(公開日:2024.01.03)
【活動報告】宮城県で子育て支援の在り方に関する研修会を開催(2023年8月)
- 日本/子どもの貧困問題解決
2023年8月30日、セーブ・ザ・チルドレンは宮城県との共催で、子育て支援の在り方に関する研修会を開催しました。
当日は、県内の複数の市町村から子どもの貧困対策や子育て支援に携わる自治体職員、教育関係者、民間団体の職員など、あわせて16の自治体から39人が参加し、有識者による講演会や自治体、民間団体による子どもの貧困対策を含む子育て支援についての事例発表や活動報告が行われました。
また、その後のグループワークでは、子ども・子育て支援の課題や解決のためのアクションについて話し合われました。
はじめに、東京都立大学教授の阿部彩氏より、子どもの貧困の現状について講演が行われました。
「貧困とは何か」といった基本的な考え方に加え、2023年7月に公表された子どもの貧困率に関してや、子ども間で格差が広がっている実情について、報告がありました。
報告の中では、子どもの貧困率は2018年と比べて数値としては改善している一方で、子どもの年齢による格差が拡大し、年齢の高い子ほど貧困率が増加していることや、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることなどが共有されました。
続いて、宮城県で子どもの電話相談をしている特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎ代表理事の小林純子氏より、宮城県内の困難を抱えた親子に対する子育て支援の実例についての報告がありました。
特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎは、18歳までを対象としたフリーダイヤル「チャイルドライン」を運営しており、子どもの権利を大切にして、子どもが生き生きできる社会をつくる活動を行っています。
その中で、東日本大震災後、震災を経験した世代が親世代になり、震災のトラウマが自身の子育てに影響している例や、宮城県内でも市町村によって人口規模が異なるため子育て世帯が使える支援制度が異なることなどが紹介され、行政の縦割りを超えた情報共有や子育て世帯を支える人材育成の必要性について強調していました。
セーブ・ザ・チルドレンからは、2022年度に実施した「子ども給付金~新入学サポート2022~」、長期休み中の子どもの食の状況改善を目的とした「子どもの食 応援ボックス」、低所得世帯の出産・育児費用の軽減を目的とした「ハロー!ベビーボックス」の調査結果について報告し、経済的に困難な状況にある子育て世帯の育児や教育にかかる費用の負担、物価上昇による影響、宮城県在住の申し込み者の声などを共有しました。
さらに、2023年4月より施行されたこども基本法、同じく4月に設置されたこども家庭庁、2023年12月に閣議決定されたこども大綱※の研修当時までの進捗について、子どもの貧困問題の視点から説明を行いました。
研修会の後半はセーブ・ザ・チルドレンがファシリテーターを務め、グループワークを行いました。「困難な状況にある子どもと親に対し、どのように支援情報を届け、必要な支援につなぐにはどうすればよいか?」というテーマで、参加者自身の実際の経験やその時の対応について、グループで話し合いました。事例としては、子ども食堂を訪れた親子に対して、学びや生活のための支援の情報チラシを渡すなどが共有されました。
参加者からは、次のような意見が寄せられました。
「行政の方、NPOの方、教育、どうやって連携していけるか考えるきっかけになりました」
「他市の子ども食堂実施団体から事例紹介をいただき、参考になりました」
「自治体間や民間との連携もそうだが、同じ市町村の中での連携もやはり必要だと感じた」
という意見などが、子どもの貧困問題を含む子育て支援の在り方について考える有意義な研修になったと考えます。
セーブ・ザ・チルドレンは、今後も自治体における子どもの貧困対策の推進に向けて、都道府県や市町村の取り組みをサポートしていきます。
セーブ・ザ・チルドレンでは子どもの貧困問題解決に向け、さまざまな取り組みを行っています。国内の活動の最新情報は随時こちらのページで更新しています。ぜひこちらをご覧ください。
※こども大綱は2023年12月22日に閣議決定されました。本文はこちら
(国内事業部 鳥塚)
当日は、県内の複数の市町村から子どもの貧困対策や子育て支援に携わる自治体職員、教育関係者、民間団体の職員など、あわせて16の自治体から39人が参加し、有識者による講演会や自治体、民間団体による子どもの貧困対策を含む子育て支援についての事例発表や活動報告が行われました。
また、その後のグループワークでは、子ども・子育て支援の課題や解決のためのアクションについて話し合われました。
はじめに、東京都立大学教授の阿部彩氏より、子どもの貧困の現状について講演が行われました。
「貧困とは何か」といった基本的な考え方に加え、2023年7月に公表された子どもの貧困率に関してや、子ども間で格差が広がっている実情について、報告がありました。
報告の中では、子どもの貧困率は2018年と比べて数値としては改善している一方で、子どもの年齢による格差が拡大し、年齢の高い子ほど貧困率が増加していることや、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることなどが共有されました。
続いて、宮城県で子どもの電話相談をしている特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎ代表理事の小林純子氏より、宮城県内の困難を抱えた親子に対する子育て支援の実例についての報告がありました。
特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎは、18歳までを対象としたフリーダイヤル「チャイルドライン」を運営しており、子どもの権利を大切にして、子どもが生き生きできる社会をつくる活動を行っています。
その中で、東日本大震災後、震災を経験した世代が親世代になり、震災のトラウマが自身の子育てに影響している例や、宮城県内でも市町村によって人口規模が異なるため子育て世帯が使える支援制度が異なることなどが紹介され、行政の縦割りを超えた情報共有や子育て世帯を支える人材育成の必要性について強調していました。
セーブ・ザ・チルドレンからは、2022年度に実施した「子ども給付金~新入学サポート2022~」、長期休み中の子どもの食の状況改善を目的とした「子どもの食 応援ボックス」、低所得世帯の出産・育児費用の軽減を目的とした「ハロー!ベビーボックス」の調査結果について報告し、経済的に困難な状況にある子育て世帯の育児や教育にかかる費用の負担、物価上昇による影響、宮城県在住の申し込み者の声などを共有しました。
さらに、2023年4月より施行されたこども基本法、同じく4月に設置されたこども家庭庁、2023年12月に閣議決定されたこども大綱※の研修当時までの進捗について、子どもの貧困問題の視点から説明を行いました。
研修会の後半はセーブ・ザ・チルドレンがファシリテーターを務め、グループワークを行いました。「困難な状況にある子どもと親に対し、どのように支援情報を届け、必要な支援につなぐにはどうすればよいか?」というテーマで、参加者自身の実際の経験やその時の対応について、グループで話し合いました。事例としては、子ども食堂を訪れた親子に対して、学びや生活のための支援の情報チラシを渡すなどが共有されました。
参加者からは、次のような意見が寄せられました。
「行政の方、NPOの方、教育、どうやって連携していけるか考えるきっかけになりました」
「他市の子ども食堂実施団体から事例紹介をいただき、参考になりました」
「自治体間や民間との連携もそうだが、同じ市町村の中での連携もやはり必要だと感じた」
という意見などが、子どもの貧困問題を含む子育て支援の在り方について考える有意義な研修になったと考えます。
セーブ・ザ・チルドレンは、今後も自治体における子どもの貧困対策の推進に向けて、都道府県や市町村の取り組みをサポートしていきます。
セーブ・ザ・チルドレンでは子どもの貧困問題解決に向け、さまざまな取り組みを行っています。国内の活動の最新情報は随時こちらのページで更新しています。ぜひこちらをご覧ください。
※こども大綱は2023年12月22日に閣議決定されました。本文はこちら
(国内事業部 鳥塚)