被災地において病気が蔓延 数十万人の子どもが命を落とす危険に直面(2011.10.28)


現在、パキスタンの洪水被災地ではマラリアや肺炎が蔓延しており、何十万人におよぶ子どもたちが命を落とす危険に直面しています。540万人以上が被災した同国南部シンド(Sindh)州には未だ十分な支援が届いておらず、きれいな水や衛生用品もなく、人々は道端や仮設キャンプでの生活を余儀なくされています。




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被害の大きかったバディン地区では、子どものマラリア発生率が2週間で20%増加しており、そのうち約25%が5歳未満の子どもです。また、ミルプール・ハース地区では肺炎の発生率が44%増加し、そのうち約半数が子どもです。パキスタンでは、5歳未満の子どもの死亡原因の中でも、肺炎により命を落とす子どもたちが大変多いのです。


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グラム・ファティマさん(25歳)は9か月になる娘をセーブ・ザ・チルドレンが運営する栄養支援仮設キャンプに連れていきました。彼女の娘は平均体重の約半分にあたる4キロしかありません。ファティマさんは次のように話します。


「洪水発生後、娘は病気にかかり、下痢と高熱に苦しめられ、日に日に弱っていきました。手動式ポンプで水を得ましたが、濁っていました。運がいい時は、私たちはパンとお米を一日に2回だけ食べることができます。しかし、これでは不十分であまり母乳を与えることができません。」


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現在、約100万人の人々が仮設シェルターに住んでおり、冬の時期には状況が悪化すると懸念されています。セーブ・ザ・チルドレン・パキスタンの事務所長であるDavid Wrightは次のように語っています。



「避難を余儀なくされた子どもやその家族は、気温が低下し続ける中、劣悪な状況で生活しています。彼らは適切なシェルターも衣類もなく、また、水の供給もままならず、時には洪水をもたらしたその水自体を飲むことさえあるのです。セーブ・ザ・チルドレンの保健チームが農村部に支援に入ったところ、マラリアや肺炎などに苦しむ子どもたちの数が激増していることがわかりました。私たちは、このような病気が驚くべき割合で蔓延していることを心配しています。」


国連により、食料、医薬品、緊急シェルターおよび飲料水が10月末に備蓄切れになる危険性が指摘されており、更なる病気の蔓延が懸念されています。国際社会による支援にも遅れが目立ち、当初国連がアピールした3億5700万ドルの支援のうち、現時点ではわずか22%しか集まっていません。セーブ・ザ・チルドレンはシンド州南部で活動する数少ない国際支援団体として、40万人以上に食料、保健医療、シェルター、基本的な家庭用品などを配布しています。また、子どもが災害による苦痛から立ち直れるよう、安心して遊べる場所を提供しています。


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セーブ・ザ・チルドレンはシンド州南部において3200万ドル規模の食料支援を開始しました。今後、被害の酷かったバディン、ミルプール・ハース、サンガール、タンド・アラヤールの4地区で60万人の子どもを含む100万人に支援を届けていきます。

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(c) Eduardo Diaz / Save the Children



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