【開催報告】「子どもの自由な本音を引き出す」~子ども参加における、子どもの「安心・安全」の確保のための自治体職員向け勉強会~

「こども基本法」の施行により、今年度から全国のすべての自治体において、子どもの最善の利益を実現する観点から、子どもに関わる施策について積極的かつ適切に、社会の構成員である子どもや若者の声を聴き、その声を反映させていくための取り組みが求められています。

 

セーブ・ザ・チルドレンは、いかなる子ども参加の形態においても、子どもの権利に反する行為や危険を防止し、安心して意見を言いやすい環境が確保され、子どもの最善の利益が守られるよう、自治体が考慮すべきポイントについて共有するためのオンライン勉強会を、2023年8月31日午前・午後の2回にわたり開催しました*。今回の勉強会には、全国約40の自治体から、合計55人の子ども関連部署の行政職員の参加がありました。

 

当日は、セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー部長堀江由美子よりあいさつがあり、私たちから、「子どもの権利・子ども参加」、「安心・安全な子ども参加のための確認ポイント」、「安心・安全な子ども参加」について基本事項を共有するセッションが行われました。

 

その後、午前・午後それぞれ6グループずつに分かれ、(1)政策決定者との対話、(2)アンケート実施の2つの事例に則して、それぞれの場面ごとに問題となりうる点やそれらへの対応・予防策について意見交換を行いました。続く全体共有・質疑応答においては、それぞれのグループ代表者より、グループ内での検討結果の発表があり、それらに関連して他の参加者から感想・意見が述べられました。

 

それぞれのグループでは、(1)政策決定者との対話の事例について、イベントの周知の段階での学校との協力関係構築、子どもが参加しやすい場所を会場として選定すること(場合によっては送迎を提供すること)、大人の適切な聴く姿勢を導くためのファシリテーター養成、ルビを振るなど最少年齢の参加者に合わせた資料作成といった点が挙げられました。質疑応答では、対話の場において、さまざまな背景の子どもたちの平等な発言の機会をどのようにつくり出すかについて、意見交換が行われました。

 

(2)のアンケート実施の事例については、アンケートの内容を年齢別に作成すること、音声ガイドや外国語訳をつけること、封筒に入れて回収するなど個人が特定されないようにするための工夫、学校に通っていない子どもも対象に含まれるよう、対象者を住民票の情報から無作為に抽出する方法などがあげられました。質疑応答では、学校を通じてアンケートを実施することのメリットなどについて意見交換が行われました。

 

事後に行ったアンケートでは、「安心・安全な子ども参加は、日々意識をしているつもりではいるが、文字にして書き出してみると膨大な項目数であり、自分で気が付かないことが何点か含まれていた」、「セーフガーディングの視点の徹底の大切さにきづいた。自分にはスタッフにそんな人はいないとの思い込みがなんとなくあった」という意見があった一方で、マニュアルリストを十分参考にしつつ、目の前の子どもの様子を観察して対応する柔軟な姿勢の重要性についても指摘がありました。

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セーブ・ザ・チルドレンでは、今回の参加者からの声を今後のアドボカシー活動に活かしていくとともに、引き続き各自治体における子ども参加の取り組みを促進していきたいと考えています。

*後援:広げよう子どもの権利条約キャンペーン

 

【お問い合わせ】

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー部(担当:山内、村上)

メールアドレス:japan.advocacy@savethechildren.org

TEL:03-6859-0015(平日9:3018:00 FAX:03-6859-0069







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