(公開日:2024.11.29)
【スタッフインタビュー】海外事業部 ウガンダ駐在員 内藤優和
- スタッフインタビュー
自分自身でリアルを感じるために、最前線へ
南アフリカで生まれ、子ども時代の一部をケニア・南アフリカで過ごしました。裸足でサッカーをするアフリカの子どもたちの、活き活きとした姿に触れながら「彼らのようになりたい」と一緒に裸足になってサッカーをして育ちました。どこに生まれ境遇がどうあっても同じ子どもであり、一人ひとりが生まれながらにもつ潜在的な可能性に溢れている。子ども時代に感じた感覚が、今の自分の活動につながっています。
大学では比較教育社会学を通じて子どもの権利や子どものエンパワメントを学び、JICA国際協力機構を経て、より困難な状況にある子どもたちを支える「子どもの保護」の分野で子ども支援に携わりたいと考えました。子ども支援のNGOを経て、支援の最前線である駐在を熱望し、2023年にセーブ・ザ・チルドレンに入局。現地のニーズを日本国内で考えるよりも、自分自身で現地のリアルを直接感じながら、子どもたちやコミュニティの人たちに直接支援を届けたいと思いました。
現状に疑問を感じる子どもたちの素直な感覚が、ここにある
私はセーブ・ザ・チルドレンで、子どもを暴力・虐待・搾取から守るための活動をしています。ウガンダ北西部アルア県における「子どもの保護システム強化事業」では、「子どもグループ」を設置し、子どもの声が政策に反映されるよう、子どもとともに行政へのアドボカシー活動に取り組んでいます。子どもたちは「夜に子どもがひとりで歩いていても保護されないのはおかしい」など、自分の暮らす地域の子どもをとりまく環境に問題意識を抱き、声を上げようと異なる村々から集まってきています。その活動中に印象的なシーンがありました。
行政のお金が子どもたちのためにどう使われているのか説明されたときのこと。ひとりの子どもが勇気を出した様子で手を挙げ、「予算策定のプロセスはよく理解できました。実際に自分たちの声が予算に反映されるためには、子どもグループがどの大人にどう働きかけていけばよいですか」と声を上げ、質問をしました。すると他の子どもたちも一斉に、「それはまさに自分が聞きたかったことだ」と、大きな拍手をしたのです。
活動開始時と比べ、子どもグループとしての力強い主体性が育っていることを実感しました。同時に子どもたちの声を聴くだけでなく、子どもたちに対して説明する責任を果たし、子どもたちの声を大人に適切に届けていくことが私たちセーブ・ザ・チルドレンの使命であると改めて感じました。
「子どもグループ」の子どもたちとともに
子どものために、子どもと大人とともに
いまだけでなく未来にわたって子どもを暴力などから守るためには、継続的な、粘り強い支援が必要です。たとえば私たちは、子どもの声を聴きながら、地域のことをよく知っている現地の人たちとの強いパートナーシップのもと、子どもをとりまく家族・コミュニティ・社会にはたらきかけ、子どものために協働します。私たちが去ったあとでも、何世代にもわたって子どもたちが守られ続けるような仕組みが必要です。
「子どもの保護システム強化」のイメージ図。大人や社会と連携し、子どもをとりまく環境そのものを強化していくことを目指している
いま目の前にいる子どもたちの真っ直ぐな声を日々の原動力に。この先の未来も、子どもたち一人ひとりが生まれながらにもつ潜在的な可能性が発揮されるよう、今日も子どもたちと、地域の人たちとともに活動しています。