【パート2】能登半島地震のあと、子どもたちが感じている気持ちや疑問への一問一答

能登半島地震から、間もなく1年を迎えます。
セーブ・ザ・チルドレンは、主に被災地域の子どもたちを対象に20247月に「2024年能登半島地震子どもアンケート~震災から半年いま伝えたい子どもたちの声~」を行いました。

アンケートには、子どもたちの地震や復興への思いがたくさん寄せられました。協力してくれた皆さん、ありがとうございました。

2,000
件を超える回答の中には、地震の怖さ・不安な気持ちが書かれているものも多くありました。
災害などの緊急事態に直面すると、不安や恐怖、悲しみを抱くのは自然なことです。でも、その気持ちにどう向き合い、受け止めていけばよいのか、あまり知らない人もいるかもしれません。

そこで、心理の専門家の力を借りて、子どもたちの気持ちや疑問に一問一答の形で答えてみたいと思います。
質問は、アンケートから、複数の子どもたちが書いていた内容の自由記述を選び、組み合わせたりして8つ作成しました。

パート2では、Q5~Q8までの一問一答を紹介します。(パート1はこちら

能登半島地震で被災した子どもたちをはじめ、さまざまな災害の影響で不安や心配な気持ちになっている子どもたちの役に立てるよう願っています。多くの子どもたちに届くよう、ぜひ周りの方への共有や拡散をお願いします。

協力:(公社)日本公認心理師協会、(一社)日本臨床心理士会

 


回答かいとう
学校がっこう場所ばしょわったり、ともだちが転校てんこうしたり、不安ふあん心細こころぼそくなることがたくさんありましたね。あなたのそばにいるだれかに、あなたの気持きもちをつたえてみることができたら、すこ気持きもちがおちつくかもしれません。学校がっこう運動場うんどうじょうちかくの遊び場あそ ば使つかえなくなって、これまでのようにあそべないと、つまらないですね。でも本当ほんとうまえみたいにあそたのしくごしたい気持きもちがあるのですね。「あそがほしい!」というのは、とても大事だいじねがいなので、校長こうちょう先生せんせいまわりの大人おとなひとにも、あきらめずにあなたのねがいをつたえてみてください。おな気持きもちをもっている仲間なかま応援おうえんしてくれるひとたちみんなの気持きもちが、ごしやすいまちづくりをすすめるちからになるでしょう。



回答かいとう
今晩こんばん、ほんの一瞬いっしゅんだけでも、安心あんしんしてねむれた瞬間しゅんかんおとずれたらどれだけいことでしょう。ここまでねむれないつづくと相当そうとうにつらいとおもいます。リラックスの方法ほうほうねむりやすくなる生活せいかつ環境かんきょうづくりを保健室ほけんしつ先生せんせいやスクールカウンセラーにたずねることも役立やくだちますが、なによりも本当ほんとう安心あんしんできることが大事だいじですね。もしかすると「大丈夫だいじょうぶ」「安心あんしんしておやすみ」などの言葉ことばいても、どこか安心あんしんできないのかもしれません。それでも、ささえてくれるひと仲間なかまがいると、すこしずつ安心あんしんれることができます。ねむれないことがつづくと、いろいろな不調ふちょうてくることがあります。そんなときには信頼しんらいできる大人おとなねむれないことについてもおはなししてみてください。



回答かいとう
とてもこわおもいをしたから、からだもこころも緊張きんちょうしているのだとおもいます。なにかいつもとちがうことがきたときに、ひと自分じぶんまもるためにいつもよりも警戒けいかいしんつよくなります。だから、すこしのおとでもこわくなってしまうのかもしれません。それはとても自然しぜん反応はんのうで、自分じぶんまもるためにからだとこころががんばっています。でも、ずっとつづいてしまうと、つかれてしまうし、ゆっくりやすめないこともあるかもしれません。まず、こわおもいをしてもがんばってきた自分じぶんをほめてあげてください。そして、すこしでもほっとできる場所ばしょ時間じかん大切たいせつにしたり、安心あんしんできるひとがいたら、こわかった気持きもちをはなしてみるのもいいかもしれないですね。



回答かいとう
んでいるひとに、はげましの言葉ことばをかけたくなるのは、やさしい気持きもちがあるからですね。特別とくべつなことをったり、したりする必要ひつようはありません。「おはよう」といつもどおりに挨拶あいさつすることや「一緒いっしょにおひるべよう」とさそうこと、となりにいることだけでも、あなたがにかけていることはつたわります。すぐには元気げんきにならないかもしれませんが、あせらずに、つぎったときも挨拶あいさつをしましょう。もし、つらかったときのことをはなしてくれたら、大変たいへんだったねといたわりましょう。食事しょくじべられない、よるねむれていないなどのようにとても具合ぐあいわるそうなら、先生せんせいやスクールカウンセラーなど、まわりの大人おとなに、心配しんぱい状態じょうたいひとがいることをつたえてたすけをもとめましょう


※Q1~Q4を紹介したパート1はこちら

【参考(大人の方向け)】
セーブ・ザ・チルドレンは、緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置(子どものためのPFA)」の普及啓発に取り組んでいます。子どものためのPFAは、特別な心理的知識がなくても、災害などの危機的状況で子どものこころに配慮した支援ができるよう、支援者が取るべき行動や姿勢を示したものです。詳しくはこちらのページをご覧ください。https://www.savechildren.or.jp/lp/pfa/



(報告:国内事業部 田代光恵)

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