(公開日:2024.11.29)
【スタッフインタビュー】海外事業部 バングラデシュ駐在員 田部井梢
- スタッフインタビュー
行動に移す。心で後悔したくない。
子どもの頃から、目の前に困っている人がいたり、困ったことが起きたりしたら、何かしないと落ち着かない気持ちになります。何もしなかった時は後悔することが多いので、たとえ失敗に終わるとしても、行動に移すことにしています。小児科での看護師の経験においても、厳しい状況下で子どもたちにポジティブな変化が起きることを信じて、今自分にできることに専念してきました。保健の分野だけでは子どもたちを支えきれないと感じ、子どもの保護など、子どもを取り巻くさまざまな課題にアプローチできるセーブ・ザ・チルドレンへの入局を決意しました。
目の前にある厳しい現状。それでも、変化が起こると信じることをあきらめない。
バングラデシュの南東部コックスバザールに駐在し、子どもたちが暴力・虐待・搾取などから守られるよう、地域住民や行政とともに子どもを守る仕組みの強化を行っています。
経済的にもすでに厳しい状況にある子どもたちですが、サイクロンなどの自然災害、ロヒンギャ難民キャンプで繰り返し起こる大規模火災、突然の政変などの危機が重なり合い、非常に深刻な状況にあります。何年もかけてコミュニティとともに作り上げてきた、子どもたちのための居場所や仕組みが、一瞬にして消えてしまうことも起きています。
2024年8月サイクロンによる浸水被害
そのような中でも、自分があきらめたくないことは何なのかを問い続け、今日も活動しています。私が一番あきらめたくないことは、子どもたちに必ず何か良い変化が起こることを信じることだからです。
いまだけでなく未来にわたる変化を、子どもたちへ。
「いま」だけではなく、私たちが去ったあと何年も先をも見据えた活動をすることが、駐在員の使命だと思っています。たとえば「子ども79人の児童婚を止めた」という成果があるとします。ただそれだけではなくて、「児童婚を止めた」ことで起こるそのあとの子どもや家族への影響についても、根本からアプローチをします。具体的には、家族への「生計支援」や、子どもが成長してから結婚することによって生じる利益について、知識を深めてもらう「啓発活動」なども実施します。時間もかかる粘り強い支援が必要ですが、そこには数字には表れない、子どもたちの未来にわたって起こる変化が確実にあります。
ロヒンギャ難民キャンプのラーニングセンターにて
変化が起きた子どもの姿に、勇気をもらいます。私には彼らがまるで内側から光っているように見え、自分自身にできることがわかっている、自分自身の力を信じている表情をしているように感じるのです。
一緒にあきらめたくない。いつも誰かとともに、この先へ。
私たちの支援活動は、私たちだけでは実施できません。子どもたちを取り巻くコミュニティの人たちとともに、深く連携しながら実施しています。コミュニティそのものが強化されてはじめて、子どもたちを未来にわたって守り続けることができるのです。私たちが単独で走っているのではなくて、その地域の人たちとともに「並走」しているイメージです。そしてこのゴールを目指すマラソンにおいて私は、寄付で活動を支えてくださる方々とも一緒に走っている感覚でいます。一緒に、あきらめたくない。今日もゴールに向けて走り続けています。
セーブ・ザ・チルドレンのチームスタッフとともに