世界の子どもたちの想いは各国のリーダーたちに届いたのか ~COP28で示された気候変動対策のための合意文書とは~



2023年11月30日から12月13日に、アラブ首長国連邦(UAE)で、第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)が開催されました。

COP28は、世界のリーダー、政策立案者、科学者、社会運動家、国連機関やNGOなどが一堂に会し、世界の気候変動対策について検討を行い、課題解決を推進するための重要な国際会議です。
気候変動と、その世界規模での被害や影響への対策と対応が一刻も早く求められるなか、各国がパリ協定で定められた目標達成に向けた行動を加速化するため、COP28は非常に重要な機会となりました。

今回の会議に向け、セーブ・ザ・チルドレンは、気候変動に関する子どもたちの声を世界各地(アフガニスタン、バングラデシュ、カンボジア、コロンビア、グアテマラ、インドネシア、日本、ラオス、マラウイ、ネパール、パキスタン、フィリピン、ソマリア、南スーダン、スリランカ、シリア、タイ、ベトナム)から集め、発信しました。
こちらのグローバルインタラクティブ・デジタルマップには、気候変動に関連する子どもや若者のストーリー、声、アート作品などを掲載しています。
日本の子どもたちの声も掲載されていますので、ぜひご覧ください。
※英語のサイトです。また画面が表示されるまで時間がかかる場合があります。

子どもたちは、今の世界の状況に対し、次のような切実な想いを持っています。
「僕は、大人になったらこの地球が安全かどうか心配です。今の環境は地球温暖化や資源不足が問題となっています。この先どんどん進行していくので大人になった僕達がこの地球で暮らせているかが不安です。」
「地球温暖化が進んでいき、暑さにたえられなくなり、生き物がどんどん死んでしまうことを心配しています。」
「地球温暖化は今でも進んでいて、南極だけではなく、しろくまやペンギンなどの住むところが少なくなって動物も死んでしまいます。」





これからの未来も生きる子どもたちの想いに対し、世界のリーダーたちは、どのような対策と対応を行うのでしょうか。
COP28で合意された成果文書では、以下の文言や内容が盛り込まれました。

●子どもと専門家の対話を実施することが決定:成果文書のパラグラフ182において、今後、子どもと気候変動に関する専門家との対話を開催し、気候変動が子どもに与える不釣り合いな影響と、その解決策について議論することが明記されました。

●成果文書の3つのパラグラフで子どもに関して言及:これらのパラグラフでは、気候変動における子どもの権利、気候変動に対する行動を成功させるための子どもの参加の必要性を認め、締約国に対し、子どもをエンパワーするような行動を実施するよう促しています。

●締約国に対して「化石燃料からの脱却(transition away)」などを求めることに同意:この同意は正しい方向への一歩であると評価します。しかし、排出削減を公正に進めていくためには、さらに野心的な「化石燃料からの段階的廃止(phasing out)」を合意すべきだったと考えます。

しかし、残念ながら、今回の合意文書では、喫緊に求められる「段階的廃止」の文言が削除されたことに加え、気候資金や人権に関する文言は弱いものになりました。
また、「損失と被害」基金の運用ルールがCOP28開幕日に採択され、日本政府として1,000万ドル(約15億円)の拠出を表明したことは歓迎すべきことではありますが、同基金に対する誓約は十分とは言い難いものです。この基金の運用において、子どもたちの権利やニーズ、そして子どもたちの声が考慮されるようにする必要があります。

■こちらもご覧ください
Generation Hopeキャンペーン
気候変動と不平等の危機を終わらせる ~子どもたちの世代を超えた希望のために~
https://www.savechildren.or.jp/lp/2023generationhope/
PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F