に、従業員がいつでも寄付できる特設サイトを2019年から設置いただき、今まで3,000件近くの従業員寄付を受領しました。2019年(令和元年)台風19号、新型コロナウイルス感染症、2020(令和2)年7月豪雨、ウクライナ危機、トルコ・シリア大地震の際には、企業からのマッチング寄付もいただきました。

■富士

2022年のウクライナ危機、パキスタン洪水、2023年のトルコ・シリア大地震への緊急支援に、国内外グループより1,000人を超える従業員が寄付に参加くださいました。企業からも同額のマッチング寄付をいただいています。

■オリンパス




2020
年の新型コロナ緊急支援にて、従業員寄付、企業マッチング寄付、労組からの寄付で支えてくださいました。ウクライナ危機、トルコ・シリア大地震などの緊急支援に加え、いつでもセーブ・ザ・チルドレンに寄付ができる常設サイトも設置いただいています。

■FPパートナー

2023
年のトルコ・シリア大地震緊急支援にて、全体集会でセーブ・ザ・チルドレンから呼びかける機会をいただきました。それに応じて、全従業員の半数の1,200人以上から寄付が集まり、企業からも寄付をいただきました。

■タカラ薬局




2022年より夏休みと冬休みに実施する「子どもの食 応援ボックス」に合わせて従業員寄付を年に2回、募金キャンペーン期間を設けて、継続していただいています。集まった金額に対し、同額を企業マッチングしてくださっています。

■グラクソ・スミスクライン

給与天引きによりいつでも寄付ができる従業員寄付の仕組みを10年間継続いただいています。ウクライナ危機やトルコ・シリア大地震などの緊急支援や「子どもの食応援ボックス」の時期に合わせた従業員寄付をいただき、グローバルで同額がマッチング寄付されています。


上記のほかにも、多くの企業に従業員寄付を導入いただいています。

 

また、企業からのリクエストに応じて従業員向け報告会も開催しており、参加者からは下記のような反響をいただいています。

・何かしたいと思っても、なかなか一歩踏み出せずにいたので、まずは自社グループの一員として、ボランティア活動に参加していけたらと思いました

・現実の問題を知ることはもちろん、支援を行っているスタッフの方々の苦悩も知ることができて、自分に何ができるのかをより考えるようになった機会をいただいた

・メディアでは拝見していましたが、実際に現場の方のお話を聞くと他人事とはとても思えず、今すぐにでも何かサポートが出来ることがあれば協力したいと思った

・寄付させていただいたプロジェクトの報告会の実施や子どもの食応援ボックスなどボランティアの機会をいただくことでセーブ・ザ・チルドレンの活動を通して社会情勢や課題を知るきっかけとアクションにつながり、より自分ゴト化につながっていると感じております。



従業員寄付を自社にも取り入れたいが、どのように進めたらよいか分からないという場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。多くの企業のご参加をお待ちしています。

 

(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)

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セーブ・ザ・チルドレンは、毎年600以上の企業・団体の皆さまとさまざまな形で連携し、子どもたちを取り巻く課題解決のために、緊急・人道支援や教育、子どもの保護、保健・栄養などの分野で、日本を含む世界約120ヶ国で活動しています。これからも、企業の皆さまとも協力・連携しながら、子どもたちを取り巻く社会課題の解決に取り組んでいきます。

【企業・団体の皆さまからのお問い合わせ先】

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン法人連携担当

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