【COP28】「私たちの声を聴いて」気候変動の影響を受ける子どもたちの声

国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が11月30日、アラブ首長国連邦のドバイで開幕しました。気候変動の影響で、世界中の子どもたちの権利や将来が脅かされています。COP28を機に届いた世界中の子どもたちの声を紹介します。



(洪水が発生したエチオピアの被害地域の様子)

・教育への影響について
「大雨が降ると、子どもは学校に行けなくなります。親は学費を稼ぐのに苦労し、中退する生徒が出てしまいます。」 ルワンダでは、洪水や土砂崩れにより、建物や道路が破壊され、学校や医療施設に行けなくなったと子どもたちは語ります。

ザンビアでは、干ばつが子どもの教育に影響を及ぼし、子どもたちは「干ばつが起きると、水を確保するために、子どもたちが学校に行けなくなってしまいます」と訴えます。

異常気象の影響により、年間に約 4,000 万人の子どもの学習が中断されています。 気候変動が進むことで、その数はさらに増加する可能性もあります。

・気候変動に関連する問題解決に向けた投資について
「私たちには、洪水や干ばつにも耐えられる持続可能なインフラが必要です。」 ザンビアの子どもたちは、安定した水利用のための解決策に投資をするように求めます。

マダガスカルの子どもたちは「サイクロンのために水位が上昇し、学校に行けません。学校に行けるように橋の建設が必要です」と訴えます。

ナイジェリアの子どもたちは、洪水に耐えることができ、適切な排水が可能な新しい施設に資金を充てるべきだと述べました。

地域社会が気候危機に適応するには、子どものニーズに合わせたインフラへの投資が不可欠です。しかし、気候変動対策に関しては、子どもの権利について考えられていないケースがほとんどです。セーブ・ザ・チルドレンとパートナー団体の最新の報告書 によると、4つの主要な世界気候基金からの気候資金のうち、十分に子どもたちに配慮していると分類できるものはわずか2.4%でした。


・食料危機や健康に与える影響について
「私たちの両親は、十分な食料を用意するのに苦労しています。作物が収穫できなくなるだけでなく、学校に通い続けたり、病気になったときに治療を受けたりするための十分なお金もなくなっています。」マダガスカルの子どもたちは、気候変動の影響について、こう説明します。

ザンビアの子どもたちは、気候変動が大人たちの精神状態に影響することが多いと述べ、「雨が降らないと作物が枯れてしまい、ストレスを感じる人が増えてしまいます」と説明しました。

グアテマラでは子どもたちが「食料安全保障の強化に加え、栄養不良を防ぐため、作物の生産を生み出すプロジェクトを支援してほしい」と要請しています。

・子どもの参加について
子どもたちは、自分たちの声を聴いてもらいたいと考えています。「私たちの声は大切です。私たちの声を聴いてください。子どもの声が持つ価値と、子どもの将来について、真剣に考えるよう、求めたいです」とグアテマラの子どもたちは訴えます。


( 気候変動の影響を話し合ったルワンダの子どもたち)

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長のインゲル・アッシンは、次のように話します。
「気候危機の本質は、子どもの権利の危機です。気候危機は命を奪い、子どもたちの権利を損ない、彼らの将来を脅かしています。子どもたちが行動を呼びかけたことで、気候緊急事態が政治的議題に浮上しました。大人たちは、より良い未来に向けて子どもたちが自分たちのアイデアを実行できるよう、支援しなければなりません。子どもの権利に重点を置く必要があります」
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