パレスチナ・ガザ地区の停戦などを求めるため、深澤外務大臣政務官を訪問しました


深澤政務官と、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン海外事業部ガザ事業担当の金子
(中央:提言書を手渡ししている様子)

2023年10月7日以降続いているパレスチナ・ガザ地区への大規模空爆によって被害者が増え続けていることについて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと他のNGOなど5団体1は、2024年2月5日(月)深澤陽一外務大臣政務官を訪問し日本政府への提言を行いました。NGO側からの提言内容は主に以下4点でした。

1)恒久的停戦への外交努力継続
2)支援物資の確実な搬入への働きかけおよび国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金の即時再開
3)ガザに日本の政府開発援助(ODA)により設置された施設の破壊状況の把握
4)国際司法裁判所(ICJ)仮判決に関する動きへの継続的な法の下での判断

深澤政務官からは、1)について「停戦を求める思いは理解する。G7外相声明や国連安保理決議第2712号2では、戦闘の人道的休止までが合意に至った。皆さんと思いは同じであり、国際社会の中でどのような働きかけが効果的か見極めながら対応していく」との回答がありました。

2)については「国連が調査中であり、日本政府としては、調査結果が出て実態が分かるまでは資金拠出再開は難しい。現在、日本政府としては、世界食糧計画(WFP)や国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)を通じた医療や食料の提供など、他の手段もないか追求している。UNRWAの役割は認識しているが、疑惑についてはしっかり調査する必要があり、慎重にならざるを得ない。」との回答がありました。

また、3)について、「調査が行われていることは外務省も把握している。確認は重要であるが、直ちに全容を把握することは困難である。調査の責任を全うするつもりだが、タイミングについては理解いただきたい」との返答がありました。

4)について、「上川大臣の談話3のとおり、法の支配を重視しており、日本政府としてはICJの暫定措置命令は誠実に履行されるべきものと考えている。「法の支配」の重要性については国際場裏で発信していく」との言及がありました。

参加したセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの担当者からは、UNRWAがガザのほとんどの避難所を運営している現実から、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが行っている支援もUNRWAなくして子どもたちに届けられないこと、つまり支援が現地に届かなくなることを説明しました。またWFPやIFRCなどの他団体がサービスを担うようにするにしても、大規模なサービスの構造を移行するだけで長い時間がかかり、その間多くの犠牲者が出ることを懸念していると伝えました。加えて、現在でも子どもや女性たちが避難所を転々とし、明日をも知れぬ生活を強いられている中で、これ以上人々を苦しめる選択はしないよう重ねて要請しました。そのために、UNRWAに対する調査と、UNRWAの運営を同時並行で行うこと、資金提供を続けているノルウェーなどに同調することを検討してほしいと要望しました。そして、日本は70年にわたってUNRWAを通して支援してきたが、アラブ諸国からの信頼が損なわれかねない状況にあること、また、国家安全保障の観点からも支援継続を検討してほしいこと、外務大臣にもこれらをお伝えしてほしいことをお願いしました。

セーブ・ザ・チルドレンでは引き続き、ガザ地区における停戦、また支援物資の確実な搬入と、UNRWAへの資金拠出停止の撤回を、他の市民社会とともに訴えていきます。



1 特活)日本国際ボランティアセンター、特活)パルシック、特活)パレスチナ子どものキャンペーン、特活)ピースウィンズ・ジャパン、中東研究者有志アピール呼びかけ人の5団体。

2 Adopting Resolution 2712 (2023), Security Council Callsfor ‘Urgent and Extended’ Humanitarian Pauses in Gaza, Immediate Release ofHostages20231115日、国際連盟

3 南アフリカによるイスラエルに対する国際司法裁判所(ICJ)への提訴(暫定措置命令の発出)(外務大臣談話), R6年(2024年)127日、外務省

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