セーブ・ザ・チルドレン：

前回はLGBTQのいろいろなこまりごとについて教(おし)えていただきました。

今回はそのようなこまりごとを解決(かいけつ)するために一番(いちばん)大事(だいじ)なことはなんなのかを教えてください。

リビット：

一番大事なのは、LGBTQへの理解のある雰囲気(ふんいき)をつくっていくことです。

災害時にこまることってなんだろうと考(かんが)えると、それは災害時だからこまっているというよりも、いつもこまっているということばかりだと思うんです。

セーブ・ザ・チルドレン：

なるほど。確(たし)かにそうですね。災害時のこまりごとを解決するためには、日ごろから、社会の意識(いしき)や理解をつくりだすことが必要(ひつよう)ですね。

それでは社会の意識や理解をつくりだすために、今日からはじめられることはありますか。

リビット：

はい。

いくつかありますが、1つは、不要(ふよう)な男女分けの見直(みなお)しだと思います。

避難所(ひなんじょ)の運営(うんえい)においてもいわれる、「男の人は避難所の設営(せつえい)をしましょう」「女の人は炊(た)き出しや掃除(そうじ)をしましょう」という役割(やくわり)分担(ぶんたん)はどこから始まっているのかと考えてみると、実(じつ)は慣習上(かんしゅうじょう)の男女分けから始(はじ)まっているものが多くあります。たとえば小学校の委員会(いいんかい)活動(かつどう)や、会社での会議室(かいぎしつ)の設営は男性社員(しゃいん)、来客(らいきゃく)の対応(たいおう)は女性がするというようなことです。何かで区分(くぶん)をしたい、人数を半分に割(わ)りたいというときに、特(とく)に男女の必然性(ひつぜんせい)はないのだけれども、男性・女性というふうにしてしまうみたいなところがあるんじゃないかと思うので、そういうところでこれはいらない男女分けでは？と考えなおしてみるのがいいかもしれません。

そしてもう一つは、だれかの見た目で、性別や関係性(かんけいせい)を決(き)めつけないということです。

たとえば、見た目が女性の大人一人と子ども一人の二人組を見ると、見た目が女性に見える人のことを「お母さん」と思ってしまうとか、子どもをよびとめるときに、名前がわからなかったら、「そこの男の子～」などとよんでしまうというようなことです。そういった性別と関係性を見た目から判断(はんだん)してこちらがわりあててよびかけているような場面(ばめん)がないかということは日ごろから気にかけられると、災害時も同じように気にかけられるだろうなと思います。

セーブ・ザ・チルドレン：

ありがとうございます。

習慣的(しゅうかんてき)に根付(ねづ)いている意識(いしき)や考え方を変えていくことはとてもむずかしいことだと思いますが、それをしていくことで、だれもが生きやすい社会に近づくのですね。私たちも始められることからやっていきたいと思います。